行程・コース
この登山記録の行程
富士スバルライン五合目(11:00)・・・六合目(12:30)[休憩 10分]・・・七合目(14:10)・・・八合目(16:10)[休憩 410分]・・・本八合目(01:00)[休憩 10分]・・・九合目(02:15)・・・須走口・吉田口頂上(03:20)[休憩 110分]・・・八合目(下山道分岐)(06:00)[休憩 10分]・・・七合目(07:30)[休憩 10分]・・・六合目(08:20)[休憩 10分]・・・富士スバルライン五合目(09:10)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
富士山初登頂~御来光を山頂で臨む~ (8/9~8/10)
静岡に生まれ、静岡で育った私。富士山は身近な存在だったが、近くて遠い存在でもあった。いつか登ってみたいと思いつつも、その機会はなく、大学のある東京へ。ますます遠い存在になってしまい、忘れかけた富士登山だが、還暦を記念して、ついに登ることを決意した。標高3776.24m、日本最高峰(剣ヶ峰)の独立峰。単独で自由に登るのが好きだが、今回だけは登山ガイド付きツアーに参加した。富士山は、オーバーペースなどで「高山病」にかかりやすいことも知られているからだ。
バスは7時過ぎ立川を出発。10時頃には富士スバル5合目(2305m)に到着。ここで、1時間半かけて、じっくり身体を高度に慣らす(高度順応)。高山病対策で特に重要度が高いものは、「水分補給」「呼吸」「歩くスピード」だそうだ。ここは、レストランやお土産屋さんが並ぶ。ペットボトル(500ml)は210円だ。標高が上がるたびに価格は上がり、頂上では500円!!。ちなみにトイレも有料で、ここでは100円だが、頂上では300円だった。入山する際の「富士山保全協力金」(1000円)は任意だが、ほとんどの人が支払うらしい。
ガイドさん(2名)の説明を聞き、軽い体操をして、11時30頃に出発。総勢29名。参加者は50~60歳代が多そうだ。家族や二人組、単独など様々。初めの6合目までは広い道をゆっくり歩く。とにかくゆっくりだ。下山ルートとの分岐点で休憩。休憩も30分で1回くらい。六合目(2390m)の富士山安全指導センターのあたりで、休憩中に写真を撮ってもらった。ここから登山道が狭くなり、少しずつ急になる。雲が切れて山中湖や富士山の外輪山が見えてくる。
七合目(2700m)を過ぎ、花小屋あたりから「鎌岩」と呼ばれる岩の道が始まる。溶岩の岩なので滑りにくいがごつごつして歩きづらい。植物はフジハタザオなど高山植物が生えている程度で、日差しをもろに受ける。幸いこの日は曇り空だったので、汗もそれほどかかず登りやすかった。八合目(3340m)まで点在する山小屋を次々に通過しながら、階段や岩稜上を歩く急な登りが続く。標高が上がれば気温は下がるはずだが、今日は意外に暖かく、ここまで半袖で十分だった。ここまで脱落者は0。六合目を過ぎた当たりで調子を崩した女性がいたが、その荷物を自分の荷物の上に背負って登っていったガイドさんには驚いた。ものすごい体力だ。
16時10頃に、八合目にある太子館に到着。ガイドさんの的確な指示(ペースや休憩)であまり疲れを感じなかった。ここで夕食後、仮眠をとる。時間的には6時間ほどとれるはずだが、仮眠場所は畳一畳もないほどのスペースで雑魚寝。天井の梁に頭をぶつけ、寝返りもままならない。耳栓とアイマスクで安眠対策をとったが、全く効果なく、ほとんど寝た気がしない。
23時30分、頂上に向け出発。寝不足で頭が少し痛い。ひどくならないかと不安がよぎる。太子館までで何名がリタイアしたようだ。ヘッドライトをつけ、夜道を照らしながら細く険しい岩稜を登る。次第に登山者の数が増え、本八合目(3370m)の須走口からの登山道を合流する当たりでは大渋滞となる。他のツアーのガイドさん同士が連絡を取り合い、休憩したり、先に通したりしてゆっくり進む。本八合目で数名リタイアして22名(7名脱落)となった。登るにつれ、眼下に富士吉田市の夜景とヘッドライトの光の列がきれいに見える。気温はどんどん下がり、1枚2枚と重ね着していく。九合目(3600m)の表示、山頂の赤い光がしだいにはっきり見え始め、鳥居をくぐるとあと少しなのだが、ここからも長い。何も考えずに(頭がぼーっとしていせいか)登る。吉田口・須走口頂上(3710m)に着いたのは、午前3時20分。久須志神社前で全員が登頂するのを待ち、山口屋で豚汁を頂き、やっと一息がつけた。御来光(4時45分頃)まで時間があるのでトイレに行ったり、お土産品を見たりしていたようだが、とにかく寒いので、私はじっとしていた。気温はおそらく5度くらいだろう。地上とは30度近く差があり、真冬並の防寒着は絶対必要だ。
御来光を見るため山頂は次第に人が増え、正面の観覧席は満席状態、参道も人混みですれ違うのも一苦労。混雑する中、どうやって御来光を臨むのかと思っていたら、ガイドさんがとっておきの「秘密の場所」があるという。半信半疑だったが、いざそこに行ってみたら、人はまばらでバッチリ御来光が臨めた。少し雲がかかっていたが、徐々に日が昇ってくるとあたりが明るくなり、眼下に広がる雲海と山並みがとてもきれいに見える。初めて見る、富士山頂からの御来光に感激。苦労して登ってきたかいがあった。記念写真を何枚も撮った。ずっとそこで日が昇ってくる様を見ていたかったが、下らなければ・・・。富士山の火口を眺め、下山。
5時過ぎに出発。富士山では、登山道と下山道が別々になっている。登山者が多いと道を分けた方がお互いにスムーズだからだ。ただし、登山道は登りやすいから登山道とされているのであって、『下山での使用は一切禁止』という意味ではない。下山道は蛇行しながら砂混じりの単調な道が続く。固い岩盤の上に砂が積もった状態で、とても滑りやすい。足にかかる負担はかなり大きく、登りよりも辛いかも。一歩踏み出すごとに砂ぼこりが舞い上がる。マスクやタオルを顔に当てるが、息苦しいのでずっとしているのも難しい。のどがガラガラしてくる。靴に砂が入らないようにスパッツを装着。長い砂礫の道を下り、6合目の安全指導センターが見えてくるといよいよゴールが間近。6合目の先にある岩畳は、多くの登山者、観光客に踏まれて角が丸くなり、靴底のかかりが非常に悪くなっていて、すべりやすい。気を抜くと危険な箇所だ。下っている最中はもちろん、休憩中に誰も口を開かない。ガイドさんの説明も聞いているのか、いないのか。私はというと、疲労を通り過ぎて「クライマーズ・ハイ」な状態。列の先頭でガイドさんと世間話をしながら下りてきた。
9時過ぎに富士スバル5合目に無事帰還。8時間以上かけて登ってきたが、下山は4時間ほどだった。今回の経験はとても貴重なものとなった。自分に自信が持てたことだけでなく、団体行動での助け合い、他人を思いやる気持ちの大切さ。年配の方々が頑張っている姿に勇気づけられ、前に進む原動力にもなった。単独登山もいいが、ツアーはツアーのよさもあることに気づかされた1泊2日だった。
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装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
登山靴 | バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
傘 | タオル | 帽子 | グローブ | サングラス | 着替え |
地図 | ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | 医療品 |
ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ | トレッキングポール |
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