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北岳~間ノ岳縦走、農鳥小屋まで

北岳、間の岳( 南アルプス)

パーティ: 1人 (平和と自由 さん )

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行程・コース

天候

7月30日、31日ともに晴。両日ともに夕方3時過ぎか4時ごろから雨

登山口へのアクセス

バス
その他: 7月29日朝、四国・松山を出発。同日夕甲府に泊り、翌30日、甲府駅前からバスに乗り11時ごろ広河原着。

この登山記録の行程

1日目
広河原荘前出発11時35分、白根御池小屋着3時30分。ここで宿泊。
2日目
朝5時出発---(大樺沢二俣~右俣コース)---小太郎尾根分岐8:16---(9:13)肩の小屋(9:22)---(10:25)北岳山頂---(12:25)北岳山荘---(13:40)中白峰---(15:28)間の岳頂上---(17時頃)農鳥小屋
3日目
農鳥小屋発(5:00)---(8:04)間の岳頂上(8:20)---(9:40)中白峯---(10:23)北岳山荘---(12:08)北岳山頂---(12:55)北岳肩の小屋--- 3時ごろ大樺沢二俣---(大樺沢コースで)--- 5時半ごろ広河原山荘  

コース

総距離
約22.7km
累積標高差
上り約2,917m
下り約2,913m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

初日に白根御池小屋に泊る計画にしたのは、前年の石鎚山、富士山の登山経験から高山病(酸素欠乏症)に弱い体質と考え、広河原から肩の小屋または北岳山荘まで標高差1500mを一日で上るのでなく、途中で体を慣らしておいた方がよいと考えたから。しかし白根御池小屋が混んでおり一枚の布団に2人で寝かされほとんど眠れなかった。
そのためではないかと思うが翌日は足が重く、肩の小屋経由で北岳山頂に着いたのは、予定より45分遅れ。北岳山荘を出た時には1時間遅れになり、間の岳山頂に着いたのは15時ごろで、予定より1時間半も遅れていた。
快晴で、北岳からは仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山など近くの山々がくっきりと見えただけではなく、遠くには八ヶ岳も見えた。そして南東側には雲海の上に富士山がその優美な姿を見せていた。
前夜、ケイタイの充電を忘れたため、小太郎尾根で撮った写真を最後に電池切れになり、北岳山頂では「登頂」のシャッターが切れなくなり、居合わせた若者に頼んで写真を撮ってもらい、e-mailで送ってもらった。前田さんありがとう。
昼頃からガスが東側から頻繁にのぼってくるようになり、間の岳では東側はガスで全く見えなくなった。間の岳山頂に着いたのは3時半。予定より2時間ほど遅れている。3190mの山頂の標識と「国地院3189m」と書かれた石柱の両方を確かめた。
登山者はほかに誰もおらず、(写真を撮ってもらうよう頼むこともできなかったが)広い山頂を独り占めにしているよう気がして、愉快だった。
農鳥小屋に向かって下る途中、雨がぱらついたと思ったらすぐに(強く)降り出し、ずぶぬれになってしまった。このことについてはあとでまた書く。農鳥小屋に着いたのは17時ごろで親父さんに「死んでしまうぞ」とどやしつけられながら着ていたものを全部脱いで着替え、フリースを着、冬用のチョッキを重ね着してようやく落ち着いた。
計画では「15時くらいまでに着き、晴れていれば、荷物を小屋に預け、西農鳥岳まで行く」つもりだったが、この計画は完全に破綻。
また当初、3日目は大門沢経由で奈良田に降り、バスで広河原に行き、(ホテルを予約している)甲府に戻るつもりだったが、奈良田―広河原間は交通止めになっていたため、間の岳―北岳を経て広河原に降りることにした。
3日目
間の岳を上る途中、富士山の7合目か8合目のような傾斜のガレ場では上から落石があるかもしれないと、持ってきたヘルメットをかぶっった。往路では中白峯から間の岳に来る途中、(目印がはっきりしない)ザレ場/ガレ場をトラバースしていると10mほど下に道が見え、一歩一歩注意して足を運んだが、私の歩いている足元の石がズズーっと崩れ、石が落ちていく。下に人がいては危ないと思い、曲がり角にいた人に声を掛け、止まってもらった。帰りにはそこを通るはずだ。そう考え、ヘルメットを着けたまま歩いた。
朝のうちは晴れていて鳳凰三山や富士山が見えた。間の岳頂上には8時ごろ着いた。5,6人の登山客がいて、(ケイタイでない)カメラで写真を撮っていた二人連れの女性に、前日北岳で頼んだのと同じことを頼んで引き受けてもらったのだが、(8月下旬の現在)送ってもらうことができないでいる。e-mailアドレスと私のHP(検索用のキーワード)を書いたメモを渡したのだが。そういうわけで間の岳山頂での写真は現在掲載できない。農鳥小屋の写真は3日目の朝、復帰していた電池を使って一枚だけ撮れたもの。
20分余のおくれで北岳から肩の小屋に向かう途中、ストックの突き方が悪く、前のめりに転倒。ストックが一本折れた。
肩の小屋では水を飲んだだけでほとんど休まず、右俣コースを下る。大樺沢二俣に出る直前、雨になった。前日の経験があるのですぐにカッパの上下をつけた。二俣からは大樺沢を下る。ストックが一本になり、また岩が濡れて滑るので歩行速度は遅くなったが、体力的には元気で休まず歩き続けた。最終バスが16時40分で、休みなしで歩けば間に合うはずだった。
しばらくは左岸を歩いた。雨によって川の水位が上がると怖いと思っていたが、道はずっと上にあって水を恐れる必要はなかった。ビル工事などで使われているようなしっかりした金属板が使われ手摺の付いた10mほどの橋を2回、太い木の角柱を2本あるいは3本並べた、手すりのない5mほどの橋を2,3回渡り、さらに脇から流入している小さな沢を2度渡渉した。
右岸になってから下っていくと、前の方に人の姿が見えた。転んだようだが起き上がるのに手間取っているらしかった。カッパのズボンの裾が木に引っかかってしまったという。後で聞いて知ったのだが、テント泊で荷物は17キロあり、足場の悪いところでいったん転ぶと起き上がるのは簡単ではないようだ。数分間、ズボンのすそを直し起き上がるのを手伝って、再び先を急いだ。
しかし、最後に小さな沢を渡渉をしたあと、向こう側はガレ場で、道が消えていた。道を探し、ガレ場から下の林の中に入ってまたもどり、2回ほど上り下りし、やっと目印の赤いテープが見つかった。下から見るとテープは見えるがガレ場の上から見ると木の影に入って見えないのだ。
バスの時間にはぎりぎりで間に合うかどうかわからなかった。急いで下って間に合わなければばからしい。そして後ろからくる重い荷物を背負った人のことが気になった。私の荷は10キロほどでたいしたことはないが、17キロもあっては、林の中の斜面を上り下りして道を探すのは大変だ。私は後の人を待つことにした。しばらくしてその人が姿を現したので、「こっちです、こっちが道です。ここに来ると目印のテープがあります」と声を掛けた。
私はしばらく歩き、少し休んでその人を待ち、また歩いて休んだ。広河原山荘の脇に着いたのは5時半を回ったころだった。バスはないことはわかっていたが、後続のIさんが、甲府まで乗り合いタクシーがある(そして甲府発25時くらいの高速バスで大阪に帰るのだ)と言っていたので、とにかく広河原インフォメーションセンターまでは行ってみようと思った。ところが、後ろから山荘の女性が追いかけてきて、もうこの時間ではバスもタクシーもない、山荘に泊るしかない、と言う。
山荘の受付で、乗り合いタクシーが終わってしまっても、甲府からタクシーを呼べるのではないかと尋ねたが、甲府から車が来ても、途中の夜叉神峠のゲートが6時で閉まり、その上の広河原までは来れない。ゲートまで歩くつもりならタクシーを呼ぶことはできるがここから1時間半は歩くという。
さすがにこれから1時間半歩くというのは無理だと考え、私もIさんも広河原山荘に泊ることにした。もちろん私は甲府のホテルに、帰れなくなった事情を説明し、翌日、料金を払いながら、預けてある荷物をもらいに行く旨連絡した。
山荘は食事もよく、寝室も広々としていてよかった。Iさんと親しくなり、帰ったらメールを交換することになった。

反省点
登山計画は、マイページの「地図編集」/「行程表」を使い、この半年ほどのトレーニングを踏まえて、これならいけるはずというものだった。しかし
①12時に北岳山荘を出発して農鳥小屋に向かう際に、「午後、雨が降るかもしれないが荒れることはない」という山荘の人の言葉で、出発したが、間の岳下山途中で降りだした雨はすぐに強くなり、全身ずぶぬれぬになってしまった。カッパの上着だけは着たが、下はどうせ濡れたんだからとそのまま歩いた。ところが、雨は氷水のようにに冷たく、全身の寒さで体が震え、足の筋肉がこわばった。ゴム手袋もリュックの外側のポケットに入れておいたのだが、(半分、パニック状態で)見つからず、濡れた軍手のまま歩いた。低体温症になったら大変だと思い、体温を維持しようと必死に《走るように》歩いた。農鳥小屋の親父さんには「こんなことをしてたら死ぬぜ」とどやしつけられた。
②復路、間の岳を上っているときに急傾斜のガレ場で上から落石の危険があると思い、持っていたヘルメットをかぶった。ここでも、またほかのところでも、落石はなかったが、北岳から肩の小屋に向かって下る際に、ストックがハイマツと岩の間に深く刺さってしまい、私は前のめりに転んだ。その拍子にガツンと岩に頭をぶつけた。ヘルメットをかぶってなければ大けがをしたと思う。
この二つは今回の登山で最も危なかったことだ。雨が降りはじめたと知ったら、すぐにカッパの上下をまとい、ゴム手袋をつけること。ストックを突くときにはそこが硬く滑らないということを確かめてから体重をかけるということ---普段やってることだが、急いでいたり、注意が散漫になったりすると、こういう失敗がある。
休憩時間をたっぷり入れるなど、時間的に十分な余裕のある行程にすることが大切だ、というのが、登山を始めて2年ほどの私の反省である。


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装備・携行品

みんなのコメント

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  •  「不器男」です。昨日(2020.06.05)は淡路ヶ峠展望台で楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。早速山行の記録読ませていただきました。北岳〜間ノ岳大変だったですね。希望と勇気をもらいました。70を超えてからでも3000メートル級の山に挑戦できるのだと。私も体調を整え挑戦したいと思います。

登った山

北岳

北岳

3,193m

間ノ岳

間ノ岳

3,190m

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