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行程・コース

天候

標高725m峰(聖岩)への登りから小雨、西武秩父駅まで降ったり止んだり

登山口へのアクセス

その他
その他: 【行き】池袋駅05;00(西武池袋線)~小手指~飯能~06:48西武秩父駅。秩父鉄道・影森~三峰口間が台風19号の被害で不通のためタクシーで三峰口駅へ、4150円。
【帰り】武州日野駅から西武秩父駅まで歩く。

この登山記録の行程

08:00~尾根取り付き地点
08:43~622m峰
09:20~725m峰(聖岩)を巻きにかかる。道に迷う。
10:40~ルート復帰
11:11~802m峰
11:45~1030m付近の危険な岩登り
12:08~1165m峰
13:06~1307峰を越えた鞍部、1370峰(地理院地図に標高記載なし)を巻きにかかる。
13:28~三門の広場
13:37~熊倉山頂
14:03~下山開始
14:36~笹平
14:51~水場
15:37~一回目の渡渉。
16:16~六回目の渡渉を終えて林道に上がる。
17:20~武州日野駅
19:03~西武秩父駅

コース

総距離
約22.0km
累積標高差
上り約1,875m
下り約1,955m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

聖尾根では1時間以上道に迷い、日野コースの沢道は橋がすべて流され増水した沢の渡渉に苦労した。山行経験としてはワースト・オブ・ワーストに近いが、尾根も熊倉山も笹平もすばらしかった。紅葉の時期にもういちど訪れたい。
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※地図は「地理院地図」にすると標高が確認しやすいです。
【概況】
聖尾根は山に慣れ、体力とスキルが伴わないとリスクが大きいと感じた。木の根っこをつかみルートを求めながらの急登はいやらしく、危険箇所も多い。個人的にはジャンダルムより悪いと思った。web上で見つかるレポートは尾根を何回も登っているハイカーのものが多いから鵜呑みにせず、十分な時間を確保して、下山はいちばん早いらしい城山コースをとるのが最も安全なようだ。歩いてみてこの山域での遭難の多さを実感した。
日野コースについてはこちらの情報収集が甘かった。雰囲気のあるトレイルは素晴らしいのだが、沢が増水していれば通過は困難になる。危ういところを下山できたのはラッキーだったとうなだれるしかない。
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【アプローチ】
台風19号の影響で秩父鉄道の影森~三峰口間が前日13日に運休していることは知っていた。行ってみて動いていれば良し、そうでなければ登る山を変えようか、などと気楽な気持ちで出発したのがよくなかったのかもしれない。腰痛を治そうと先週、整体院に行ったのだが、「ふだんどおりに山に登って、どんな感じだったか教えてください」と先生に言われ、それなら今週も登ろうと決めたのだ。
西武秩父駅からお花畑駅に移動するも、「ちょっと時間がかかりそうです。今日中の運転再開は難しい」と駅員さん。しばらく思案したが結局、聖尾根をやることに決め、西武秩父駅前にもどってタクシーで三峰口へ向かった。
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【622m峰へ】
車道から尾根にあがるきっかけを見つけて登りにかかる※写真2。急な登りでどんどん高度を上げてゆく。幅はあるが躊躇するような急斜面の登りに四苦八苦していると、後ろから二人連れがやってきた。ここは大変だよね、といいながら慣れた様子で登ってゆく。「この下」にお住まいだそうで、大学生くらいの息子さんを連れて台風通過後の山の様子を見にきたとのこと。スポルティバを履いたお父さんの脚の運びはとても勉強になった。622m峰を50mほど過ぎたところで「僕らはここまでだから」とお別れしたが、立ち入らせてもらっているお礼を言い忘れた。
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【725m峰を越える】
725m峰をまっすぐ直登する記録もあるが、左側のトラロープに導かれて巻き道に入ってしまった※写真10。ここで1時間20分の自己新記録的道迷いをおこす。GPSのログによれば、南南西の582m峰を目指して延々とルートを探していたらしい。おなじところを行き来するあいだに、なんども次の802m峰への稜線を越えているのに、「まさか。こんなにのっぺりしてるはずないだろ」と横目でチラ見して跨いでいたのだから、道迷いが得意にも程がある。崩壊した祠のくぼみに向かって手を合わせ頭を下げること数度、GPSを確かめてみろとのお声が届いた。スマホを開いてみるとあら不思議。もう越えているではないか。
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【802m峰~1165m峰】
意気消沈と自分への怒りと安堵の、なんともいえない気持ちを抱えて802m峰に着く※13。尾根を間違わぬようにトラロープが張ってある。ここまで登降を繰り返してきたが、次の1165m峰までは完全な登りになる。1030mあたりで崖に行き当たる。二本垂れ下がっているうちの新しいほう、退色せずにまだ黄色が残っているトラロープをつかんで直登したが、体重をかけすぎると振られそうなので基本はホールドとスタンスを頼りにした。垂直な岩登りに慣れないハイカーは緊張する場所だ※写真14。なお、ここを右から巻いているレポートもある。やがて歴史を感じるフォントで「火の用心~県造林」と書かれた標識に出合うと1165m峰だった※写真15。
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【1307m峰へ】
1165m峰の次のピークを越えると、なかなか剣呑な岩場の降りにさしかかる。ここは前向きでは降りられずにクライムダウンし、通過にずいぶん時間を費やした。1250mから1300mにかけてもロープが張られた岩場があったが、こっちは傾斜はそれほどでもない。
1307m峰を越えるとはじめて道標に出会う※写真17と18。新鮮な気分で眺めながら、しかし待てよ?とこの道標がここに存在する意味を少し考えてみた。つまり、1.バリエーションルートである聖尾根から登ってきたなら、難しい部分は道標抜きの地図読みorGPS頼りでやってきたわけで、いまさらこの地点での道標は必要ない。2.ちょっとややこしいのだが、「営林署小屋跡をへて白久駅に至る」とあるのは谷津川林道を指していると思われ、その林道は「廃道」とロープが張られている※写真18。登ってくる人がいない道に案内板を出しても意味がないだろう。3.もし熊倉山から降ってきたハイカーに向けるなら、「行き止まり。Uターン!」と出すべきだ。なんとも不思議な道標だった。
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【三門の広場~熊倉山】
三門の広場へは1370m峰(地理院地図には標高記載なし)の左を巻くように道がつけられている(ピークを踏んでいるレポートもある)。この巻き道が非常に頼りなく、細いし・谷に向かって傾斜しているしで※写真19と20笑っちゃうようなトレイルだった。400km一緒に歩いたサレワはグリップが甘くなってきている。そろりそろりと歩いて通過した。
やり過ごして鞍部にでるとそこが三門の広場。ここにも、誰に向けているのかよくわからない道標がある※写真21。あとはわずかに登り、通せんぼ(熊倉山頂から下降するハイカーに対しての「止まれ」)するトラロープをくぐって山頂にたどり着く。小雨が降ったりやんだりだから展望はない。小さな祠にお礼をしてから、静かな山頂を歩き回って堪能した。
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【日野コース、沢沿いのトレイルになるまで】
さて下山だが、正直に言うと宗屋敷尾根から降りるのが計画だった。しかし725m峰での1時間20分の道迷いは致命的で、14時から踏み込んでいけるものではない。残るルートはふたつ、城山コースと日野コース。「城山コースは短いが急傾斜」とのレポートが頭に残っている。急な下り坂が続くと痛みがひどくなる腰痛もちは気分でそのコースを忌避し、日野コースを選んでしまった。それが失敗だった。
腰痛はおきたが、はじめは気分よく歩いていた。ガスの中に姿を現した給水塔にびっくりしたり※写真27、笹平の、ガスで神秘的な林間をため息つきながら降ってゆく余裕があった。イヤな予感がしたのは水場とされる地点で大量の伏流水が音をたて地表にあらわれているのを見たときで、予感は現実になる。
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【沢沿いの道】
沢の名前を調べてみたが、結局わからない。尾根を降ってゆき、尾根の左右両側を流れていた沢が合わさる地点にトレイルは降りる。テープは、まず右の沢を向こう側に渡渉しろ、と言っている。しかし大量の雨を降らせた台風19号のおかげで水量が多く、水面上に頭を出している適当な岩がない。渡渉点に丸太がかかっている記録も山行後に見つけたが、影も形もない。跳躍の選手ならひとっとびの距離も、ただのオッサンには全然無理。しばらく観察のうえ覚悟を決めて、水に入って渡ることにした。ファブリックのランニングシューズにタイツ・短パンスタイルなので、そのまま入る。
https://www.youtube.com/watch?v=9v3hdzAPwJY
1回目は左岸から右岸へ。2回目、ゴルジェ状を右岸から流れの真ん中、石の中洲みたいなところに移り、右岸に戻る。3回目は右岸から左岸へ。ここまではボイスレコーダーに吹き込んである。水量は膝くらい、いちど股下まできた。脚を上げると激しい水流にもっていかれ、バランスを崩して流されるから、川底から脚をもちあげずにすり足でじりじり進む。重心と脚を変えてじりじりとやる。たしか全部で6回か7回、神経を集中してなんとか渡りきった。最後の渡渉では対岸に4~5段のコンクリの階段と、その上の林道の平地と白いガードレールが見えるのだが、思わず「ガードレール、久しぶり!」と声を上げた。622m峰まで地元の親子と少しのあいだ一緒に歩いた以外は、山中で一人も行き遭わなかった山行の終わりに、話しかけた相手がガードレールというのも奇妙だったが。
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【エピローグ】
麓の村の小さな名所をのぞいたりしながら1時間かけて武州日野駅につく。券売機には「運休」のサインがともっており、子供が3人、ベンチに腰かけて問題集を解いている。やがて親が車で迎えに来る。レトロな待合室を眺めながら一服し、ヘッドランプをザックから引っ張り出して、8km先の西武秩父駅に向かって歩きだした。
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くどいようですが、反省をこめて注意すべき点を挙げます。各種レポートを参考にする場合には十分に留意されますよう。
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●破線ルートなのでコースタイムがありません。つい、他人の山行記録を基準に計画を立てがちですが、このルートを歩かれている皆さんは、「現役の、山歩きの玄人(くろうと)さん」だと気づかされました。体力もスキルも十分にあり、装備も万全なはずです。1日20kmくらいの山行を月に3回のペースでやっていますが、このレベルの人たちにはそうそう遭いません。低山とはいえエキスパートが残した記録なんです。その人の、他の山行記録も併せて読み、自分のコースタイムとどのくらい乖離があるのかを把握してから、自分の計画を立ててみてください。
●歩く人が少ないうえに、山域やルートを管理している人がいないようです。トラロープは古いものが多く、退色して黄色が消えていたり苔が生えていたりします。そして「道標」がまったくアテにならない、無いものと考えたほうが良いです。そのほうが混乱せずにすみます。歩いたことがありませんが「城山コース」と、今回の「雨の影響のない日野コース」だけが一般ルートです。
●手を使って登ることになりますから、指を出さない手袋の着用がお奨めです。
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■参考にさせてもらった記録
「熊倉山/聖尾根って最高に楽しいね!」
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-998004.html
「熊倉山聖尾根から宗屋敷尾根をさ迷う」
https://hikingbird.exblog.jp/30559856/
「熊倉山聖尾根(帰りは城山コース)」
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=148518
■聖尾根を下ってます。レベルが高すぎて参考にならなかった記録
「熊倉山 厳しかった!宗屋敷尾根~聖尾根」
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1185381.html

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装備・携行品

【その他】 サレワのトレランシューズ。テスラのタイツ、ユニクロのショートパンツ。全行程モンベルの速乾性長袖、ブラックダイヤモンドのハーフフィンガーグローブ、モンベルのヘルメット、モンベルの雨具を上半身のみ着用。ザックはロウアルパインの22リッターに、雨具・ロールペーパー・ヘッドランプ・スマホ・バッテリー充電器と予備電池・ココヘリ発信機・地図、カロリーメイト3パック・コンビニおにぎり4個、下山後の着替え一式。キャメルバックのハイドレーションに水2リッター(残量1L)。スタート時重量7kg。

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登った山

熊倉山

熊倉山

1,427m

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最適日数
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歩行時間
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難易度
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