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摩耶山(二つ峰の奇観と360度の展望・越沢登山口)2019秋

摩耶山( 東北)

パーティ: 1人 (ブナ太郎 さん )

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行程・コース

天候

高曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 越沢の中田橋から林道に入り、約2km進むと瀬戸橋に着きます。ここが駐車場で、5、6台ほど駐車できます。

この登山記録の行程

越沢登山口(7:51)・・・渡渉点(8:06)・・・初心者コース・ベテランコース分岐点(8:25)・・・弁財天の滝(8:48)【周辺探索10分】・・・仙人ケ岩屋分岐点(9:16)・・・山頂(10:38)【昼食・休憩1:02】・・・避難小屋(12:09)・・・七ツ滝分岐(12:34)・・・渡渉点(13:03)・・・越沢登山口(13:13)

コース

総距離
約5.3km
累積標高差
上り約792m
下り約792m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 摩耶山は信仰の山だと聞いた。なるほど、金峰山から母狩山、湯ノ沢岳へと標高を上げ、その奥に山岳信仰の仕上げの峰として摩耶山は鎮座している。摩耶山信仰によって栄えていたこの山も、上杉氏・酒井氏の藩政時代には登山が禁止され、寂れてしまった。ところが、そのために自然がよく保たれてきたという。全山一帯はヤマネの生息地として有名らしい。

 午前5時に自宅を出て、山形自動車道を西に進む。今年、この道路を走るのは何回目だろうか。山形に入ると少し明るくなってきた。寒河江市、西川町を過ぎて、月山インターチェンジからは一般道に入る。右手前方に月山が大きい。鶴岡市に入ると、遠くに鳥海山が見えてきた。今日は高曇りだが、展望は期待できるようだ。
 
 鶴岡インターを降りて湯田川温泉を過ぎ、山間の道を南に進んでいくと、いくつかの集落を見る。山間のいい景色だ。やがて左手に、摩耶山登山道入り口の標識を見つけ、ここから林道に入る。林道を約2km走ると、赤い橋が見えてきた。瀬戸橋である。そこが登山道の入り口で、5、6台の駐車スペースがある。先行者の車が一台止まっていた。

 7時51分に歩き出す。杉林に入り、平坦で柔らかな道を進む。右手には渓流が水音を立てている。小国川である。実に気分の良い道である。トチの大木の向こうに岸壁が現れた。

 15分ほどで渡渉点に着く。水量の多いときは、ここが難所となる。渓流にはアルミ製の梯子が架かっているが、これが実に不安定でバランスを取りにくい。トレッキングポールを支えにして渡る。沢は予想したよりも深く、落ちたらかなり濡れてしまうだろう。

 沢を渡ると軽い登りとなるが、すぐに傾斜は緩み、沢を左手に見ながら歩くようになる。流れは千変万化で、所々に小さな滝がある。見ていて飽きない。いくつかの岩を越えると、シダの繁茂した場所に出て、そこから分岐点はすぐである。
 
 分岐点には滝がある。滝を右に進むのが初心者コース、左に行くのがベテランコースである。ベテランコースとは言っても難所が連続する訳ではなく、滝の横を梯子で十数メートル登り、急登が2時間ほど続く道である。今日は、ベテランコースを行き、帰りは初心者コースを下る。

 8時48分に弁財天の滝に着く。数十メートルもある大きな滝だ。左にももう一つ滝があるが、隠れてよく見えない。滝の左手には梯子がしつらえてあり、ここを登っていく。梯子はしっかりしているので、不安はない。登り切って滝壺を見下ろす。

 ここからは木の根が露出した道を行く。急登である。二口山塊の白糸の滝コースによく似た道だ。そういえば、渓流沿いを歩く道は仙台神室岳の仙人沢コースを思い出させる。沢沿いの道からブナ林の急登は、わたしの好きなパターンである。 

 黙々と登る。左手には摩耶山に続く稜線が高く、所々に紅葉が見える。ブナの大木が要所要所に現れ、つづら折りになった道の踊り場で一息つきながら、この難所を攻めた。9時16分に七つ滝の分岐点に着く。七つ滝への道は廃道になっているようだ。

 さらに登って鞍部に出る。目の前に摩耶山の稜線が広がる。山頂までは、まだ距離があるが、もうしばらくの辛抱であの稜線に出るはずだ。鞍部は紅葉が始まっていて、ブナやカエデの黄色がよく目立つ。ナナカマドやオオカメノキの赤が散りばめられて美しい。
 
 また登りが始まる。ここも急登である。対岸の稜線が低くなってきたが、エネルギーも不足してきた。そういえば、歩き始めてから何も飲んでいないし、食べてもいない。休んでもいいが、山頂まではもう數十分だろう。ここでは休まず、山頂で大休止を取ることにした。

 10時38分に稜線上に飛び出た。目の前に二つの岩峰が並んでいる。驚きの展望だ。岩峰の縁は赤と黄色で染まっていて、ここにも秋が訪れていた。山頂からの360度の展望は素晴らしく、月山、鳥海山はもちろん、日本海に浮かぶ粟島も近くに望めた。眼下には荒沢ダム、その向こうに以東岳も確認できる。山頂では小一時間ほど休み、開放的な景色を存分に味わった。

 11時40分に下山を開始する。下山は初心者コースを選択した。数分ほどで6体の地蔵が祀られた場所に出て、ここが信仰の山だということを再確認した。ここからのブナ林は実に見事である。木肌が美しい。降って振り返ると、摩耶山山頂部の険しい岸壁が見えた。さらに下っていくと、色とりどりの葉の向こうに七つ滝が見えた。
 
 小さな避難小屋を過ぎ、素敵なブナ林を歩いて分岐点に至る。ここは右手に進み、ブナの純林からカラマツの混じる林になると、小国川渓流は近い。12時49分に、ベテランコースと初心者コースの分岐点に出て、沢沿いの道を下っていく。

 あの不安定な渡渉点をまた渡って、13時13分に登山口に着く。摩耶山は標高が低いにも関わらず、変化に富み、眺望が圧倒的に優れ、渓流沿いの道とブナ林が素晴らしい秀峰である。高曇りの一日、山旅を楽しんだ。

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