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赤岳鉱泉をベースに晩秋の南八ヶ岳周回2019

硫黄岳、横岳、三叉峰、石尊峰、鉾岳、日ノ岳、二十三夜峰、地蔵ノ頭。赤岳( 八ヶ岳)

パーティ: 1人 (みや さん )

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行程・コース

天候

初日:晴れ、2日目:快晴、3日目:曇り

利用した登山口

美濃戸口  

登山口へのアクセス

タクシー
その他: 往路:茅野駅→美濃戸口間タクシー(¥5400を1/3)
復路:美濃戸口→茅野駅(美濃戸口バス停~茅野駅)

この登山記録の行程

【1日目】
美濃戸口(10:20)・・・美濃戸(11:30)[休憩 15分]・・・堰堤広場(12:28)・・・赤岳鉱泉(13:52)

【2日目】
赤岳鉱泉(05:10)・・・赤岩ノ頭(07:14)・・・硫黄岳(07:50)・・・大ダルミ(08:22)[休憩 4分]・・・横岳(09:32)[休憩 3分]・・・三叉峰(10:00)・・・赤岳天望荘(11:11)[休憩 22分]・・・赤岳(12:25)[休憩 15分]・・・行者小屋(14:18)・・・赤岳鉱泉(14:56)

【3日目】
赤岳鉱泉(07:10)・・・堰堤広場(08:11)・・・美濃戸(09:03)[休憩 2分]・・・美濃戸口(09:57)

コース

総距離
約22.1km
累積標高差
上り約2,126m
下り約2,126m
コースタイム
標準13時間19
自己15時間4
倍率1.13

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

 台風19号の影響で運休していた「あずさ」が動き始めた11月1日、赤岳鉱泉をベースキャンプとして南八ヶ岳主稜を周回するため、茅野に降り立った。
 今回は荷物を軽くするため、持参した食料は朝食用のアルファ化米と行動食を2日分とし、夕食や足りない分の食事は山小屋を利用することにした。
 さらに、今年は暖かい事から、赤岳鉱泉の風呂も11月3日まで営業するとのことなので、二泊三日のテント泊であるにもかかわらず、毎晩お風呂には入れる見通しが立つ等、かなりゴージャスな山行となった。

 あずさ1号が茅野駅に到着し、バスチケットを購入しようと思い、タクシー乗り場前の階段を降りた。青の先から2人の山ガールが熱い視線を送ってきた。「逆ナンか!?」と年甲斐もなくドキドキしたら、バスまで時間があるのでタクシー代を折半しませんか?という誘いだった。
 平日だったので、バスが出るのは10時20分と1時間以上あった。買い食いでもして時間をつぶそうと思っていた矢先だったが、スタートが早くなるのはありがたいので同乗させてもらった。
 彼女らは赤岳展望荘に泊まって、翌日赤岳に登ってから帰るとのことだった。美濃戸口で分かれ、先に出発した。

 美濃戸口から歩き始めると、山は既に真っ黄色で、台風19号で流されてしまった柳川の橋は既に基礎部分にコンクリートが流されて再建されようとしていた。上流側の架設橋を渡って林道を進む。やまのこ村を過ぎると正面に阿弥陀岳が見えたが、雪はないようだった。美濃戸の山小屋は何所も営業していなかったので、昼飯にソバでもと思っていた当てが外れて、ガッカリだった。今回は北沢経由で赤岳鉱泉を目指した。

 標高2000m」辺りまで来ると、正面の木立の合間に横岳が見えた。ルンゼに雪が残っているようだ。
 また、この辺りまで来ると足下に霜柱が残り、沢に掛けられた橋の上に下が残っていて寒くなってくる。
 途中、赤岳鉱泉の登山道整備の人らとすれ違う。木立を抜けると、まだ凍っていないアイスキャンディーの骨組みと赤岳鉱泉の建物が見えた。

 赤岳鉱泉到着後、テント場と夕食の申し込みをした後、16時まで食べられる売店の牛丼を食べた。空腹に染みる。
 テント場の申込時、最初に2泊分の申し込みをしたのだが、その都度毎日申し込みをしてくれと言われたが、今回のように2泊する場合は典とをそのままにしておいても良いとのことだった。いい場所を確保し、設営しながら赤岳を見ると、かなり雪があるようだった。16時近く二なり、山陰に太陽が隠れると急に寒くなってきたので、明朝、すぐにお湯を沸かせるように、事前にお湯を沸かしてモンベルの山ボトルに移した。

 食事は18時からと指定されていたので、受付で1000円払って鉱泉に入った。鉱泉はかなり熱めに沸かされており、靴下を脱ぐため更衣室の椅子に座ると結露でビショビショだった。
 浴槽ののバルブを開けて冷水をドボドボ入れて良い感じの湯加減にして入る。お湯に浸かっている内にじわじわと熱くなってきたのでポカポカのまま、夕食の準備をしている食堂へ行き、隅っこで生ビールを注文した。
 食事が始まったので、場所を聞いたところ忘れられていたようで準備がされていなかった。「しばらくお待ち下さい」と言われ、自炊室の写真などを眺めながら生ビールを飲んだ。準備ができたと告げられ席に着くと、ビールはサービスですと返金してくれ、傷界にうれしくなった。
 評判通り、テント泊の山小屋で頂くステーキはけしからぬ旨さだった。
食後、小屋の外に出ると満天の星。翌日早いので、歯磨きをして寝た。流し場の濡れたところが凍り始めていた。

 2日目、目覚めるとテント内の上の方は霜が降りていた。
昨夕沸かしたお湯が入った魔法瓶とコッヘル等を持って、風よけのあるベンチに座り、お湯を沸かし直した。沸いたお湯をアルファ化米に楚々いて蒸らしている間、コーヒーを飲んだ。白い息を吐くと最初はなめらかな煙のようだったものが、50cm程遠ざかるとザラっとした感じになる。寒くて水蒸気が凍ってしまうからだろう。
 柔らかくなった米にワサビ茶漬けのもととお湯を掛けてかき込み、身支度をして出発した。

 まだくらいジョウゴ沢を渡渉し、シラビソの森を歩く。日の出の時間が過ぎてだいぶ明るくなってきた頃に後ろを振り返ると茅野の街が雲海に飲まれていた。赤岳は昨日見たときより凍っている感じだったが、日が昇るともう少し溶けるのだろうと思った。
 横岳の稜線から日が昇り、日差しが差し始めた頃に赤岩ノ頭が見えてきた。

 硫黄で焼けたような赤岩ノ頭への分岐は朝日の照り返しで眩しかった。硫黄岳山頂へ続くルートの基部にあるケルンの脇を抜けて進んだ。山頂の岩場近くになってまとまった残雪が見られ、蹴飛ばしてみるとガチガチに凍り付いていた。山頂手前の岩場では高いところに飛び出している岩に頭をぶつけそうだったのでヘルメットを被った。北側を見ると天狗岳などの北八ヶ岳の山々が見下ろせた。ガレた硫黄岳山頂に出ると風が強かった。

 硫黄岳の広い山頂からは横岳までのルートが一望できる気持ちよさだった。右側から風を受けながら、雲海に浮かんだ秩父の山々を見ながら歩いた。
 大ダルミ、硫黄岳山荘を巣過ぎて台座ノ頭への登りに差し掛かると路肩の残雪が大きくなってきたが、歩行に支障あるような状態ではなかった。
 右前に広がる横岳西陵はまだ完全に日影だったため、残雪が目立った。台座ノ頭直下を横断する登山道脇の残雪のため、これから歩くラインが綺麗に見えた。
 台座ノ頭と奥の院の中間辺りから雲海に浮かんだ富士山が見えてきた。

 奥の院の手前から鎖場が始まった。薄い板状の岩稜東側、この辺りがカニのヨコバイだろう。高度感のある心許ないステップだが、岩はしっかりしているのでヒヤリとすることはなかった。
 奥の院(横岳山頂)は思ったより広く、展望も素晴らしかった。手前の三叉峰越しに見る赤岳への稜線もたまらない。
 三叉峰から石尊峰、鉾岳と登ったり下ったりの岩場が続いて楽しい。
 二十三夜峰から地蔵ノ頭への下りの辺りで、前方から登ってくる女性に「あっ、タクシーの人!」と声を掛けられた。前日に茅野からのタクシーを折半した人だった。
 彼女らは、当初、赤岳を登ると聞いていたが、赤岳の北陵が凍っていて怖いのでこっちに来たそうだ。そうか、凍っていて怖いのか・・・。

 地蔵ノ頭には予定より30分遅れで到着した。計画では赤岳鉱泉への到着は15時だったが、夕食の注文は16時までにしてくれと聞いていたので、間に合わないと夕食がない。赤岳北陵は凍っているようなので、手間取ったら計画が狂うし、どうしようかと悩んだ。(今回のテーマはグルメ旅!)
しかし、せっかくここまで来たことだし、遅くなったら小屋でカップラーメンを買えば良いだろうと考え、地蔵ノ頭からのエスケープ案は却下した。

 赤岳展望荘には当初の計画通り、昼食のカレーを食べるために立ち寄った。
 3連休で人も多いことから、ちゃんとしたカレーを食べられれば良いなと期待していたが、レトルトのカレーだったのでちょっとガッカリした。
 他の客がビールを注文していたが、小屋番の人は、」これから小屋泊まりの人以外へのアルコールの提供はお断りしています。」と断っていた。カモシーもつぶやきたくなるはずだ。

 急いでカレーをかき込むと、すぐに赤岳北陵を登り始めた。しかし、見た目には雪が多く残っているものの、昼になって気温も上がったことからガチガチではなかった。降りてくる人もアイゼンやスパイクを着けている人はほとんど居なかった。
 ただし、頂上手前辺りの日影部分はしっかり凍っている所もあるので、すぐにスパイクを装着、おっかなびっくり登るよりもサクサク登れた。

 山頂まで来ると雪は溶けてなくなっていた。
 祠の脇につけられている温度計を見ると、気温4℃を示しており、日当たりもあるのでかなり暖かかった。
 南の方には甲斐駒を始めとする南アルプスの山々が見えたが、ほとんど冠雪していないようだ。
 山頂はかなり混み合っていたのですぐに下山を開始したが、その先の鎖場の残雪が凍っていないか心配だったが、ほとんど雪はなかった。

 それにしてもシーズン最後の3連休初日、文三郎道を下っていく間、次から次へと登ってくる人が続いた。
 行者小屋のテント場も、かなり埋まってはいたものの、先月の鳳凰小屋のテント場程ではなかった。
 かなり急いで下ったため、赤岳鉱泉へは計画よりわずかに早く到着でき、2日目のテント場の申し込みと、予定通り夕食の注文ができた。朝、出発したときより典とは増えていたが、行者小屋よりは密度が低い感じだった。
 デポしたテント内は、日中の日差しで暖かくなっており、干しておいた風呂用のタオルもしっかり乾いていた。昨日と同じく、明るい間にお湯を沸かして魔法瓶を満たしておいた。

 食前に風呂に入ると誰もいなかったので思い切りぬるくした。そのまま湯船に浸かっていると段々暖かくなってくるのを楽しみながら長湯した。
 宿の人の話では、橋の宿泊者は100人以上とのことで、食事の時間は昨日の18時ではなく17時30分で指定された。その言葉通り、食堂に行くと満席だった。食事はステーキではないメニューと思っていたが、同じくステーキで、サラダが違っていた。ステーキは旨かったが、裏メニューも食べてみた肩というのがホンネだ。
 食後、歯を磨いてから20時に寝るつもりだったが、寒いので寝袋に入って音楽を聴いていたが寝落ちしてしまい、一度、0時頃に目覚めたが疲れていたのでそのまま寝た。

 3日目、朝目覚めると、二度寝したい誘惑に駆られたが、午前中のバスに乗るため気合いを入れて起きた。前日の朝は、典との内張の上部に霜が降りていたが、この日は結露していただけで、前日より暖かいようだった。それでも外に出るとかなり寒かった。
 朝食を食べた後、テントの撤収をしていると、風に吹かれて結露した部分が見る見る凍っていった。
 予定より若干遅れて出発した。沢に掛けられた道板が凍っているので気を付ける。
 この日も下っていると次々と登ってくる人とすれ違う。時間的に車の人達だから、美濃戸口の駐車場は一杯だろうと思った。長い下りを急ぎ過ぎると足裏にダメージが来るので、なるべく静かに歩くようにした。苔の緑、黄金色の唐松林。次に来るときは真っ白になっているはず。美濃戸の山小屋は初日同様、何所も営業していなかった。
 美濃戸口に到着すると、10時20分のバスには間に合ったが、八ヶ岳山荘で山菜うどんを食べてから風呂に入り、11時20分のバスに乗った。
 茅野駅で駅弁の鶏めしを食べてあずさを待った。
 連休中日、正午過ぎのあずさは空席が多くてゆっくり乗れた。
 次は、八ヶ岳が真っ白になった頃にまた来よう。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ サングラス 着替え 地図
コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ
修理用具 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け 熊鈴・ベアスプレー
ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ 軽アイゼン トレッキングポール
GPS機器 ストーブ 燃料 ライター カップ クッカー
カトラリー
【その他】 装備重量:約18kg(紅茶500ml)
食料:1日昼食@行動食+赤岳鉱泉、1日夕食@赤岳鉱泉(¥2000)
    2日朝食@アルファ化米のお茶漬け、2日昼食@行動食+赤岳展望荘@カレー(¥800)、2日夕食@赤岳鉱泉(¥2000)
    3日朝食@アルファ化米のお茶漬け、3日昼食@八ヶ岳山荘@山菜うどん(¥800)&駅弁@鶏めし(¥996)
非常食:カロリーメイト×4、ようかん×4、シシャモ、トレイルミックス小袋×3
水:紅茶500mlL(赤岳鉱泉に水場があるため。)
その他:ハクキンカイロ&マグマ、マット2枚(ウレタン&自動膨張式) 、魔法瓶(モンベル@アルパインボトル0.9)

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登った山

横岳

横岳

2,830m

赤岳

赤岳

2,899m

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