• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

三大霊峰白山の御来光

白山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 3人 (Yamakaeru さん 、ほか2名)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

曇り時々晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 別当出合駐車場(200台:無料)。トイレは駐車場上の別当出合に綺麗なトイレあり。ただし、通常、登山期間中は主に休祭日は交通規制がひかれるため、車は市ノ瀬までで白山登山バスを使って別当出合まで移動。

この登山記録の行程

駐車場(00:30)・・・別途出合(00:46)・・・中飯場(01:16)・・・別当覗・・・甚之助避難小屋(02:18)・・・南竜・黒ボコ岩分岐(02:36)・・・十二曲がり・・・黒ボコ岩(03:10)・・・阿弥陀ヶ原・・・五葉坂・・・室堂(03:25)(休憩~04:46)・・・山頂(御前崎)(05:27)(日の出タイム~06:14)・・・翠ヶ池(06:30)・・・大汝峰(07:40)・・・室堂(08:30)(食事~09:10)・・・アルプス展望台(10:29)・・・南竜山荘(11:01)・・・南竜・黒ボコ岩分岐(11:20)・・・甚之助避難小屋・・・別当覗・・・中飯場・・・別途出合(12:50)・・・駐車場(12:59)

コース

総距離
約20.2km
累積標高差
上り約2,002m
下り約1,998m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

日本三大霊峰白山。我らが白山。一年に一度は登らないと神様に叱られる。
と言うことで、久しぶりの帰省を利用して、そのままの足で仲間とともにホームグラウンドの白山へやってきた。
交通規制の合間を縫って真夜中(土曜日の規制が開始される0時までに市ノ瀬を通過する必要がある)のうちに別当出合の駐車場へ入る。時間調整のため、少し休憩してからスタートすることにした。前日からほとんど眠っていなかったので、秒速で眠れるかと思っていたが、興奮して目が冴える。帰りの運転がやばいパターンだ。。。
0:30に登山開始。
砂防新道を使って登る。今日の日の出は5:50。山頂までは標準タイムで約5時間。
我々の足であれば、もっと遅いスタートでも間に合うが、全員、早く登りたくて仕方がない様子。
別当出合でトイレを済ませ、鳥居に会釈をしていざスタート。白山の登山(砂防新道)は大きな吊橋から始まる。冒険の始まりに最適のシンボルだと思う。
夜の吊り橋を、太陽に負けず大きな月が照らしている。歩く度にゆらりと揺れる感触がたまらない。中秋の名月は昨日だったが、2日目の今日も見事なまんまるお月さま。満点の星空がかき消されて残念であるが、名月を見上げながらの夜間登山も乙なものだ。ヘッドライトが不要なほど足元が明るかった。
顔を撫でる空気が優しい。最近、夜間登山が続いているが、今日が一番歩きやすい。
砂防新道は、まさに歩き慣れた道。岩や木の形、道のくねりで、自分が今どこにいるかが正確にわかる。
仲間と久しぶりの再会で話が弾む。そのせいか、中飯場から甚之助小屋まで一瞬で着いたような気がした。
甚之助小屋付近から、徐々に霧が濃くなってきた。気が付けば月が完全に覆い隠されている。
南竜・黒ボコ岩分岐からつづら折りに登り黒ボコ岩へ到着。霧の中に巨大な岩が浮かび上がっている。歩みを止めると、薄着では震えるほど寒かった。
黒ボコ岩から阿弥陀ヶ原へ。一瞬で大きく景色が変化する。名前の通り神秘的でとても広い空間。季節にもなると一面に花が咲き誇り、白山の中でも特に好きなエリアだ。
月の光が届いてきたのか。霧に乱反射して、ほんのりと周辺を照らしている。
霧に浮かび上がる草原に一本の木道。人が行き交う昼間とは趣がまた異なり、静寂の中でいっそう幻想さを増している。
草原の先にある斜面を登ると室堂。そしてその上に目指す山頂が見えている。霧が薄くなってきたと感じていたが、どうやら低いところで滞留しているだけのようだ。山頂まで登れば雲を抜けることができそうだ。ひょっとしたら御来光が拝めるかもしれない。
室堂までの急登(五葉坂)を一直線に登っていく。登り切ったところで振り返ると思った通り綺麗な雲海ができていた。
ここまで、3時間弱。慣れた道なのでペースを落とさずに到達することができた。室堂から山頂までは3、40分ほどで登れる。日の出前には早すぎるので室堂の中で休憩をとることにする。
室堂は残雪期のオープン前でも休憩エリアだけは空いていて、誰でも利用できるよう配慮されている。実にありがたい話だ。
長椅子に横になって仮眠している人がいたので、静かに戸を開け閉めして中へ入る。
我々も長椅子を確保して仮眠をとる。いや、とりたいところだったが、高度に反比例して気温は真冬のよう。濡れた身体を冷やさないように重ね着をしたが、震えが止まらない。眠れないのであればすぐにでも歩き出したかったが、山頂はさらに寒いはず。仕方がないので、震えながら時が経つのをひたすら待つ。
御来光目当ての登山者がたくさん登ってきたようで、周辺がざわざわ騒がしくなってきた。登山道が混まないうちに、荷物を整えて山頂を目指す。
富士山ほどではないが、ヘッドライトの点が列になり山頂へと延びている。さすがは白山。
山頂に到着。
すでに北アルプス方面が明るい。冷たい風が吹き荒れていたので、風除けになる場所を探して日の出を待つ。
慣れた手つきで隊長が、バーナーでコーヒーを淹れてくれる。
日の出を待つ儀式としてコーヒーは欠かせない。身体の奥から温めてくれる。
太陽が昇ってくる方角には、赤く染まった雲海に大きな山が浮かんでいた。
右手側からなだらかな頂を持つ恵那山。中央に鋭い山容の乗鞍。その左にはギザギザと鋸のような山が連なっている。穂高の山々だ。
黒い山のシルエットが赤く縁取られて、まるで雲海を進む龍のように見える。修験者も古来よりこのような光景を眺め、山岳信仰を重ねたのではないかと思う。
中央の乗鞍が一際赤い。まさに乗鞍の山頂から太陽が顔を出そうとしている。最高の構図だ。
揺らめくように真っ赤な太陽が顔を出す。「サーッ」と光が広がると同時に周囲から「おおーっ」と感嘆の声が広がる。神々しい。
すっかり明るくなった山頂から見下ろすと、雲の切れ間から赤い屋根の室堂が見えた。山頂から眺める好きな風景の一つだ。
反対側のお池と大汝峰方面は綺麗に見えていて雲一つない。「じゃ、大汝峰まで行こう!」と隊長が一言。うちの隊長の素晴らしいところ。みんなが行きたいと思った方向に、さらりと誘導するようにつぶやく。このメンバーは時間さえあれば際限なく稜線を超えていく。
お池巡りのコースをとりながら大汝峰へと進む。お池というと、立山や御嶽なども大好きだが、白山のお池周りは実にいい。標準タイムでも1時間程度で周遊でき、アップダウンも少ないので、白山に来た時にはぜひ足を延ばして欲しい。特に点在するお池の中でも「翠ヶ池」の神秘的な青さは写真映え間違いない。
お池巡りの周辺は不鮮明なルートが多く、久しぶりで感覚も鈍っていたのか何度か道を間違えながら、大汝峰へ到着。ここに来ると、以前、サプライズで、真夏にザックに大きなスイカを忍ばせて登ってきたのを思い出し、「ここで食べたよね」と盛り上がる。先ほどまで朝日を眺めていた山頂「御前崎」がとてもかっこよく見えた。僅かに紅葉が始まった七倉山や釈迦新道の尾根も良く見える。通行止めとなって久しい釈迦新道だが、あのたおやかな早く尾根を歩きたいものだ。
小腹が空いてきたので、室堂まで戻って食事をとることにする。
黙々と歩くメンバーの一番後ろを遅れるようについていく。空腹MAXでとにかく長く感じた道のりだった。
室堂で待ちにまった朝食タイム。
建物の前に設置された木製のテーブルの一つを陣取る。吹きさらしで肌寒いが、山頂が目前にありロケーションとしては最高だ。
今日の朝食はいつも以上にテンションが高い。なぜなら隊長お手製のうどん。シンプル・イズ・ベストと言いつつも、オアゲにシナチク、キザミ葱等の具材がテーブルに並ぶ。そして、隊長自慢のSOTO製バーナー。強力な火力で直ぐに鍋が「ぐつぐつ」と暴れ出す。そこにうどんと具材を一気に投入。同時に、湯気とともにダシの香りが立ち込める。男飯&山飯スタイルだ。お腹が空いて死にそうだったが「待て!」と命じられた犬のごとくヨダレをたらしながら出来上がりを待つ。
「できた!」との声で、コッフェルにうどんを取り分けて、「フーフー」としながら口に入れる。一言で表現するなら「うめぇー」しかない。胃の中から身体が温まる。「隊長、最高ですよ。」 :)
食事を終え、下山開始。
降りは「アルプス展望歩道」を使う。室堂を横切り暫くは水平移動。白山にも着実に秋が訪れているようで、周辺がほんのりと紅葉していた。
アルプス展望というと、いつも暗闇の中を登ってくるか、残雪に覆われた時にしか使ったことがなく、降りの風景は初めての道を歩いてかのようで斬新だった。名前の通り遠方には北アルプスの山々がよく見えている。今ここでドローンを飛ばしたらNHKばりの映像が撮れるのではないかと思う。白山は本当に懐が深い。場所によっていくつも異なる様を見せてくれる。
水平移動が終わり尾根に入る。急峻な尾根で見晴らしがよい。降っていく行く手には大ダムが見えていた。勢いよく降りながら、次第に大きくなっていくダムに違和感を覚えた頃、「どうやらミスルートしたね」と隊長。
アルプス展望台が見えてこないと不思議には思っていたが、恥ずかしながら会話に夢中で指摘されるまで全く気が付かなかった。今立っているのはダムに直結する大白川ダムルートのようで、どうやら一本横の尾根を降ってしまったようだ。
振り返ると、反りかえるような急登。笑うしかないが、まぁいい運動だと登り返す。
分岐点を確認して今度こそ、アルプス展望の尾根を降っていく。ホームグラウンドといいつつ、ミスルートをするなんて恥ずかしい限りだ。
展望台を過ぎて暫く進むと尾根を外れて樹林帯を抜けるコースとなる。樹々の間から紅葉した草原とその先には赤い屋根の「南竜山荘」が見えた。近くには黄色や赤色のテントが数張り。酷暑が去り、穏やかなシーズンに白山でキャンプとは羨ましい限りだ。
南竜山荘から黒ボコへの分岐まで戻り、周遊の輪を閉じる。あとは、甚之助小屋から一気。登りも短いと思ったが、降りは一段と短く感じた。一人だと黙々と降るだけだが、やはり仲間がいると何をするのにも楽しい。
別当出合では、バス待ちの人で溢れかえっていた。いつもであれば、その列に並ぶところであるが、今日は車を駐車場まで上げている。バスを横目に車へ直行。有難い。
帰りはいつもの温泉「白峰温泉総湯(670円)」によって汗を流す。
いやーやっぱり白山は最高!

続きを読む

フォトギャラリー:32枚

すべての写真を見る

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

  • 別山にも行けましたね(●^^●)。

  • 南竜から別山に行ってチブリで降りる??
    全然行けちゃいますね。問題は車だけ。どうせならそのまま石徹白まで歩き通したいところですね。

  • 室堂は寒かったけど御来光と絶景を満喫できました。これから紅葉シーズンワクワクします。

  • 最高だったのはおうどんですよ。
    あんなに美味しいのは、お店じゃ無理ですね。
    このシーズン、毎週末が天気と睨めっこですね。^_^

登った山

白山

白山

2,702m

関連する登山記録

よく似たコース

白山 石川県 岐阜県

平瀬道で白山を往復する

最適日数
1泊2日
コースタイプ
往復
歩行時間
9時間25分
難易度
★★
コース定数
39
白山 石川県 岐阜県

日本三名山の霊峰、高山植物の宝庫

最適日数
1泊2日
コースタイプ
周回
歩行時間
9時間35分
難易度
★★★
コース定数
38
白山 石川県 岐阜県

別当出合から白山、室堂を周遊する

最適日数
1泊2日
コースタイプ
往復
歩行時間
9時間45分
難易度
★★
コース定数
39
登山計画を立てる