行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
カーナビには「風神山公園」をセット。帰りの事を考えると大甕駅(おおみか)周辺が便利だが、今回はあえて風神山公園をスタートとした。無料駐車場。20台程度。トイレあり。
この登山記録の行程
風神山公園駐車場(08:01)・・・真弓山(真弓神社)(09:00)・・・日立高鈴ゴルフクラブ(10:06)・・・高鈴山(11:08)・・・御岩山・賀毘禮之高峯(11:37)・・・神峰山(12:47)・・・羽黒山・・・大煙突展望台(13:54)・・・鞍掛山・・・新田次郎の記念碑(15:05)・・・かみね公園(15:15)・・・日立駅(16:06)・・・電車待ち・移動・・・大甕駅(16:20)・・・風神山公園駐車場(16:58)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
地元の山仲間は、今頃、近くの雪山に向かっているはず。
群馬のみなかみ町では立ち往生するほどの大雪なので、あまり不謹慎なことは言えないが、昨年は全く雪がなく寂しい思いをしたので、自分も早く雪山に行きたいものだ。
日曜日の早朝、窓を開けると冷たい空気が「サーッ」と部屋に流れ込んできた。もうすぐ太陽も昇ってくるが、きっと青空のよい一日になるだろう。冬でも快晴が続く太平洋側の天気は、北陸育ちの自分としてはズルいと思うぐらいに羨ましい。
今日は、最近、山を始めたという後輩のトレーニングを兼ねて山へ入る。前回は「鎖場」だったが、今回は「長距離縦走」がテーマ。少し早いが、いずれ通る道だ。
コースは大好きな日立アルプスとする。1年に一回の日課的なものもあるが、日立アルプスは比較的アップダウンが少なく初心者向きだからだ。もっともあくまで自分の物差しだけど。。。笑
風神山の頂にある駐車場に集合。
風神山から日立アルプスを縦走して日立駅から大甕駅まで電車を使い戻ってくる。そういう意味では、大甕駅周辺に駐車した方が便利だが、気持ちの良い早朝のうちに山に入りたかったという理由で、集合場所を決めた。でも、本当は大甕駅から風神山までの道のりは地味にシンドイいため、縦走後に登るのはあまりお勧めしない。
後輩のために、スタート時間をゆっくりの目の8時にセットした。日が暮れるのが早い時期なので、その代わりそれなりのペースを維持する必要がある。
「カサカサ」と音を立てながら落ち葉を踏みしめ、軽やかに風神山を抜けていく。冬の風が冷たい。毎週末、山に出かけるようになったという後輩。足運びもしっかりしていて頼もしい。気持ちペースを上げてみる。
途中、真弓神社に立ち寄り、観光要素も入れながら進む。
高鈴のゴルフ場では、多くのプレイヤーがゴルフを楽しんでいた。ここまでは、縦走といっても遊歩道の散策とあまり変わらないが、ゴルフ場を抜けた付近からようやく登山らしくなってくる。
舗装道路を横切り、再び山道へと入る。高鈴山までには幾つかの急登が連続するため、若干、後輩にも遅れが見えてきた。
高鈴山の展望台で、眺望を楽しみながら息を整える。
高鈴山まで登ってしまえば、あとはお気に入りの縦走路。ここは歩いているだけで楽しく茨城県内の縦走路としては一番好きな場所だ。
お昼が近づいてきたので、御岩山まで移動して食事をとることにする。ところが、山頂でおにぎりを頬張っていると「ここは食事禁止だ。山をやる人ならちゃんと看板を確認して守ってくれないとダメだ。」と結構強い口調で怒られてしまった。御岩山を管理されている方だろうか。「山をやるくせに!」というニュアンスに正直「ムッ」としてしまったが、考えてみれば、山そのものが神様であると捉え神聖な場所として崇め祀っている以上、ルールを反したのであれば怒られても仕方がない。「済みませんでした」と潔く謝る。ただ、注意された方角を確認すると、確かに「注意書き」が設置されていたが、とても小さなもので、今までも何回も来ているが全く目に入らなかった。お互いのためにもう少し分かりやすい看板の設置をお願いしたいものだ。
御岩山から先を進むと峠へ一旦降りる。下山したと思ったのか「もう終わりですか?」と後輩が訪ねてきた。残念ながら、行程はまだまだ続く。。。
「ここまでの記憶を一度リセットして、今からまさに始める「てい」で次の神峰山を目指そう!」と言って「今日はよろしく!」とふざけてみたが、笑いは起こらなかった。
神峰山への登り返しはそれなりにハード。逆を言えば、神峰山さえ登ってしまえば、残り神峰公園までは緩やかな降りとなるので何とかなるはず。
急登部分に差し掛かり、案の定、遅れ気味になる後輩。いきなりの日立アルプスはやはりきつかったか。でも、若いだけあって、ペースは落ちているが、歩みはしっかりしている。眼下に日鉱記念館が見えてきた。神峰山の頂も近い。頑張れ後輩!!
山頂へ到着。それまで見えていなかった山の反対側が視界に飛び込んでくる。後輩が「おおっ」と声をあげている。真正面に真っ青な海が広がっている。その海に向かって真っすぐに延びる谷。その両脇を走る尾根の左側に茶色い煙突が見える。日立市のシンボル「大煙突」。1993年に先端部分の2/3が倒壊してしまったが、それでもなお存在感のある大煙突。製造当時、155.7mと世界一の高さを誇っていただけのことはある。
神峰山から眺めるこの風景は、日立アルプスの中でもピカイチだ。この風景が見たくて、風神山から神峰山をピストンしたこともある。疲れが吹き飛ぶ素敵な風景だ。
まだ12時を過ぎたばかりだというのに、太陽の光は弱々しく夕方のような陽射し。時間が無いので、休憩はそこそこにして出発する。
高鈴山から御岩山の縦走路も歩きやすくて最高だが、神峰山から神峰公園までの縦走路は緑のトンネルのような小道が続き、これまた超お勧め。つまりはそれだけ日立アルプスはお勧めが満載ということ。
羽黒山を抜け、途中、大煙突展望台に立ち寄る。先程、神峰山から見た時には遥か遠方にあった煙突をいつの間にか通り抜けて、今は煙突越しに歩いてきた山々を眺めている。煙突から白い煙が立ち上がっていた。日立の人は、この煙の流れる方向で天気を占うとか。
鞍掛山で小休止。前にも書いたが、ここには小松市の「鞍掛山を愛する会」の方々が設置された記念の標識がある。触れると大分ぐらついていたので、なんなら新品を送って頂ければ、代わりに建てておきますよと思った。北陸郷土愛のよしみで。笑。
神峰公園に到着。日立アルプスの締めはいつもこの展望台。上に登ると、遠くに山の中腹に白い日立研究所のビルが見えた。そこが起点の風神山。朝8時に出発して、山並に沿うように左から右へと視界に写る全ての山々を歩いてきた。つくづく人間の足は凄いと思う。
先程「縦走の締め」と書いたが、当然ながら出発地点まで戻らなければならない。ここからもう一仕事が残っている。車が行き交う道路沿いにまずは日立駅へ向かう。
日立駅は、いつ来てもエアポートのような先鋭的なデザインでとてもお洒落な建物だ。その中を不釣り合いな登山の恰好で、ウロウロしながら切符を買い込む。運賃は200円。一日かけて歩いてやってきたというのに、文明の利器は一瞬で身体を大甕駅まで運んでくれる。もう少し余韻を感じる時間があっても良いのにと思う。
大甕駅に降り立つ。いつの間にか、大甕駅も綺麗に改装されていた。
大甕駅から風神山に向かって歩き出す。いつの間にかすっかり夕方になっていた。赤く染まり始めた空に黒い風神山のシルエットが見える。当然ながら最後の行程は登りになるので、疲れた身体に鞭打つことになる。それもあってか、ついに後輩の足にも限界がきたようだった。気丈に振舞っているが、歩みが伴っていない。初めての縦走で30kmを歩いたのだから無理はない。でも、不平不満も言わず、見事、歩き通したのは素晴らしいと思う。
敢えてスパルタなトレーニングを課したのには理由がある。山に本当に興味があって真剣に取り組みたいのであれば、山を登るうえで自分が最も大事だと思う「己という『道具』の性能をしっかり把握する」ということを、身をもって学んで欲しかったから。距離や高低差の情報から、自分だったらどの程度の時間で歩き通せるかとか、あるいはそもそも安全に歩けるのかどうか。性能を正しく把握しておくことで、夕暮れ迫った時等も進むべきか否か冷静な判断もできるし、道迷いやトラブルに遭遇した際にも、行動限界の距離が分かっていれば、逆に自信を持って対応することも出来る。
駅から風神山までは割と近いが、その分結構な急登が続く。今日のトレーニングは十分達成している。最後の気力で歩いている後輩に、無理をせずゆっくり歩くように指示をして、先に走って車をとりに行く。
時間は5時。冬の早い日の入りはあっという間に夜を迎える。薄暗くなった中、車に戻ってきた後輩の顔は、もう薄暗くて見えない。達成感で笑っているのか、疲れでひきつっているのか。ただ、懲りず山を好きでいてくれたら、きっと数年後は肩を並べて歩けるくらいに成長していることだと思う。
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