梵天尾根一気通貫(秩父御岳山~両神山)ワンデイハイク
強石、秩父御岳山、茂萩山(四期萩・四季萩)、倉明山、芋堀ドッケン、白井差峠、梵天ノ頭、大峠、両神山、日向大谷( 関東)
パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )
強石、秩父御岳山、茂萩山(四期萩・四季萩)、倉明山、芋堀ドッケン、白井差峠、梵天ノ頭、大峠、両神山、日向大谷( 関東)
パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )
晴れ、あたたか、風ほとんどなし。残雪ほぼなし。尾根上ではインナー2枚重ねで快適。
その他:
行き_
強石の「ゲストハウス錦」に前泊
帰り_
日向大谷17:20(小鹿野町営バス、薬師の湯で乗り換え)~19:04西武秩父駅19:24(特急ちちぶ48号)~20:47池袋駅
(丸ガッコ内は地理院地図の表記)
03:36~強石バス停スタート
05:07~秩父御岳山
05:38~林道に降りる(P1026の西200m)~05:52
06:43~茂萩山(1188.3三角点)
08:03~(P1156手前の平場)~08:14
08:59~倉明山(1333.6三角点)~09:07
09:59~芋堀ドッケン(1464.2三角点)
11:07~白井差峠(P1436の東100m)を越えた陽だまり~11:27
12:01~梵天ノ頭(1476.8三角点)
12:34~大峠(P1383の北200m)
13:18~ミヨシ岩通過(P1465の東150m)~13:30
14:26~両神山~14:42
15:27~清滝小屋
16:33~日向大谷フィニッシュ
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ザックを降ろした休憩は
御岳山をこえた林道、P1156手前の平場(=長井屋峠)、倉明山、白井差峠、両神山頂
で10~20分程度。
念願かなって梵天尾根を歩き通すことができた。部分的に偵察山行をおこなった茂萩山の岩稜より手強いパートに面食らい、事前の情報収集の甘さを痛感しながらロングトレイルをやっとの思いで歩き終えた。
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○ 概略および注意すべき点について
多くはオフトレイル(=バリエーション)を歩く。破線が記入された一般登山道部分も奥多摩・丹沢の基準でいえば「難しいバリルート」並み、吉備人出版の登山詳細図・奥多摩の「熟達者向き」ルートに相当する印象。
地図を片手に運転するドライバーは稀マレだろう。山中でのGPS利用は有用で当然だと考えるから、「尾根間違いの危険性」については補足説明を省いた。
投稿主は梵天尾根についてほぼ「一見イチゲン」である。なるべく客観的に書くように努めたが、他の山行記録も参照されたい。基本的に、「毎週歩いている山慣れたハイカー向け」のコースだと思う。
● 降り(両神山→秩父御岳山)で歩くハイカーがほとんどの中、登りで歩いている先人の記録。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1869000.html
● 難所とされる茂萩山からの岩稜の下降にヒントをいただいた記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2854289.html
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○ 秩父御岳山から茂萩山まで
強石コワイシからの登路は杉ノ峠(P838の南200m)まで尾根をぐるりと巻く変則的なコース取りをする。1週間前に下見をしていなければナイトハイクをスムーズに歩けたかどうか。
P1026の西150mで地図に記載されていない林道に降りるが、尾根上からは下降路を見つけにくい。P1026の東150mのケルン(写真4)から、南面に見える林道に降りてしまう手もある。
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○ 茂萩山からの岩稜の下降
難所とするレポートが多い場所だ。基本的に稜線伝いに歩く。どうしても「この崖は降りられない」場所に当たったときだけ巻いた。ポイントは、茂萩山頂からの降りはじめに「北面寄り」にルートを取ることだ。角度によっては南面のほうが手がかり・脚がかりが多いように見えるから意外ではある。しかし岩のあいだの落ち葉のルートをとれば(写真8)、北寄りを稜線からはずれずにするすると降りることができた。
以後はなるべく高いところを行く。決して高いところが得意ではないから、ときにしゃがんだりしながら我慢して前進した。各種レポートに「南を巻く」とあり、いちど南面に降りたがかえって悪く、登り返した(写真18・19)。
テープ類を見かけなかったが薄い踏み跡にはときどき出合った。250mの通過に45分。下見山行で南面を大巻きしたときには1時間10分かけている。
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○ 倉明山・芋堀ドッケンをこえて白井差峠まで
この区間、難しい場所はなかったと思う。倉明山クラケヤマ近辺では農工大の石柱を見かけ、したがって幅広の尾根は手が入り歩きやすい。P1331通過直後にとつぜん岩があらわれるが(写真32)、南面を岩に触りながら巻くことができた。芋堀への登りで脚が終わる。ボイスレコーダーに「いや~キツイわ」と吹き込んでいる。
山頂からはとつぜんピンクや赤のテープ、赤ペンキでお祭り状態になる(写真36)。ここから先、GPSで進路を確認する必要はほぼなくなった。P1441手前200mでふたたび岩(写真38)、北面の踏み跡をたどったがあまり良くはない(写真39)。ただしもう一段下にも踏み跡らしきものがあった。
白井差峠着が11:02、日が当たらず暗いのでP1436をこえた陽だまりに移動しザックをおろしてのんびりする。
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○ 梵天ノ頭の前後
ここからが本日のハイキングの核心部だったのには驚いた。茂萩山の岩稜をまずまず順調に降り、以降は難所らしきところはない。「あとは一般登山道なんでしょ?」の油断と疲労をかかえて、「一般登山道なのに難所の連続」を歩くのは精神的に参った。
道標はあるしピンテもやたらと打ってある。ただ道の形が整っていない。急斜面にステップなど刻まれていないし九十九にコースをとることもしない。ロープなんてもちろんない。横向きになったりカカトを上げたままの登りはひどく疲弊した。
梵天の頭をこえると「狭い尾根道、足元にじゅうぶん注意」の標識があり(写真47)、その先の細いトレイルは神経を使った(写真48)。思いのほか苦労してやっと大峠着、両神山頂まで400mの登りが待っているがこの調子では最後の最後までなにがあるかわかったものではない。休憩をとらずに先へ進んだ。
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○ ミヨシ岩をこえ両神山頂へ
ミヨシ岩に当たる前に、クサリ場が2ヵ所あった(と記憶する。もしかすると1ヶ所かも)。場所はP1383の北500mあたりか。等高線上は登りなのに、クサリを使って下降する奇妙な地形だった。大岩を巻いているのだろう。どちらも「クサリなしでは下降できない」から埼玉県も仕方なく設置した様子だ。とくに2ヵ所目が悪く(写真52)、崖に振られそうになるのをなんとかバランスをとって降った。
さて、ミヨシ岩(P1465のある岩稜)。ここはおもしろいルート取りをする。梵天の頭からは両神山に向かって北上しているのだが、ミヨシ岩は「岩に上がって西に進む=P1465を目指す」。写真54から59のキャプションに詳述した。
もう1ヶ所のクサリを下りるとやっと一般登山道らしくなる。脚はもういっぱいいっぱいだ。久しぶりに泣きながら家に帰りたい気分になるが、「ビールと秩父錦」を呪文のようにとなえて山頂に這い上がった。
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● ハイキングを終えて(メモ)
ふとしたキッカケで食習慣が変わってしまい、体重が66キロちかくになってしまった。そのせいか、いつもなら歩きはじめて5~6時間後にやってくる「上半身が下半身にぴったり乗っかり、体の重さを感じずに歩ける」感覚が、きょうは最後までなかった。64キロ台に戻し、歩行感覚を取り戻すこと。喫緊の課題。
Geographicaによれば歩行26.5km、登り標高は3383m、もちろんこちらのほうが実感にちかい。
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過去2回の下見ハイキングの記録はこちら↓
20210318
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=215368(強石登路確認)
20210310
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=214994(茂萩山の岩稜は南面を大巻きして通過、小双里へ下降)
(了)
【その他】 ラ・スポルティーバのアキラ。起毛タイツにモンベルのショートパンツ。モンベルのメリノウール+マウンテンハードウェアの速乾性長袖シャツの重ね着にモンベルのヤッケは倉明山まで着用。ペツルのヘルメット、ブラックダイヤモンドのフルフィンガーグローブ。ザックはロウアルパインの25リッターにモンベルのギアホルダーを外付け、ココヘリ発信機・ロールペーパー・ヘッドランプ・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・雨具・チェーンアイゼン(使用せず)。キャメルバックのハイドレーション2L+テルモスに紅茶0.5L・菓子パン・菓子・非常食のカロリーメイト・替え手袋・下山後の着替え一式・サンダル。スタート時重量7.0kg。 |
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