• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

冬の絶景 つがいの男鹿岳と女鹿岳から那須を望む

男鹿岳、女鹿岳( 関東)

パーティ: 3人 (Yamakaeru さん 、ほか2名)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 県道369号線に入り、栗生沢へ。栗生沢の集落を抜け林道をさらに進むと釜沢橋。橋を渡ったところで行き止まり。釜沢橋沢ゲート。ゲートの手前に数台のスペースあり。ゲートをどかして奥まで侵入していた方もいたが、落石も多いためルールは順守すべき。トイレはない。

この登山記録の行程

釜沢ゲート(07:47)・・・<林道>・・・男鹿岳北西尾根登山口(10:10)・・・男鹿岳(12:01)(休憩~12:34)・・・女鹿岳(12:46)・・・男鹿岳(13:08)・・・男鹿岳北西尾根登山口(14:08)・・・<林道>・・・釜沢ゲート(16:29)

コース

総距離
約22.2km
累積標高差
上り約1,735m
下り約1,733m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

再び山仙人からのお誘い。
冬にしか登れない絶景、三百名山の男鹿岳に登りたいとの事。
「冬にしか登れない」というキーワードを聞いて断るわけがない。実際には夏道らしきもの?もあるので「冬にしか」という程ではないが、それだけ山が奥深く藪が多いということだ。
「冬にしか登れない三百名山」で検索すると真っ先にヒットするのが、我らが「野伏ヶ岳」。それなりの体力がないとたどり着けないが、苦労した分だけ忘れがたい絶景がそこにはある。果たして、男鹿岳にはどんな絶景が待っているのか楽しみだ。
さて、出発に際して困った事が一つ。山仙人から最初にあったLINEからの連絡では、某ICに3:00にピックアップするとあった。その後、登山計画書が2つ届いて、第1計画書には2:30、第2計画書には4:20ピックアップと書いてあった。ピックアップ時間が3つ??。「どれが正解ですか?」と返信しようと思っていたが、年度末の忙しさで失念して結局そのまま当日を迎えてしまった。仕事を終えてハタと困ったが、おそらく夜通しの運転に備えて仮眠している頃と、聞くに聞けずじまい。文脈から4:20かな?と推察するも万が一2:30だったら最悪だ。悩んだ挙句、2時から待機して気長に待つことにした。計算外だったのは、想定よりも気温が低くかったこと。待っている間、一睡もできなかった。
こんな時のオチは2:30ではつまらない。予想通り、正解は4:20。実に長い2時間だった。迎えの車が来た時には、挨拶もそこそこに暖房の効いた車に飛び込んだ。
今回は、山仙人のご友人Yさんも同行。登山を始めて僅か3年間で百名山を半分も登っているというツワモノ。とても楽しい方だった。
車中、楽しい会話で盛り上がりながら一路、那須方面へ。
朝日が顔を出す頃、那須の市内に到着。
モルゲンロートに染まる那須岳を見ながら、周り込むように男鹿岳の登山口へと向かう。場所は南会津。
栗生沢の集落を抜け、林道を進むと釜沢橋があり、渡りきったところにゲートが設置されていた。道の脇に数台分のスペースがあったので邪魔にならないよう注意して停める。ちなみに、ここに来るまで「男鹿岳」の看板は一切見かけなかった。完全なナビ頼りだった。
既に4台程の先客があったでの、我々も速やかに整えて出発する。
ゲートを越えて舗装された林道を進む。歩き出してすぐに山仙人がフキノトウを見つけて嬉しそうにしていた。
歩いても歩いても林道。蛇行しながら山の奥の方へと延びている。「もう、飽きたー!」と叫びたくなるのを我慢してひたすら歩く。途中から林道にも積雪がみられるようになってきた。30cm程だろうか。最初は喜んでいたが、これはこれで歩きにくい。何か所か、崩落している場所もあった。グネグネと谷間に沿い奥までたどり着いたら、今度はV字を描くように左側へと折り返す。すでに気が遠くなるくらい林道を歩いている。スタート地点の釜沢橋で標高797m。緩やかに林道で標高を上げながら標高1,124mにある男鹿岳北西尾根の登山口を目指す。地図を見なくてもそれだけで相当の距離があると予想がつく。
登山口を見つけた時には、正直、ホッとした。もっとも、登山口と言っても斜面に斜めに生えている樹の枝にひっそりとピンクのリボンがついているだけで、はっきりとした道がある訳ではない。とにかく斜面に食らいつき尾根を登って行けということだ。林道はそのまま大川峠へと延びていて夏道ルートに繋がっている。そこから登る人もいるが、冬季はこの北西尾根ルートが一般的なようだ。難易度うんぬんよりも、これ以上の林道歩きは避けたいところだ。
アイゼンを装着して斜面に取りつく。急な斜面。やっと登山が始まったとテンションが上がる。斜面の負荷が心地よい。
男鹿岳は栃木側では「おじかだけ」、福島側では「おがだけ」と呼ばれるが、標高1,777mの成端な山容を持つ。先程の男鹿岳北西尾根登山口が標高1,124mだから653mを一気に登ることになる。
杉のエリアを過ぎると、植生が変わりダケカンバが目立つようになってくる。眺望が開け、振り返ると真っ白な七ヶ岳が綺麗に見えた。南会津町のシンボル的な山で、名前の通り一番岳から下岳(七番岳)までの七つの峰が連なっている。男鹿岳と同じく三百名山の一つだ。
その後、何度も小さな偽ピークを越えていく。地図はしっかり頭に叩き込んでいるので、偽ピークと分かってはいるが、超える度に「そう来るかー!」と挑戦状を叩きつけられた気分になり、アドレナリンがドバドバ出てきて、急登ハイ状態に突入する。急登ハンター登場。延々急登が続けばいいとさえ思えてくる。
右手に延びる稜線が見えてくると山頂も近い。水平移動に入り300m程進んだところが山頂。「えっ?どこ?」と言いたくなるほど山頂感のない山頂だ。一応、三角点があるはずだが、当然ながら雪の下。標識がないかと探してみると、一本の樹に、木製の板看板が固定されていた。しかりこすれまくっていて、もはやただの木の板だった。笑。「これじゃ読めんだろう」と山仙人。でも、振り返ったところに、「男鹿岳1,777m」とちゃんと鮮明な文字で書かれた看板があった。「よかった、よかった」と早速、写真に収める。
いよいよ山頂からの展望に臨む。登ってきた反対側の斜面は見晴らしのきく高台のようになっていて、足元は断崖絶壁のように切れ落ちている。布を広げたようにすそ野が広がっていて、小さな山が幾つも折り重なっているのが見えた。それらを取り囲むように大きな山系が屏風のように半円を作っている。白く雪を冠した山の稜線が息をのむほどに美しい。
那須連山だ。右手に見える「げんこつ」のような特徴的な頭を見せているのが茶臼岳。そこから始まり左の方へ目線を移していくと朝日岳や三本槍も見える。グッと切れ込んだところが大峠。そこから再び登り流石山から大倉山、そして三倉山へと裏那須の山々へ続く。
かつて歩いた山々を、大パノラマとして一望している。男鹿岳は、那須連山を眺めるにこれ以上ない特等席と言える。頑張った以上のご褒美をもらった気分だ。さすが三百名山は伊達じゃない。
贅沢な景色を堪能しつつ、菓子パンで軽くエネルギーを補給してから、もう一つのピーク「女鹿岳」へと向かう。女鹿岳へは人気がないのか、トレースが途中で消えていた。しかし、短時間で往復できるので、男鹿岳の山頂を極めたならぜひ立ち寄るべきだ。
雪解けが進み大きく割れた雪庇の横を抜けながら女鹿岳へと向かう。岳と言っても、ピークというよりは丘のような場所で、看板すら見当たらなかった。ただ、こちらの眺望もなかなかどうして素晴らしく、目前に日留賀岳が大きく聳えていた。その山頂に向けて足元から素敵な稜線が延びている。きっと同郷のメンバーがいたら、「行こうよ!」と言い出すに違いない。同時刻、唐松岳の山頂にいるはずの仲間を思い出した。
登ってくる時に見えた七ヶ岳に純白姿の会津駒ケ岳も見えた。見ているだけで無性に歩きたくなる別嬪さんだ。
山仙人に誘われなかったら、なかなか来る機会もなかっただろう。一期一会で絶景を見えてくれる山との出会い。そして、その感動を共にする仲間に感謝だ。
さて、「冬にしか見ることができない風景」を無事クリアーして、手ごわかった男鹿岳も帰路の時間となる。感傷に浸っていたが、地獄を見るのはここからだった。実は、前回の会津磐梯山でズル向けになった踵が、登りの時点で再びやってしまったようで、左足が異常に痛い。また、それを避けるように歩いていたのがいけなかったのか、両足のつま先もズキズキしている。一歩一歩がかなりシンドイ。急登は我慢して降ったものの、地獄のロード(林道)が待ち受けている。全体工程の半分以上が林道歩きなので仕方がないが、山屋にとって林道歩きほど辛いものはない。
地の果てまで続いているんじゃないかと思いながらひたすら無言でトボトボと歩く。ゲートとその先に停まっていた車が目に入った時は、心の底から「着いたー!!」と叫んでいた。男鹿岳までの長いアプローチ。最大の敵は林道だった。そこに山仙人からの有難い一言「長い林道もまた登山の一部なり」。。。一同承服。
かくして、帰宅後、そーっと靴下を脱いでみると、案の定治りかけていたかかとの皮が再びベロンとなっていた。加えて、左足の親指、右足の中指、そして小指の爪の3つの爪が真っ黒に変色していた。触るだけで痛い。うーん、未熟。

続きを読む

フォトギャラリー:17枚

すべての写真を見る

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

  • 雪が少し疲れているような感じですね。

  • まだ賞味期限内でしたよ。
    先週食べた冷蔵庫の残り物は、完全に過ぎていて、お腹やられましたが。笑

  • 雪の林道歩き辛いですね。
    お互いに絶景が見れてよかったです。

  • いやいや、レオさんの唐松岳のスケールにはさすがに負けました。笑。

  • とても参考になりました!
    かなり準備してから挑戦したいと思います

  • ホィ!ジュードさん、ありがとうございます。
    ぜひ行ってみて下さい。大佐飛山の天空の回廊も素敵でしたよ。

登った山

男鹿岳

男鹿岳

1,777m

登山計画を立てる