行程・コース
天候
雨のち晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
雄子沢川駐車場(20台程度、無料)を利用しようと思ったが、4時の時点で満車だった。路駐は禁止されているので、前回同様、「ラビスパ裏磐梯・いこいの森グリーンフィールド」に向かった。シーズン中は雄国沼の臨時駐車場の一つにもなっている。温泉施設もあるので便利。カーナビには「いこいの森グリーンフィールド」をセット。入り口を入って最初の左への道を入ったところに登山口に近い駐車場あり。30台程度。綺麗なトイレあり。まっすぐ進むとさらに大きな駐車場がある。シーズン中はそこからシャトルバスが出る。
この登山記録の行程
いこいの森グリーンフィールド・駐車場(04:25)・・・雄国山(05:33)・・・雄国沼休憩舎(05:51)・・・雄国沼(休憩)(06:08)・・・雄国沼休憩舎(08:20)・・・猫石(09:09)・・・猫魔ヶ岳(09:22)・・・猫石・・・雄国沼休憩舎・・・雄国沼(休憩)(11:17)・・・雄国沼休憩舎・・・雄国山(01:03)・・・駐車場(14:17)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
この時期になると、そわそわと気になって仕方がない場所がある。裏磐梯の「雄国沼」。日本一とされるニッコウキスゲの一面黄色の絨毯が圧巻でお目当てだ。
しかし、平日は仕事に追われるサラリーマンとしては、一日花とされるニッコウキスゲの最盛期にタイミングを合わせるのは至難の業。しかも梅雨時期に快晴を狙うとなると更に確率は厳しい。
「行くなら今週末しかない」と狙いを絞っていた金曜日の定時前。
心の中でカウントダウンをしていたところ、計ったように仕事でトラブルが勃発。速攻帰宅と思っていたのに、結局、残業となってしまった。疲労感よりもトラブルによる悲壮感が大きく、予報では雨マークもついていたのでいっそう山は諦めようかとも思ったが、自然との出会いは一期一会。絶景に出会いたくば、無我夢中で行くべし!と腰を上げる。
2時間だけ仮眠をとり、深夜、車を走らせる。我ながらタフだ。
今回は、雄国沼散策に時間をかけたかったので、スタンダードな雄子沢川駐車場を使おうと思っていたが、なんと4時の時点で既に満車だった。早朝というのに3人の誘導員が赤い棒を振りながら「路駐だけはしないように」と丁寧に説明をしていた。話を聞くと、シャトルバスが出るという。コロナ禍で中止とホームページには書いてあったが、週末に限って運行しているのだろうか。もっとも、バスの始発は7時とのことだったので、自分にはどのみち関係がないが。。。
予定を変更して以前も使った「ラビスパ裏磐梯・いこいの森グリーンフィールド」へと向かう。少し前からフロントガラスを雨が濡らしている。強くはないが、止む気配もない。また今年も雨か。
駐車場に車を停めて早々に歩き出す。
登山口にある「熊さん人間に注意 カモシカさん人間に注意」という看板を見ると、雄国沼に戻ってきたという実感がわく。ほのぼのとした看板が愛らしい。「今日も静かに通らせて頂きます」と頭を下げて森を進む。
雄国山を抜けて沼へと向かうコースは、アップダウンが少なく登山というよりは散策のイメージが強い。
雨に濡れた緑が美しく、多種多様な鳥の囀りが森の中に響いていた。自然が豊かな証拠だ。まだ薄暗い足元に、白く浮かび上がるように銀竜草が咲いていた。この時間帯に見ると確かに「幽霊草」の別名が相応しい。
ゲーターを装備すれば良かったと思いなが、草葉についた朝露を振り払いながら速度を上げていく。雨でヒンヤリとした空気が、とても気持ち良かった。
雄国山に到着。目印の櫓が見えたので駆け寄ると、登り口の階段にトラロープが張ってあった。老朽化していて登ると危険だとか。ここからの展望が好きだったのに残念だ。
山頂からは雄国沼を見下ろしながら一気に降っていく。遠目からでも黄色老い絨毯が確認できた。雨は降っているが、霧は出ていないようだ。
雄国沼休憩舎まで降り、そこから先は湖畔を沿うように進む。
木の階段を降っていくと、樹のトンネル切れると同時に一気に視界が広がり、ニッコウキスゲの群生地である湿地帯が目に飛び込んでくる。初めて訪れた時の感動は、それはもう文章には表現できず、ただ茫然と立ち尽くしたのを覚えている。一面黄色の絨毯なんてとても陳腐な表現で、こんな風景が本当に存在するのかとただ驚いた。
果たして、今年のニッコウキスゲも期待以上の満開だった。雄国沼のニッコウキスゲはやはり次元が異なる。自然と「うおぉーーーー」と声が出る。
タイミングが良かったのか、はたまた当たり年なのか、今年の花畑は格段に美しかった。
木道をゆっくりと歩きながら、風景を楽しむ。時間が早く人も少ないので、独占できるこの時間を大切にしたい。
木道は円を描くように作られているので、半時計周りに何週も繰り返し歩く。どこにカメラを向けても黄色の世界。構図的にはどこも似たような風景にも関わらず、ファインダーを覗くと、どれも貴重な一枚に感じられシャッターを押す手が止まらない。
いつの間にか雨も止み、薄い雲の間から光が射すようになってきた。光が造る明暗がいっそうイエローワールドに奥行きを生む。
レンズ交換をした際に、カメラに巻いていたタオルとレンズのポーチ袋を落としてしまった。慌てて木道をもう一周したが、タオルは丁寧に木道脇に置かれていたがポーチ袋はついに発見できなかった。専用の袋で愛着があったのに残念だった。
結局、5周くらいは巡っただろうか。人が増えてきたため、移動を開始。
前回は、雄国沼を一周したので、今回は猫魔ヶ岳へと足を延ばしてみる。
来た道を戻り、雄国沼休憩舎から今度は時計回りに湖畔を進む。遠くに先ほどまでいた湿地帯が見えた。この距離からでもはっきりと黄色いのが分かる。やはり当たり年なのかも知れない。
再び、登山道は森の中へ。軽いアップダウンを繰り返しながら進んでいく。
猫石へ到着。
眺望が良いこともあり、休憩ポイントにもなっている。以前にも紹介したが、大昔、人を食い殺し悪事の限りを働いていた猫又を、弘法大師が法力によって調伏したという。その際、ひれ伏した猫がそのまま岩になったといわれている。「猫魔ヶ岳」という山に不釣り合いな「魔」の名前がつくのもそんな由来があるからだ。
猫魔ヶ岳へは、猫石のすぐ脇にある分岐から登っていく。高低差は少ないので時間をかけず登ることができる。
登り切ったところからの眺望がよく、雄国沼全体がよく見渡せた。こうやって一望すると、雄国沼が外輪山に囲まれた中に位置していることがよく分かる。低いと思っていた山々の外側には大きなすそ野が広がっていた。
三角点があったのでそこが山頂だと思っていたら、「山頂はその奥ですよ!」と声をかけられた。「えっそうなの?」と行ってみると、道を曲がった瞬間、目の前に「ドーン」と会津磐梯山が聳えていた。登山者が、「猫魔ヶ岳」と書かれた大きな看板を手に持って記念撮影をしていた。磐梯山の横には桧原湖も良く見えた。小さな山だと期待していなかったが、大きな間違いだった。とても素晴らしい山。猫魔ヶ岳、侮れず。
山頂に来ていた方と少し会話を楽しんでから山を降りる。
いつの間にか、真夏のような青空が広がっていた。
もう一度、ニッコウキスゲを見に湿地帯へ行こうかとも思ったが、このまま磐梯山に向かうのも良いかと駐車場へ足を向ける。
お昼前になり、登山者が増えてきた。「こんちは」と挨拶をしながら進んでいく中で、「こんにちは!」と強い口調で返してくる人がいた。明らかに意図的だったので、「うん?」と怪訝になりながらマスクに隠された顔を覗き込むと、H先輩のよく知った顔がそこにあった。実は前日に、「雄国沼が見ごろだから一緒に行きませんか?」と福島県在住の先輩に声をかけていた。ただ、「4時に駐車場集合」と言った瞬間、「それは無理だなあ」と即遠慮されたので来ないものだと思っていた。
駐車場に戻りかけていたが、折角なので「案内しますよ!」と踵を返して湿地帯へと向かう。今日は一体、何回あの木道を歩くのだろうか。笑。
太陽の光を受けてニッコウキスゲも一回り大きな花を咲かせていた。山吹色が力強く、黄色の絨毯が更に際立って見えた。
木道に腰を掛けて、ゆったりと風景にひたる。いつもは距離重視の登山になりがちだが、こういう時の過ごし方も悪くはない。
1時間近くボーっとしていただろうか。お腹も空いたため雄国沼を今度こそ後にする。
下山後、ラビスパの敷地内にある日帰り温泉に立ち寄った。
温泉があるなんて気が付かなかったが、よく考えれば「ラビスパ」という名前は温泉そのものじゃないかと気付かなかった自分に苦笑した。とにかく下山してそのまま温泉という流れは有難い。JAFFの会員割引で500円/大人。内風呂も外風呂もお湯が熱く気持ちがよかった。外風呂で涼みながら、ここでも先輩の会話に盛り上がり1時間以上ゆったりとした。もっとも、2時間しか眠っていないので、先輩の話はどこへやら。半分は幽体離脱していた。。。笑











































