行程・コース
天候
曇→晴
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
冬の裏磐梯登山 ~雄国山と雄国沼を目指して~
磐梯山。裏磐梯のシンボルであり、その名を聞くだけで心躍る名峰。しかし、冬季登山の困難さは、我々の実力を冷静に顧みるきっかけとなった。12月の雪深い裏磐梯を前に、コースタイム6時間の磐梯山は現実的ではない。そこで選んだのがセカンドプラン、雄国沼と雄国山。初めてのスノーシュー体験も兼ねたこのプランは、我々にとって適度な挑戦となった。前夜、那須岳を下山した我々は、車を走らせ裏磐梯へ。宿泊先の温かいもてなしを受けながら、翌朝に向け準備を整えた。
この登山記録の行程
Start(09:15)・・・雄国沼雄子沢登山口(09:17)・・・雄国沼休憩所(10:51)・・・雄国沼休憩所(11:08)・・・雄国山(12:19)・・・雄国沼雄子沢登山口(13:57)・・・雄国沼雄子沢登山口(13:58)
高低図
登山記録
フォトギャラリー:60枚
宿で提供された朝食の時間は、磐梯山を目指すならば到底許される余裕ではないが、この日は違った。雄国山と雄国沼は、ゆっくりと景色を楽しむことが許される静かな雪山だ。
雄国山への道
朝、前日下見を済ませた雄子沢登山口へ向かう。駐車場には既に車が何台か停まっており、この時期でも挑戦する登山者が少なくないことを示していた。宿で借りたスノーシューを装着し、いざ出発。初めてのスノーシューは新鮮で、雪原に残されたトレースをたどりながら進む。
曇天から始まった空模様は、歩みを進めるごとに青空を広げていく。森の中を歩くと、落雪の危険も感じられるが、その緊張感がかえって心地よい。徐々に広がる視界、そして真っ白な雪原が現れた時、景色の美しさに息を飲む。
上を見上げれば、枝に積もる樹氷がまるで彫刻のようだ。その美しさはこの季節だけの贈り物。スノーシューで雪を踏みしめる感覚と、冬山特有の静寂の中で感じる非日常が、日々の喧騒を忘れさせてくれる。
雄国沼の絶景
1時間半ほど歩き、雄国沼に到達する。ここは2022年夏に訪れた際にはニッコウキスゲが一面を埋め尽くしていたが、冬はその姿を一変させ、白銀の世界となっていた。雄国ブルーと呼ばれる空の青さと、雄国ホワイトと称される雪の純白。そのコントラストはまさに絶景だ。
雄国沼休憩舎で一息つきながら、周囲を見渡す。オフシーズンでも施錠されていないこの施設は、登山者にとってありがたい存在だ。休憩を終え、再び歩き始めると、沼の上にできたトレースが延び、さらに先の景色を誘う。
雄国山の頂へ
雄国山を目指して登る道は、夏道のジグザグではなく、ほぼ直登に近いトレースがついていた。そのため急な登りもあったが、振り返ると広がる雄国沼の全景が背中を押してくれる。途中で見た「猫石」と呼ばれる岩も、雪をまとった姿がユニークだった。
雄国山の山頂に立つと、そこからは磐梯山や吾妻連峰の大パノラマが広がった。白銀の山々に囲まれたこの場所で、しばしの間その雄大さに見入った。
下山と余韻
下山時には、再びスノーシューの楽しさを感じながら、雄国沼を見渡せる場所で写真を撮り続けた。同じような写真を何枚も撮ってしまうほど、この景色には惹きつけられた。沼を歩く人々が小さく見えるほど広がる雪原。その純白の世界に身を置いた感動は、言葉では言い尽くせない。
宿へ戻り、部屋の窓から眺める磐梯山の姿は、昼間とはまた違う趣を見せていた。




