行程・コース
天候
曇後雨
登山口へのアクセス
マイカー
この登山記録の行程
霧積温泉(7:45)剣の峰(9:00)角落山(9:50)鼻曲山(12:45)留夫山(13:50)一ノ字山(14:35)林道(1,185m/15:00)霧積温泉(16:55)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
晴天を期待して出掛けて来たのだが、中仙道からダム湖岸の細い道を上がって行くと霧が巻いて煙っている。道路終点の霧積には『山の湯』が1軒きりで、若葉の中で静かに水車が回っている。奥に『鼻曲山 剣の峰』左に『熊野神社』の道標が立っており、ここから鼻曲山へ登る人は多いようだ。
歩き易い登山道を緩々と高度を稼いで尾根の上に出る。30分程で剣の峰への分岐に達し、下り気味にトラバースすると、笹薮の傍らに十六曲峠の道標が立っている。しっとり濡れた落葉を踏み、水が滴る岩場の下をトラバースして一登りするとP1,410mに着く。少し下った鞍部から尾根の背を剣の峰へ登る。
「鼻曲山はどんな山だろう」と期待して西方を望むと思い掛けず端正な浅間隠山が聳えているが、肝心の鼻曲山は雲に包まれて山頂部が見えない。角落山へ向かい、急斜面を下る。時間を喰い「一般ルートではないなあ」と思いながら行くと、途中の岩場にコザクラがピンクの花を咲かせている。4人が登って来て、鞍部では単独の無愛想な男性とも出会う。剣の峰から眺めた角落山は鋭い尖った峰だが、道はこちらの方が確りして歩き易い。
往路を引き返し、剣の峰の手前で左下に見えている道へ降り、P1,410mの南側の巻道を歩いて分岐へ戻ると、3時間が経過している(10:15)。よく踏まれた鼻曲山への道に入り、山腹崩壊のために付け替えられた道をP1,316mへ登り、50m程下って旧道へ戻る。北面の巻道を行き、1,390m付近の平坦部で一休みしていると2人、1人、1人、2人と下って来る。主稜線への最後の登りに掛かる頃から雨が降り始め、傘を差す。稜線へ出て鼻曲山へ向かうと、女性5人がストックを頼りに用心深く下りて来る。雨の山頂で立休を取る。
『熊野神社~一ノ字山~留夫山~鼻曲山縦走』のボーイスカウトの看板が目に付き、「雨は大した事なさそうだから、熊野神社まで縦走しよう」と留夫山へ向かう。しかし、霧積へ戻るのにたっぷり9時間歩かされ、「少し早まった。霧積の『熊野神社3時間』の道標を確り読んでいれば往路を引返したのに」と後悔することになる。
小ピーク2つを越えて留夫山へ登り、山頂で一息入れていると突然雷鳴が聞こえ、「予報通りか!」と急いで高度を下げる。2.5万の一地形図には一ノ字山北方の鞍部から霧積への山道が描かれているので、「近道出来るかも知れない」と期待して下る。しかし、鞍部周辺で林の中に入って道を探しても踏跡の痕跡さえ見付からず、南下して一ノ字山を越えて長々と歩かざるを得ない。
一ノ字山への緩い道を、「今日最後の、6つ目の登りだ」と頑張って歩き、登山道から外れて最高点を踏む。山頂部のほとんど高低差の無い所を歩いていると、大きな獣声とともに黒い物が突進して来るのが目に入る。が、「あっ!」と身の危険を感じた瞬間には、もう反転して逃げて行く。
親猪2匹と数匹の子供と気付き、相当な大きさだったのを思い出しながら胸を撫で下ろす。「黒い傘を差していたので逃げたんだろう」と、何時か見た『猪突する猪を阻止するのは如何いう手段が有効か』というテレビ番組で、唯一、黒い傘を広げた時に猪突を止めた事を思い出す。
ほとんど勾配を感じない緩く長い下りが続き、現在位置の把握が困難で三角点を確かめることも叶わないまま先を急ぐ。落葉樹の新緑に濃緑の針葉樹が混じるようになって間も無く石塔が現れ、「やっと熊野神社に近付いた」と足を速めると、右へカーブして林道へ降りる。『霧積温泉6㎞ 2時間半』の道標を見て「えっ!」と驚き、落胆する。
砂利道に新鮮なタイヤ痕が残っており、「霧積まで車道が在るのかも知れない」と長期戦の覚悟で歩いてゆくと、マウンテンバイクが次々と下って来る。「霧積から来たんだ」と勇気付けられる思いで行くと林道は途中から荒れて崩壊し、車両通行不能になっている。4㎞地点で一本立てて下りに転じると間も無く林道終点で、山道に入って50m程登り、尾根道を温泉へ下る。
文人が愛した由緒ある霧積温泉に入って寛ぐと、足の筋肉も体も酷く疲れている。1日で標高差2,000m以上を登ることは年に1度あるか無いかで、「道理で、へとへとになった筈だ」と、後日記録を整理してみて納得する。
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