行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
高松自動車道さぬき豊中ICを降り、国道11号を北上し、県道226号と県道35号が交差する交差点を左折して後者の県道に入る。
三豊市豊中町比地大で県道271号に左折。県道21号に合流して北上後、仁尾の中心部で県道234号に変わる。
生里と箱との境界の北東に駐車場がある(登山口前)。
この登山記録の行程
箱峠(三十数分)新田城堀切跡(40分弱)紫雲出山(50分ほど)箱峠
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
かつて荘内半島の五つの浦と粟島、志々島(登山記録投稿済)の浦を合わせた七浦を総称して、浦島と呼んでいた。この半島の詫間町生里(なまり)で、家の浦出身の「与作」と仁老浜(にろま)出身の「おしも」との間に浦島太郎は生まれた。
十七、八歳の時、太郎は箱に引っ越し、「浦島」で釣りをし、生業としていた。
ある日、太郎は鴨の越の海岸で子供たちにいじめられていた海亀を助ける。その後、太郎は箱崎のどん亀石の上で釣りをしていた際、亀に連れられ、竜宮城へ行く。
竜宮城でひと時を過ごした後、玉手箱を貰って帰って来るが、三年後、粟島にその海亀の死骸が打ち上げられたことを聞く。太郎は島に亀の亡骸を葬り(亀戎社)、分骨を持ち帰って、箱峠近くに埋葬(竜王社)して毎日参詣した。
やがて太郎は海亀や乙姫にもう二度と会えない現実に悲観し、父母の墓前で玉手箱を開けてしまう。中からわき上がった煙は風で南東方向に流され、半島最高峰・紫雲出山(352.4m)にたなびき、紫の夕焼けに照らされ、紫雲となったという。
その後、太郎は仁老浜に移り、新屋という屋号の家に居住し、余生を送った。
太郎は死期を悟ると再び両親の墓前へ行き、そこで息絶えたという。
新屋の新田家に伝わる古文書には「実在の」浦島太郎に纏わることが記されている。
そんな紫雲出山は三豊市屈指の有名峰且つ観光名所で、讃岐百景にも選出されている。山頂からは燧灘から瀬戸内海の大パノラマが広がり、春には500本のソメイヨシノや大島桜、山桜等でピンクに染まり、冬の朝には海霧が発生することがあり、瀬戸内海の島々や遠方の愛媛県の法皇山脈その他の山系が蜃気楼の如く、海面から浮き上がって見える。尚、地元で発行された太郎の冊子には、周辺海域が蜃気楼のような光景になることはない旨記述されているが、その執筆者は、冬の早朝に紫雲出山に登ったことがないのだろう。是非、厳冬期の晴天日(特に前日との寒暖差が大きい時)、午前9時までに登頂して神秘的体験をされたい。
紫雲出山の稜線の尾根道は「四国のみち(四国自然歩道)」として整備されており、桜の開花期には尾根の展望箇所付近に薄紫のコバノミツバツツジが咲き、彩を添える。
コースの記録は取ってないので詳細ガイドはできないが、分県登山ガイドにも掲載されているので、説明不要だろう。
2010年、駐車場北東の台地に、実話を元にした映画「きなこ~見習い警察犬の物語~」のロケセットが公開されていた模様。近くには太郎が分骨した海亀を祭る竜王社(浦島社)があったはずだが、もしかすると移設されているかも知れない。
登山口から山頂までは四国のみちの道標が整備されている。
尾根が平坦になった所は展望所として整備されており、太郎が晩年を過ごした生里を見下ろすことができる。この前後にコバノミツバツツジが咲いている。
余談だが、高知県香南市には、複数のツツジと桜が当時に開花し、全山ピンクや紅に染まる桃源郷のような森・月見山がある。但し、標高が100m未満なので当サイトには投稿できない。
八丁山(207m)下には新田城跡の標柱が立っているが、そこは城の堀切跡で、山頂下を巻く四国のみちは腰郭を利用している。残念ながら山頂の詰の段一帯は藪化しており、藪山装備なしでは立ち入ることが躊躇される。
城は海崎城とも金ケ屋城とも呼ぶが、築城時期の記録はない。応永元年(1394)1月7日、城主の海崎豊前守元村が西長尾城に移った記録はあるが、それから六世の孫・高晴の時、長宗我部元親によって落城させられている。
新田城詰の段の藪の中には、大石で蓋をされた井戸や、安政年間に築かれた砲台跡が残っているという。
八丁山と紫雲出山とのコルから紫雲出山にかけては急登が続くが、丸木階段を設置する等して登り易くされている。
南東の稜線まで車道が延びていることもあり、桜の時期の休日、山上一帯は老若男女の花見客で溢れる。
桜越しに見る瀬戸内海の多島美は絵になる。周辺の岬群も絵画を見るかのよう。本土の飯野山(讃岐富士)もはっきり分かる。
因みに1月に撮影した添付写真に写る煙は、三野津湾沿いの工業団地の工場から出るスモッグだったと思う。紫外線の多い4月には撮ることができない、神秘的な景色である。
三角点はなぜか地下にあり、地面のコンクリートの蓋を開けると、標石の天辺部だけが地中から出ている。
下山後、市内豊中町岡本に移動し、不動の滝カントリーパークに咲く500本の桜を愛でた。落差50mの滝はすぐ前に架かる太鼓橋から間近に望むことができる。
滝の下流の川床は人工のものだが、川の両岸に並ぶ桜の花弁が川面を埋め尽くし、ピンクに染まっていた。
フォトギャラリー:17枚
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア | 登山靴 |
バックパック | 水筒・テルモス | 帽子 | グローブ | 地図 | コンパス |
ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 行動食 |
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