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田代山・帝釈山(雲上の湿原にキンコウカ咲く)2023

田代山・帝釈山( 東北)

パーティ: 1人 (ブナ太郎 さん )

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行程・コース

天候

晴れのち曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 湯の花温泉から先は、未舗装の林道を12kmほど進みます。普通乗用車でも問題ありませんが、なかなかの距離感です。駐車場は二つあり、合計で数十台駐車できます。立派なトイレもあります。

この登山記録の行程

Start(07:08)・・・猿倉登山口(南)(07:17)・・・小田代(08:15)・・・木賊温泉分岐(08:59)・・・木賊温泉分岐(09:08)・・・田代山避難小屋(弘法大師堂)(09:22)・・・帝釈山(10:23)・・・田代山避難小屋(弘法大師堂)(11:31)・・・小田代(12:03)・・・Goal(12:44)

コース

総距離
約10.4km
累積標高差
上り約974m
下り約983m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

◾️奥会津は久しぶりである。以前、檜枝岐村に一泊して、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳に登ったが、とても素晴らしい山域で、檜枝岐村も情緒に溢れた山村だった。ここまでだと日帰りではさすがに遠いので、その手前にある田代山と帝釈山に登ることにした。高層湿原とオオシラビソ・コメツガが魅力の、前者は田中澄江の花の百名山、後者は二百名山である。
◾️夜中の2時半に家を出て東北自動車道を南下し、白河インターで下りて南会津に向かう。甲子温泉付近を通るトンネルは長何本もあって、そのうちの一つはとても長く、南会津は遠いことを実感する。トンネルを抜けると会津下郷の駅の道があった。ここから南会津の街中を走り、さらに奥へ奥へと進む。荒海山、七ガ岳を過ぎてようやく湯の花温泉の入り口に着く。実はここからが大変な道になる。湯の花温泉から先は、県道とはいうもののほとんど林道で、その8割は未舗装である。普通車でも走れるが、凹凸もあり、それが12kmほど続く。これほど長いアプローチにも関わらず、二つある駐車場には合計で30台ほどの車が止まっていた。
◾️登山道入口には沢が流れている。きれいな沢で、ミズナラとブナの大木が目立つ。沢沿いにはセンジュガンピが咲いていた。白い清楚な花である。ここからは森の中を進むつづら折りの道となる。道はよく整備されていて、階段状になっている。やがて、ブナとミズナラからコメツガに樹相が変わり、所々に設置してある丸太の椅子を見ながら急登を凌ぐ。小一時間ほど歩いただろうか、景色が開け、背後に奥会津の山々が見えてきた。左手には、存在感のある峰々が連なり、これが日光連山だと後で知った。
◾️道は緩やかになり、木道が出てくると、小田代湿原はもうすぐである。湿原には、キンコウカが今が盛りと咲き乱れ、その間にタテヤマリンドウ、トキソウが彩りを添えている。湿原の先には針葉樹に覆われた小山が見え、これを登ると田代山湿原に着く。
◾️田代山湿原は、まるで苗場山のような、どこまでも広がる大湿原だった。今日は青空が美しく、湿原の黄緑とのコントラストが目に眩しいくらいである。湿原のキンコウカは咲き始め、タテヤマリンドウ、トキソウに混じって、ワタスゲが風に揺れていた。モウセンゴケの鮮やかな赤も目につく。ずっと続くような木道を歩き、周囲を見回すと、奥会津の山々、日光連山、そして新潟の山並みも、湿原の縁へばりつくように並んでいた。池塘には澄んだ青空が写っている。
◾️田代山湿原を周回するように歩き、針葉樹林帯の中に入ると程なく避難小屋に着く。ここが田代山の山頂付近である。避難小屋の隣には立派なトイレがあり、周囲にはベンチも並んでいた。森の中にも、丸太のベンチやテーブルがあり、ここで寛いでいる登山者は、十人近くいたようだ。ここでは休まず、そのまま帝釈山に向かった。
◾️帝釈山までは、これまでとは打って変わって、針葉樹林帯の中を進んでいく。コメツガとおオオシラビソだろうか、甘い香りが漂ってきた。林床にはあまり日が差さないため、湿性植物やシダ類が繁茂し、倒木には苔も目立つ。花の種類は少なく、ゴゼンタチバナだけがたくさん咲いていた。この登山道はトラバース道のような感じで、ゆるいアップダウンがずっと続く。森の中は静謐で満たされ、湿原とは全く異なった趣があった。この変化が、帝釈山・田代山の一つの魅力になっているのだろう。
◾️帝釈山山頂手前はやや急な登りが続き、岩場の階段を過ぎると。岩の間を縫って稜線に出る。ここから山頂まではすぐだった。山頂には360度の展望が開けるとあるが、この日は10時半から雲が出てきて、周囲の山々はガスに巻かれ始めた。日光連山、そして尾瀬方面がかろうじて見えていて、燧ヶ岳が思いの外近くに見え、驚いた。男体山の頭も見えていた。
◾️山頂で大休止を取り、今来た道を戻る。帰りの方は下り基調なので、どんどん進む。田代山で一休みしようかと思ったのだが、今日は午後6時前には帰宅しなければなたないため、休まずに下る。湿原に出ると、往路であんなに晴れていた空は曇り、それでも周囲の山々はかすかに見えていた。木道から離れたところに、咲き残りのニッコウキスゲとコバイケイソウを見つけた。

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装備・携行品

登った山

田代山

田代山

1,926m

帝釈山

帝釈山

2,060m

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