行程・コース
この登山記録の行程
【1日目】
登山口(01:40)・・・祓川山荘(01:55)・・・松平峠(04:10)・・・疣岩山(05:27)・・・三国小屋(06:20)・・・切合小屋(08:17)[休憩 17分]・・・本山小屋(10:50)[休憩 21分]・・・飯豊本山(11:30)[休憩 29分]・・・本山小屋(12:16)・・・切合小屋(14:01)
【2日目】
切合小屋(05:22)・・・三国小屋(06:33)・・・疣岩山(07:21)・・・松平峠(08:06)・・・祓川山荘(09:30)・・・登山口(09:53)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
飯豊山への登山口は数多くあり、どこから登ったらよいのか最初は見当もつきませんでしたが、弥平四郎登山口のある西会津町に照会したところ、飯豊山関係の資料を多数送っていただき、最終的にアクセスが容易な弥平四郎登山口から登ることにしました。天気予報から晴天の続く日を選び、日帰りもきついことから切合(きりあわせ)小屋に二食付きの宿泊予約を入れておきました。
いつものように少しでも涼しい夜間に距離と高度を稼ぐためにヘッドランプの明かりを頼りに午前1時40分に登山口を出発しました。祓川の渡渉地点である木橋まで下りてから左岸に渡り、祓川山荘への緩い登りになりました。祓川山荘を過ぎるとロープ場のある急登を交えた登り基調の登山道に変わりました。30分も登らないうちに苔むした花崗岩の岩場で滑って仰向けに転倒してしまいました。幸いにもザックがクッションになり大事には至りませんでしたが、ヘッドランプが外れて数メートル下の斜面の藪に引っかかっていました。ポールも1本が行方不明になり回収したヘッドランプでサーチしてやっと見つけることができました。以降この転倒を教訓として一層安全な登山を心がけるようにしました。
ブナ林の風の通らない登山道を登り、滴り落ちる汗を拭いながらやっと松平峠へ着きました。松平峠とは名ばかりで2畳ほどのフラットな場所があるほか、呼称に反して松の木は1本もありませんでした。この先はもろい花崗岩のザレ場のザイティングラートで一部がやせ尾根でしたが、急登の割には疲れもほとんどなく疣岩山の分岐点に上がりました。
夜も明けて疣岩山の巻道を西方向に進んだ後、鋭角に東方向に反転して稜線に戻り三角点のある山頂に着きました。一時霧が晴れて飯豊本山周辺の峰々が樹間の先に見えました。この先三国山までの間は数回のアップダウンを繰り返すと、緩いハイキングコースとなり霧の中に三国小屋が現れました。三国小屋から先は川入コース最大の難所で梯子、鎖場、ロープ場などを交えてハードなアップダウンが何回も続きました。三国小屋から15分ほど進むと切合小屋を5時30分に下山してきたという登山者に遭遇し励みになりました。アップダウンは種蒔山の手前辺りまで続きましたが、その先は雄大な飯豊連邦の山容が目の前に広がり、緩く下って行くと切合小屋でした。
小屋の手前50m程の場所で空のポリタンクを背負って水場に向かう途中の管理人さんと出会いました。小屋では今年の猛暑で水の確保が出来ずに数百メートル離れた水場まで汲みに行っているとのことでした。小屋に戻っていただき受付を済ませ、アタックザックに必要なものだけを詰め込んで本山へと向かいました。
草履塚の標柱が立つピークに上がると素晴らしい眺望が待っていました。本山小屋のあるピークから飯豊山、駒形山、御西岳そして大日岳を経ておんべ松尾根までの稜線が鮮明に確認できました。この先は姥権現のあるコルまで下り、鎖場のある御秘所へ登り返してから御前坂手前のコルにもう一度下りました。山頂部に石垣のある飯豊山神社のピークを目指して最後の急登をゆっくりと進みました。上昇気流が涼しい風となって体温下げてくれて実に爽快でした。また登山道には「道教え」の異名を持つハンミョウが多数生息していて盛んに登山道を山頂方向に向かって翔んでいました。
本山小屋でホットココアを注文し、ベンチで眺望を堪能しながら喉を潤し、最後は飯豊山へのヴィクトリーロードを緩く下ってから登り返して山頂の人となりました。ピラミダルな磐梯山、西吾妻山、先月登ったばかりの大朝日岳更に西側には関川村や胎内市の黄金色の水田や日本海も確認できました。
翌日切合小屋から下山後は津川温泉で二日分の汗を流してから、東北の百名山14座のコンプリート記念と自身へのご褒美として月岡温泉の宿で疲れた身体を癒して山行を締めました。