行程・コース
天候
快晴
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
すずらん群生地バス停 駐車場50台
この登山記録の行程
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
ライトな山行となりました。
御坂山地を西進していく周回をやってみたい気持ちも起りかけましたが
今回は、これでいっかと下りてしまいました。
以下、山行を振り返ります。
1.アクセス
R137から湖北ビューラインを走り、若彦トンネルを抜けて右折。
林道をまだかな、まだかなとクルマを進めて行くと途中に駐車スペースらしきところがあり、
広い駐車場が現われる。そこは「すずらん群生地バス停」になっている。
この駐車場、山中にしては意外なほどの規模。
50台が停められる。
ツインテラスから山歩きをしたい方は、ここからバスを利用するといいかも。
新道峠の直下まで行ってくれる。
但し、R5年は11月27日(月)をもって運行終了(とのこと)。
2.コース、他
黒岳~ツインテラス(新道峠)間の登山道は、歩きやすい。
急登っぽい箇所はあるにはあるが、補助ロープは不要だし、はしごもない。
初参加のシニアでも安心の、富士山の絶景も楽しめる尾根道だ。
平日の朝7時、駐車は数台のみだった。
バス停脇にトイレがあり、
なんと! ウォシュレット機能付水洗トイレだった。
支度を整えて、出発。
歩き出してすぐに「釈迦ヶ岳登山口」の標識。ここで左折した。
20分くらいを登り詰めてから日向坂峠(どんべい峠)方向へ。
結局、Pからの林道とつながっていて、登って下りて損した気分。
改めて黒岳へ。
葉が落ちているからか、樹林帯は明るく、
傾斜はキツクないわけでもないが、1時間あまりでピークに至ってしまった。
標高を300mほど上げたくらいだったか。
ちなみに、
自分の前を歩いている人も、後ろから上がってくる人もいない。
その静けさは、
家人の心配事(この節話題の大型動物(クマ)との遭遇と事故のこと)を思い出させるに至り、
ラジオと鈴を鳴らし、周囲の動くものにきょろきょろやりながらと相成った。
ちなみに、
クマ鈴の音色には(自分の知る限り)2種類あって、
高音の澄んだ音を出すものと、それよりは低音でコロコロと鳴るものがあって、
自分のは後者。
聞いた話によると、高音の方が遠くまで響くとか・・・。
買い換えた方がいいのかもしれない。
黒岳からはすぐに降下。100mほど下りる。
時刻は9時台になっている。
平坦な尾根道になり、進んで行くと多くのハイカーと出会うようになった。
シニアのペアのほか、グループ登山の団体2つ3つとすれ違う。
破風山のup-downを経てあっという間にツインテラス。
幼児連れのお母さんがいる。
バスツアーで訪れている人たちに日程説明をしているスーツ姿の添乗員さんの声。
その賑わいは、登山の恰好をしている者には戸惑いを覚えるほど。
これほどの人気スポットなら近いうちに、売店もできるかもしれない。
3.展望
黒岳山頂からの展望はない。
一等三角点が設置してあるから、かつては伐採などして開けていたのだろうか?
(測量ではどのように使うのだろうか。気になる。)
※追記
偶々、図書館で面白そうなタイトルの本を見つけた。
「地図は意外とウソつき」遠藤宏之著 河出書房新社 2023/10/30 初版
認識を改めねばならないのが、測量の方法だった。
一般的には、航空機を使って行われ「空中写真測量」という。
写真に写っている三角点(基準点)を起点として道路、建物などを描いていく。
この三角点として埋められている標石は樹木で隠れていることもあるのだが、
15cm四方だから1000mの上空からの写真では見えるものではない。
どうするか?
撮影する前に基準点の周りに「対空標識」と呼ばれる板を並べるのだそうだ。
映画で見かける最新の武器で、標的を狙うとき現れる三角や四角のガイドみたいにする。
その設置チームは撮影の前に現地に行き、
何枚も板を背負って、道なき道を登りセッティングするのだそう。
ちなみに、
それからあとの地図づくりであるが、
写真を基にして「図化ソフト」を使い、現地調査を経て編集作業となるとのこと。
登山地図についても触れていて、
登山道は写真には写らないため、GPS情報を使った現地調査もしているそうだ。
以前は、登山の経験則から尾根をつないで尾根道としていたらしい。
実際には、ピークを巻いていたりするから間違っていたというわけだ。
トンネルも写らないから、入口と出口から想像して描いていたとも。
なかなか面白い本ではあった。
以上。
閑話休題。
話を黒岳山頂到着時点に戻す。
黒岳山頂からの眺めはないというところから。
200m矢印方向へ進むと展望がある。これは、登山地図にも出ている。
5分もしないで到着。
確かに富士山と西にのびる山なみが望めるが、(後に分かるが)ツインテラスからの眺望にはかなわない。
樹木の間から眺める感じ。
尾根道を進むと右手、すなわち北側に樹間からだが、三角に尖った頂が見える。
こっちも登ってみない? と投げかけているようだ。
釈迦ヶ岳だ。
4.その他
「すずらん群生地」のすずらんは5月中旬からが見頃のようだ。
スズラン(鈴蘭)は和名。
君影草(きみかげそう)とも言い、花言葉は「幸福が戻ってくる」「きっと多幸になります」だって。
素敵な別名・花言葉に反して、
キジカクシ科(クサスギカズラ科)で全草が有毒植物とは。
フィンランドの国花でもあるらしい。
案内看板によると、このすずらんの群生地は2.6ha 260万株。
自生のすずらんとしては東日本で随一、天然記念物として指定されているとあった。
整備が始まったのは1972年のことで、調べてみると「やまなしINDEX」というサイトがヒットした。
https://www.ybs.jp/radio/y-index/2014/05/30183000.html
以下、引用
「林道も通っていない当時、スズランは雑草に覆い隠されていて、ほとんど知られていない存在でした。
このすずらんを大切に育て守ってきたのが「民宿すずらん荘」の、今は亡き藤本義晴さんでした。
現在は藤本さんの娘であり、山梨県自然監視員でもある原幸代さんが管理しています。」
私人の思いを行政が受け継いだのであろう。
ありがたい話ではある。
3時間程度での山行だったが、今回もそれなりに学びがありました。
尚、
この山塊も恩賜林であることを示す石標が設置されている。
「恩」の異体字のそれだ。
興味のある方は、https://ri-sen.com/onshirin/ へ。