行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
カーナビには「裏磐梯スキー場」をセットすると良い。スキー場があるので冬でも除雪されているため安心。スキー場のすぐ手前を左へ折れると「登山・トレッキング用駐車場」がある。看板が出ているので分かりやすい。大きくて24時間駐車可能。ただし、未舗装、トイレなし。
この登山記録の行程
駐車場(05:20)・・・ゲレンデトップの登山口(05:47)・・・天狗岩(06:50)・・・弘法清水小屋(07:20)・・・会津磐梯山・山頂(07:44)(休憩~08:02)・・・会津磐梯山・山頂(08:19)(休憩~08:50)・・・イエローフォール(09:54)・・・銅沼(10:20)・・・駐車場(10:58)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
冬になるとどうしても登りたくなる山がある。それは福島の名峰「会津磐梯山」。もちろん、大好きな山はいっぱいあるが、真っ青な空に向かってただ無心で登った純白の頂が未だに忘れられない。
約束していた予定が中止となり、ぽっかり空いてしまった週末。考えるよりも早く車にザックを放り込み、一路、福島に向かっていた。
峠を越えて、猪苗代湖越しに会津磐梯山が見えた瞬間に心が躍った。整った山容。尖った頂が純白に輝いている。圧倒的な美しさに「やっぱり来て良かった」と思い、「明日は、あの頂に立っているんだ!」とテンションが上がった。
定番になった道の駅「猪苗代」で、車中泊をして翌日に備える。
ここ最近、睡眠不足気味だったが、早めに就寝したのでたっぷり眠ることが出来た。
早朝4時に起床し、顔を洗って裏磐梯スキー場へと移動する。
本当は、正面にある猪苗代スキー場から登るコースが、一番気に入っているが、今回は久しぶりに冬の名物「イエローフォール」が見たくなったので、敢えて裏磐梯から登ることにした。
登山者用の駐車場に到着すると、既に5,6台の車が停まっていた。出発の準備をしている方がいたので、自分も早速登山準備に入る。
ここ数日、春のような陽気が続いているためか、車の外に出てもあまり寒さは感じなかった。時間は5時。空には満天の星空が広がっていた。
昨年来た時は、ゴーっと音を立てながらスキー場を整地する重機が走り回っていたが、今日はまだ時間が早いのかゲレンデは静まり返っていた。
「今のうち登ってしまおう!」と、ゲレンデの左端に沿って登って行く。装備を出すのが面倒だったので、100均の小さなライトで、足元だけを照らしながら進んで行った。
ゲレンデのTOPにたどり着き、一息ついてから森の中へと踏み込んでいく。
ここサラ先は暫く樹々の間を縫うように進むが、踏み跡がはっきりしているので、迷うようなことはない。
アイゼンを装備しなければと思ったが、タイミングを外してしまったので、暫くツボ足で歩くことにした。斜面でも滑らないように体重移動だけで登るのは、バランス感覚を養う良いトレーニングになる。もっとも、ピッケル無しでは危険なので、人にはお勧めはできないが。。。
雪原を抜けて、裏磐梯名物のアーチ鉄の階段に取り付く。噴火でえぐられた壁にある階段で、鉄でできたアーチ状の手すりがついている。いつもだとすっぽり雪に埋まっているが、雪が少ないせいかところどころ鉄のアーチが雪の上から頭を出していた。これが目印になって丁度いい。
壁を直登していると、周囲がどんどん明るくなってきた。太陽はちょうど反対の表磐梯側から昇ってくるので、壁を登り切らないと日の出が見えない。競うように登り、ちょうど眩しい日差しが射し込んでくるのと同時に壁の上部に達した。ここまで来ると、会津磐梯山の頂や良く見える。鋭く削った矢じりのような頂が、朝日を受けて赤く染まっている。
気分を盛り上げるために、ここでアイゼンを装着して登って行く。
ようやく本格的な雪山登山モードに突入。ワクワクしながら高度を上げていく。
雪を踏みしめながら登って行くのが楽しくて、気が付くとあっという間に弘法清水小屋だった。見慣れた小屋もすっぽりと雪に埋まっている。ここまでくれば、頂はもう目前。しかし、ここから先が一番の急登となる。反り返るような頂を見上げ、「そうそうこれが見たかった」と呟く。
ピッケルを突きさしながら、一歩いっぽ丁寧に登って行く。どうやら一番乗りのようだった。
期待していた樹氷は全て溶け落ちていて残念だったが、空に向かって直登する最後の急登はやはり痺れるほど素晴らしい。振り返ると白く凍った檜原湖を正面に右手には西吾妻山、左手奥には飯豊山が見えていた。
どうやら一番乗りだったようで、着き誰もいないことを確認して頂で「ヤッホー」と叫ぶ。「昭和か?」と思うが、大きな声で叫ぶと達成感がマシマシになる。
頂の反対側に周ると、眼下に朝日を受けて光っている猪苗代湖が見えた。その奥には、那須岳。右の方へと視線を移していくと尾瀬方面の山も確認することができた。更に新潟県境の山々が白く連なっていく。山が多すぎて特定はできなかったが、きっと昨年登った守門岳や越後駒ケ岳等もその中に見えているはずだった。
コーヒーを飲みながらまったりしようと思っていたが、灰色の雲が流れてきたので下山をすることにした。
弘法清水小屋に向かって降っている途中で一人の方とすれ違った。挨拶を交わしてさらに降ったが、振り返ってみると壁に挑むように登っているその方の姿が惚れ惚れするくらいカッコよく。ついもう一度頂の風景が見たくなってしまった。こうなるともう止まらない。踵を返して再び頂を目指す。
頂が名残惜しくて登り返したのは一年前の守門岳以来だった。
頂に着くと、先ほどすれ違った方がちょうど折り返すところで、登って来た自分を見て「あれ?」と言うような顔をしていた。
またもや独占状態。
風をよけられそうな場所を探して、コーヒーを淹れる。風さえなければ、春の陽気でぽかぽかと温かかった。
雪の上に腰を掛け、まったりと過ごす。まさに至福の時だった。
十分堪能しても飽きたらずまだまだ長居をしたかったが、帰りの時間もあるので下山をすることにした。少し降り始めると、小屋の方から大勢の登山者が登ってくるのが見えた。
早めに登っておいて本当に良かった。
下山の途中で、イエローフォールに立ち寄り、黄色くなった氷瀑を眺めた。すれ違った人に「いい感じで育っていますよ!」と声をかけられたが、雪と同様、今年はやっぱり一回り小さいと感じた。
イエローフォールからは雪原を抜けて銅沼へと向かう。
途中、振り返ってみると、磐梯山の頂がさっきよりも深い青の中に聳えているのが見えた。磐梯山は、その昔「いわはしやま」と呼ばれていたと言われている。「天に掛かる岩の梯子」という意味だったと聞くが、まさにその言葉がぴったりだと思った。
ほどなくして銅沼に到着した。
普段であれば鉄が含まれた赤い沼がとても神秘的に見えるが、今は完全に雪と氷の下になっている。気温が高いので薄すぎて割れないかと心配だったが、氷の上に乗り恐るおそる横断をしてみた。ここは記念として欠かせないミッションの一つだ。
ゲレンデまで戻ると、大勢のスキーヤーで賑わっていた。一生懸命滑っている子供たちの邪魔にならないよう、端っこを歩きながら下山をしていく。
最後に、ゲレンデの下で振り返り見上げた磐梯山が最高に素敵だった。また、来年も来よう!
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