行程・コース
天候
1日目:晴れ のち夕立&雷
2日目:曇り(強風)のち晴れ
3日目:晴れ
登山口へのアクセス
バス
その他:
〈行き〉南アルプス登山バス 甲府9:05発ー広河原10:58着
交通系ICカード可 協力金300円は現金支払い
〈帰り〉南アルプス登山バス 広河原10:00発(始発)
乗合タクシーは満車でした。
【山梨交通】https://ykbus.jp/information/service_status/service_condition/1417/
この登山記録の行程
Start(11:14)・・・白根御池小屋(04:29)・・・大樺沢二俣(05:07)・・・八本歯のコル(07:40)・・・北岳(09:45)・・・北岳肩ノ小屋(11:22)・・・小太郎尾根分岐(12:03)・・・白根御池小屋(13:40)・・・Goal(09:07)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
昨夏、長年の憧れだった北岳~間ノ岳の、日本一標高の高い「天空の稜線」を、ついに歩くことが叶いました。北岳にしか咲かないという固有種キタダケソウの花にも出会えたのですが、宿泊した肩の小屋でタカネマンテマの描かれた手拭いを見て、この希少な花を知りました。次はぜひともこのタカネマンテマを見てみたい・・・。
キタダケソウより1カ月遅く、7月末から8月初頭に咲くというタカネマンテマの花期に合わせて、今年は2泊3日の計画を立てました。
せっかくだから、昨年は雪渓歩きに自信がなくて諦めた左俣コースを登り、バットレスを間近に眺めてみたい。事前に広河原インフォメーションセンターへ問い合わせると、もう夏道が出ていて雪渓を歩く区間はないとのことで、期待高まります。
1日目は広河原から白根御池小屋へ。樹林帯の急登を汗かきながら登ること2時間、道がややなだらかになり、途中沢を横切る辺りには早速クガイソウやタカネグンナイフウロなど高山植物の花々が咲いていました。
午後3時頃に白根御池小屋へ到着して、まずは自販機でビールを購入。外のベンチでのんびりと過ごしました。御池の周りのテントは実に絵になる風景で、ついさっき急登で息を切らしたばかりというのに、次はテントで来てみたいなんて思ってしまいます。
2日目の夜明け、ヘッドライト不要な明るさになるのを待って出発しました。ほとんどの人は草すべりルートへ向かうようで、大樺沢へ降りていくのは私一人。緩やかに下る樹林帯ではコマドリやルリビタキなどの鳥のさえずりが降りそそぎます。 数m先に降りた鳥影に、急いで双眼鏡をのぞくと、なんと激レア、マミジロでした。写真は撮れなくて残念。
雪渓に沿った左俣の登山道を登り始めると風が強く、ウインドシェル代わりの雨具を羽織りました。右手にはミヤマハナシノブのお花畑、左手には雪渓、 振り向けば鳳凰三山の稜線から朝日が差す絶景! しかし思いのほかキツイ登りで汗をかき、早々に雨具を脱いでしまいました。
八本歯のコル付近はハシゴの連続。雲の中のバットレスは時折ガスが途切れて、取り付いている人の姿が見えました。どこからどうやって登るんだろう、凄いなあ。
トラバース道分岐から吊尾根分岐の道端は色とりどりのお花畑で、イワヒバリの姿も多数見られました。風とガスは徐々に強まり、吊尾根分岐に辿り着くと辺りは真っ白。風はちょっと進むのをためらう程強く、体が冷える前にと慌てて雨具を着込みました。そういえば去年もこの辺りは風が強かったと思い出します。風の通り道になっているのでしょうか。
風がやや弱まったので、よし、と歩き出しました。北岳山頂へ向けて切れ落ちたザレ気味の急登を、時に両手で岩を掴んだり、すれ違いや追い越しに気を遣いながらの登りです。そこかしこに揺れるミヤマオダマキの花に励まされ、よじ登ること20分。1年ぶりの北岳山頂に到着しました。
意外と広い山頂で腰を下ろす場所を探していると、昨夜の白根御池小屋で同室だったパーティと偶然の再会。まるで数年来の友人と再会したかのように喜び合うのも”山あるある”でしょうか。
そうこうするうちにガスが晴れていき、周囲の山並みも現れてきました。仙丈ケ岳と仙塩尾根、間ノ岳方面、遠くに塩見岳まで顔を出して、大喜びで写真を撮りまくり。
北岳山頂から下りは最高でした。肩の小屋の向こうへ、これから歩く稜線上の道が足元からまっすぐ伸びているのが見え、その向こうには鳳凰三山。左手には仙丈ヶ岳の雄大な姿、小太郎尾根が伸びる先には、頭を雲に隠した甲斐駒ヶ岳。
小太郎尾根分岐からはハイマツとお花畑、さらにダケカンバの林に沿って草すべりルートをどんどん下っていきました。
3日目は広河原へ下りるだけだったので、バスの時間に合わせて、御池周辺をゆっくり散策。森の中でコマドリとばったり目が合ったり、キノコを見つけたり。
3日間で一番ではないかというお天気の中、順調に下山して広河原に着きました。
さて、タカネマンテマについて。
どこに咲いているのか知らず、途中すれ違った人に尋ねてみたりもしましたが、教えてもらえませんでした。諦めかけていたら、たまたま花のまわりで写真を撮っている人に気づいて、出会うことができました。
草丈は10cmちょっと、モフモフの毛に覆われた黄緑色のウリ坊の先っぽに、紅紫色の小さな花弁がついていて、可愛くて面白い。
後で調べたらタカネマンテマは絶滅危惧IA類で、絶滅の危険性が極めて高いのだそうです。それも盗掘被害で数を減らしているとのこと。なるほど、場所を教えてもらえないわけです。
ちなみにキタダケソウは絶滅危惧IB類で、タカネマンテマよりも危険度はやや下ですが、こちらは踏み込みによる消失が進んでいるそうです。私もやってしまいがちですが、写真を撮るのにほんの一歩踏み入れてしまうことが、土を固めたり根を痛めたりして、希少植物の消失に繋がることを、肝に銘じておこうと思いました。








































