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西黒尾根から登るガスガスの谷川岳

谷川岳(トマノ耳、オキノ耳)( 上信越)

パーティ: 6人 (Yamakaeru さん 、ほか5名)

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行程・コース

天候

雨と曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビには「谷川岳インフォメーションセンター」をセット。無料の駐車場(300台)で24時間出入り可。綺麗なトイレあり。紅葉シーズンなどは混むため早めの到着を進める。満車の場合は、300m程道を進んだところにロープウエイ山麓駅のベースプラザの有料駐車場がある(24時間可で建屋内のトイレも利用可で冬は特におすすめ)。西黒尾根の登山口は、林道を更に登り登山指導センター奥のゲートをくぐった300mほど先にある。インフォメーションセンターから徒歩15分程度。

この登山記録の行程

谷川岳インフォメーションセンター(06:02)・・・西黒尾根登山口(06:26)・・・ラクダの背・・・ラクダのコル(08:13)・・・西黒尾根ガレ沢の頭(08:24)・・・氷河跡(08:59)・・・ザンゲ岩(09:10)・・・トマノ耳(09:30)・・・オキノ耳(09:48)・・・トマノ耳(10:12)・・・肩の小屋(10:15)(休憩~10:41)・・・天狗のトマリ場(11:08)・・・熊穴沢避難小屋(11:36)・・・天神平駅(12:15)

コース

総距離
約8.7km
累積標高差
上り約1,605m
下り約1,006m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

地元の山仲間と会社の指定休日に関東周辺で合流して一緒に山へ登ろうと、ずいぶん前から計画を練っていた。最初は東北遠征も視野に入れて、「どこの山にしようか」「紅葉を狙って飯豊周辺もいいよね」と盛り上がっていたが、結局、移動距離の壁から5年ほど前にも一度企画して保留になっていた「谷川岳」に「平標山・仙ノ倉山」を加えた1泊2日の登山計画が採用となった。それでも地元からすれば約600kmの遠征となる。
台風の影響もあり9月下旬から怪しい天候が続き中止も考慮したが、そもそもこのメンバーには「雨だからといって中止」と言う選択はなく、隊長の「行くぞ!」の一言で決行が決まった。
かくして、関東遠征「秋の谷川岳」実行の日を迎えた。
参加メンバーは地元チーム(4名)に、関東からの参加組として自分と先日赤岳をご一緒した山仙人を加えて、総勢6名で構成。全員、筋金入りの山バカだった。
10月3日(木)。仕事が終わると同時に帰宅。予め用意しておいた山道具を車に詰め込み夜の国道をひた走る。
群馬に入った付近から、フロントガラスを雨が激しく叩くようになった。この勢いからすると、きっと明日の朝も雨は残っているだろう。
深夜0時30分頃、谷川岳インフォメーションセンターに到着。平日とは言え天下の谷川岳に車が一台も停まっていなかったのは驚きだった。
眠気が襲ってきたので、地元チームの到着を待って朝まで仮眠をとることにした。程なくして、山仙人が到着した気配を感じたが、そのまま深い眠りに落ちた。
5時に起きて、顔を洗い仲間の到着を待つ。
地元チームは予定より少し遅れて5時半に到着した。
久しぶりの再会に全員の顔がほころぶ。今回は、いつもの地元メンバーに加えて、ヒマラヤ登山を何回も経験しているIさんも参加している。
小雨が降っていたがオシメリ程度だったので、そのままスタートを切る。空気がヒンヤリしていて心地よかった。ロープウエイの駅を過ぎて、更に林道を登り登山指導センターの先にあるゲートをくぐると、今回登りに使う「西黒尾根」の登山口が見えてくる。西黒尾根は、言わずと知れた日本3大急登の1つ。谷川岳には何度も足を運んでいるが、実は西黒尾根を使う機会がこれまで一度もなかった。自称「急登ハンター」としては、「いつかは登らねば」と思っていたので、この日を楽しみにしていた。
登山口の前に立ち、気合を入れる。
どことなく入口の様子が、同じく急登で有名な笠新道に似ていた。「さぁ登ってこい!」と言う山のオーラが湧き出しているようだった。
絶え間なく続く斜面に、徐々に強くなる雨。各々、レインウエア―を着込むが、自分は傘で雨をしのぐ。
岩稜地帯に入ると、視界が開け谷川岳を構成する幾つかの尾根が見渡せた。麓には雲海が張り出していてとても幻想的だった。
正面に見える尾根の中央には大きな建物が見えた。天神平にあるロープウエイの駅だ。
水分補給をして、再び歩き出す。
これから登る尾根の先を見上げると、ギザギザした岩が続いているのが見えた。ラクダの背と呼ばれる岩稜地帯で、西黒尾根の中でも最もハードな部分となる。そもそも、谷川岳は蛇紋岩が多く分布する山で、ラクダの背もその殆どが蛇紋岩と言っても過言ではなく、雨に濡れると半端なく滑りやすい岩なので注意が必要だ。
岩肌につけられた黄色いペンキの目印に登っていく。鎖を握り締め慎重に登っていくが、それでも気を許すとツルっと滑りそうだった。
途中、たたみ何畳分もある大きな岩を見た。氷河跡と呼ばれる場所で、まだ氷河があった頃に巨大な氷が岩を削りながら滑った跡が岩の上に残っている。太古の昔には、巨大な氷河が谷川岳を覆いつくしていたのかも思うと不思議な気がした。
氷河跡に続いて、頭上にせり出した大きな岩壁が見えた。
地図にも載っている名所「ザンゲ岩」。
何ゆえに「懺悔」という名前がついたのかは定かではないが、急登にやられて「もうこれ以上は勘弁してください」とあまりの辛さに懺悔した場所なのかも知れない。
ここまで来ると頂もあと僅か。力を込めて最後の斜面を登って行く。ちなみに、登り切った時の感想は「あまりにもあっけなかった」というのが実感。日本三大急登と聞いていたので身構えていたが、正直拍子抜けだった。劔の早月尾根の方が断然タフだった記憶がある。一体誰がどんな基準で日本三大急登を決めたのだろうか。
稜線に立ち最初に肩の小屋へ向かうか悩んだが、「まずは山頂だろう!」と言う仲間の言葉で双耳峰の一つ「トマノ耳」へ向かう。
霧の中に、盛り上がった岩の塊の上に標識が立っているのが見えた。これがトマノ耳。もう一つの「オキノ耳」と合わせると、麓の方からは猫の耳に見えるという。
トマノ耳の標高は1,963mに対して、オキノ耳は標高1,977mと高いが、なぜか地元の人はトマノ耳の方を谷川岳の頂としている。
本当であれば谷川岳の頂からはアルプス級の絶景が楽しめるが、残念ながら今はガスガスの真っ白け。遠征してきた地元チームのメンバーにもぜひ豪華な谷川岳の眺望を楽しんでもらいたかったが、こればっかりは仕方がない。心の目で気分に浸ってもらおう。
続いてオキノ耳へ立ち寄ってから肩の小屋へと向かった。
明日に予定している平標山も実は谷川岳からの稜線で繋がっていて、健脚な人であれば肩の小屋から一日で平標山まで行くことができる。以前、谷川岳の馬蹄コースを歩いたことがあるが、いつか平標山まで歩いて稜線を繋いでみたいと思っているコースだ。
雨が強くなってきたので、管理人のおじさんにお願いをして、小屋の中でお昼ご飯を食べさせてもらう。冷え切った外に対して、小屋の中はほんのり温かった。
隊長とIさんはせっかくだからとホットコーヒーを注文。運ばれてくると同時に、コーヒーの香りが漂って、「自分も頼めばよかった」と思った。
お昼ご飯を食べてエネルギーを満タンにしてから、天神尾根で下山モードに入る。
西黒尾根では誰にも会わなかったが、さすがに天神尾根はロープウエイに繋がっているだけあって、沢山の登山者が下の方からどんどん登ってきた。
ロープウエイ駅の分岐点に来たときに先頭にいたIさんが、「どっちに行きますか?」と声をかけてきた。当初の予定では天神尾根から田尻尾根へ入り下山する計画だったはず。雨が酷い場合はロープウエイもやむを得ないとしていたが、今の天候であれば聞くまでもなく「田尻尾根だろう」と返そうと思ったが、後ろの方から「ロープウエイで早く下山しよう」という山仙人の大きな声でかき消された。後にみんなも「えっ、もっと歩きたかったのに!」という感想を聞いたが、何度も来ている山仙人にしてみればガスガスでこれ以上長居をしても仕方がないと思ったのだろう。従って、その場の流れ的にロープウエイを使うことになった。片道1800円なり。
まぁ文句は言ったものの汗と雨で全身ずぶ濡れ状態だったので、乗るとなれば一刻も早く下山して温泉でさっぱりしたかった。
誘導員の指示しに従いゴンドラに乗り込むと、ドアが自動的に閉まり真っ白な空中の中にすっと滑り出していった。ゴンドラは滑らかな動きで、15分ほどの時間をかけて麓まで降りていく。高いチケットを払っているので、少しでも風景を楽しめると良かったが、終始真っ白で何も見えなかった。
下山後、近くの温泉でゆっくり。その後、今日の宿泊地「苗場プリンスホテル」へ向かう。苗場プリンスと聞くと金持ちと思われそうだが、実はそうではなく我々が泊まるのは苗場プリンスホテルが運営する「苗場高原オートキャンプ場」。そこで酒盛りをするのが今日の最後の目的だった。
楽しみの「満天の星空を見ながらの酒盛り」。しかし、現実は切なく、止んでいた雨が再び降り始め、キャンプ場に到着する頃には結構な土砂降りになっていた。
豪華なプリンスホテルのフロント入り口を横切り、そのままホテルの脇にあるスキー場ゲレンデへと進む。オートキャンプ場と聞いていたが、区画は無くゲレンデ全体がキャンプ場になっていた。小さなトレーラーハウスで受付を済ませ、早速、酒盛り会場の設営を行う。誰もいない広々としたキャンプ場なのに、なぜか炊事場横のせせこましい場所を陣取ったのには少し笑えた。翌日の早朝移動を考えて、結局、テントは1張りにして、他の人は車中泊をすることにした。その中、Iさんは炊事場で野宿するという豪傑ぶり。翌日聞くと、頭の上でネズミがちょろちょろしていて煩かったので、炊事場にあったテーブルの上で寝たと言っていた。
車を風よけにして建てたタープの下で、晩御飯のスペシャル鍋と酒盛りが始まる。星空は無く、時折、強い風と共に雨が吹き込んできて寒かったが、温かい鍋に楽しい会話であっという間に時間が過ぎていった。
地元チームの関東遠征1日目終了。

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装備・携行品

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登った山

谷川岳

谷川岳

1,977m

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