長い里帰り、もう一つ故郷の山を...と、串木野（いちき串木野市）の東にある冠岳に...。
　初めての山で、下調べはしていたが、少し不安もあり途中の道端で作業の準備をしている方たちに展望駐車場の場所を訪ねる。駐車場は南の眺めが広がる広い公園にある。すぐ上には大きな徐福像が公園を見下ろしている。
　準備を整えアスファルトの道を登山口へ向かう。途中祠があり冠岳八十八カ所のお参りの場所にもなっているようだ。煙草神社入口の道標から山に入るが、石の階段が続いている。10分近く石の階段を登ると材木岳と煙草神社への分岐が現れる。煙草神社へ100m、ということで立ち寄ることにする。分岐を左に行くと鎖場になり、ごつごつした岩を鎖をつかんで下ることになる。慎重に下ると白い（ちょっと朽ちている）鳥居が現れ、その後ろは崖をくりぬいて作ったような道が続いている。鳥居を潜り、慎重に崖の道を進むと左の岩がへこんでいてここには天然のたばこが自生しているとか、その先は広い岩屋となっておりその奥に社が収まっている。これが、煙草神社のようだ。お賽銭を入れ、今日の山登りの安全を祈り分岐点まで引き返す。
　分岐からしばらく登ると林道に出るが、道標に従い左へ折れ材木岳に向かう。石の階段の上に大きな倒木が現れ下を潜って進むと尾根道に出る。ここを右に進み少し登るとコンクリートで作った祠が現れる。ここが材木岳のようだ。手を合わせてさらに歩くこと10分で中岳の山頂に着く。周りは自然林に囲まれ展望はきかない。東岳を目指す、少し下りが急になりまたなだらかになった道を歩いていると登山道の真ん中に大きな木が....かなり樹齢がありそうだ。そこから少し歩くとパラボラアンテナの鉄塔が現れ林道に出る。林道を横切りゆったりとした登り道を歩いて10分足らずで東岳に到着。ここも周りが自然林に囲まれ見晴らしがきかない。
　ここから来た道を引き返す。中岳、材木岳を過ぎ一旦下って煙草神社からの道に合流し、ここから西岳（冠岳）を目指し登て行くと経塚への案内の道標が現れる。経塚の正式名称は経の塚か?説明看板には「経の塚」の謂れを書いてあり祠も立っている。冠岳への道に合流しプラスチックの板で出来た階段を登りつめると視界が開け冠山山頂だ。広い山頂には社があり南側は視界が開けている。かわいいお嬢様たちが二人、景色を眺めながら美味しそうにおにぎりをほお張っている。姶良（吾平?）から来たとのこと。ここから眺める景色は素晴らしく、眼下には吹上の海岸線が延び、その先には南薩の山々が見える。うっすら見える三角の山は、先週13日に登った開聞岳のようだ。左には桜島が見えその後ろに見える高い山は高隈山か？
　たっぷり景観を楽しんで西岳登山口の方へ下山に入る。階段の道が続く。左の大きな木にでっかいサルノコシカケが生えている。
　15分ほど下ると、西岳登山口に着く。ここにとまっている一台の車は、山頂出会ったお嬢さん達の車か⁉ここから広い舗装の道を歩いて行く。道の上にお寺が現れこのお寺に続く参道を下って行くと車道に続く階段が現れ出発点の展望公園に到着する。
　
　この山は、八十八カ所巡りがあり信仰の山でもあるようだ。そのおかげもあり道はしっかりしており（材木岳から東岳までは普通の登山道）登山道に急なところは無く安心して登れる山だ。また、天気さえよければ、山頂から南側の景観が素晴らしい。

　翌日は、薩摩川内の北の山間にある「川内高城温泉」に行った。西郷さんも狩りの後浸かったという源泉かけ流しの温泉で、源泉の温度は50度を超える。温泉に着くと、硫黄の匂いがしてとても温泉らしく感じるが、全体としてさびれているようでさみしい。管理人もいなく、250円のお金をお椀のような容器に入れてはいる。浴槽が二つあり、小さな浴槽は温泉が直接入り熱くて僕には我慢できそうにないが、大きな浴槽は小さな浴槽を通ってきたお湯で、丁度いい湯加減になっている。このお湯と硫黄の匂いを嗅ぎながら昨日の疲れをゆっくりとほぐした。この温泉、とても気に入った。