行程・コース
天候
晴れ(頂はガスで強風)
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
滝登山口の駐車場(8台程度+路駐、トイレ無し)(GPS座標:37.44374 140.237246)は、冬季は雪に埋もれるため、手前の「弘法清水」(水汲み場)の駐車場(8台程度、トイレ無し)を利用するとよい。今回は、除雪と雪解けが進んでいたので、弘法清水から0.5kmほど進んだところまで進めたので、路肩スペースに停めさせて頂いた。
この登山記録の行程
路駐ポイント(06:22)・・・滝登山口(06:45)・・・分岐(07:07)・・・額取山(安積山)(07:53)・・・分岐・・・滝登山口(08:56)・・・路駐ポイント(09:12)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
週末にテントを担いで越境雪山縦走を計画していたが、大寒波の到来でしこたま雪が積もった後に一転して春のような天候が一週間続いたため、雪崩の危険性を危惧して中止を判断した。
知り合いが前日の金曜日にスタート地点となる山域までパトロールに出かけてくれたようで、送られてきた写真を見ると稜線上に無数の亀裂が走っていて、まさに触れただけでも崩れそうな状況だった。事実、出発初日だった土曜日に、その写真を撮影した近くの山で登っていた方2名が雪崩に巻き込まれ不幸ながら亡くなったというニュースが流れていた。もし、出発していたら同じように雪崩に遭遇していたかも知れない。
さて、ぽっかり空いてしまった週末。どう過ごそうかとも思ったが、やはり雪山に登りたい。という訳で、先週3連休時に予定していて結局行けなかった福島県の額取山へ再チャレンジすることにした。
額取山は、郡山市西側と猪苗代湖の間に位置し、奥羽山脈の一つで標高1,009mの山。「がくとりやま」と勝手に読んでいたが、正確には「ひたいとりやま」と読む。ただし、地元の方は「安積山」と呼ぶことが多いようだ。額取の意味は、八幡太郎義家が元服の儀式で髪を剃ったことに由来するらしい。
郡山付近まで行くのであれば、磐梯山や安達太良山狙いで、つい低山は素通りしがちだが、額取山から眺める磐梯山が良いと聞いていたので、楽しみだった。
前回同様、金曜日の仕事を定時で切り上げ、少しだけ仮眠をとってから、早朝3時に福島へ向けて出発した。
途中で少し時間を調整して6時に現地に到着。ちょうど日の出が迫っていて空が赤く染まっていた。
冬期は積雪がされていないため滝登山口の駐車場までは入ることが出来ない。名水「弘法清水」の駐車場に車を停めるのが一般的なようだが、ここ一週間続いた寒波が抜けた後にやって来た春のような陽気ですっかり雪解けが進み、弘法清水よりも500mほど奥まで行くことが出来た。僅かな差だが林道歩きが少しでも減るのは有難かった。
林道の三差路にあった2台分ほどのスペースに車を停めさせて頂き、ワカンを片手に持って歩き出す。ピッケルは使わないだろうと思ったが、お守り的に肩に下げておく。
前方には、朝日を受けて赤く染まった雪山が見えた。額取山だろうか(たぶん偽ピークの部分)。
6:40、滝登山口に到着。そろそろワカンを装着しようかとも思ったが、トレースがしっかりしていたので、もう少しツボ足で歩くことにした。ただ、気温が高いため雪にしまりがなく、ところどころで踏み抜いてバランスを崩した。
斜面に沿って登り、尾根のラインに乗る。ここからは暫し真っすぐに延びた尾根を進む。アップダウンも少なく雪の感触が楽しい。
右手側には、樹々の間から連なる雪山が見えた。霞んでいて良く見えなかったが、遠くにひと際存在感のある山が見えた。多分、先週登った安達太良山だろう。
再び斜面に向かい、登って行く。
斜面の中ほど立ち止まり、振り向いてみると麓の方にずらりと並んだ太陽光パネルが見えた。まるで巨大な鏡のようだった。
登り初め快晴だった空が、いつしか曇天に様変わりしていた。頂の方を見ると既にガスに包まれている。強風の予報は出ていたが、天気は晴れだったはずなのに。どうも今年の雪山登山はタイミングが悪い。
更に登って行くとブッシュゾーンに突入した。
藪漕ぎと言う程ではないが、細かい枝をよけながら衣服をひっかけないように注意して登って行く。
偽ピークに着く頃には完全にガスの中に突入した。風が強く立ち止まると一気に体温が奪われた。
7:46、山頂に到着。
地形的にいつも強風が吹いているのだろうか。標柱の周辺の雪が飛ばされて地面が露出していた。
本来であれば360度の眺望が楽しめるのだろうが、どこを向いてもガス、ガスのガスで何も見えない。磐梯山の雄姿を楽しみにやって来たというのに、なんてことだ。
時計を確認すると、まだ全然早い時間。歩き足りないのでお隣の「大将旗山」まで行ってみようと少し進みかけたが、視界が利かないうえにあまりにも風が強い。いつもならお構いなしに進むが、なぜか今日は気分が乗らなかったので、あっさり引き返すことにした。そんな時は自分の感覚に従った方が良い。
せっかく郡山に来たので、「以前から行きたかったラーメン屋でお昼にしよう!」とひらめき、そうなるともはや意識は温かいスープをすすっている映像。一刻も早く極寒の世界を脱して食べに行こうと速攻で山を駆け下りた。気がつけばワカンは手に持ったままで、終始、ツボ足で降りてしまった。
登山口まで降りて頭上を見上げると、再び青空が広がっていた。
「麓だけ晴れている山あるあるだな」と思ったが、どうもそうではなく頂に滞留していた雲も完全に取れているようだった。
今なら磐梯山も綺麗に見えるに違いない。
一瞬、「もう一度登るか!」と考えが過ったが、圧倒的な差で「ラーメン」が競り勝った。今回は大人しく帰ることにしたが、結果的にモヤモヤ登山になってしまったので、いつかまたリベンジに来たいものだ。
















