行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
浅間隠山登山口駐車場へ向かう。といっても看板などはないため注意。カーナビには「二度上峠」をセット。もしくはGoogleMap等座標で検索可能であれば(36.439676 138.649254)をセット。20台程度の無料駐車場、トイレは無し。峠付近には同規模の駐車場が3つあるが、高崎方面から来ると一番手前が浅間隠山登山口に最も近い。逆に一番奥の峠のところが鼻曲山登山口に近い。
この登山記録の行程
浅間隠山登山口駐車場(07:59)・・・浅間隠山登山口(08:00)・・・浅間隠山(09:06)(休憩~09:38)・・・浅間隠山登山口(10:19)・・・<車道>・・・二度上峠(10:32)・・・獅子岩(10:44)・・・氷妻山(11:00)・・・鼻曲山(11:46)・・・氷妻山(12:40)・・・獅子岩・・・二度上峠(13:12)・・・<車道>・・・浅間隠山登山口駐車場(13:26)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
「二度上峠」を目指し、蛇行する道を登って行く。
7時21分、目的地の二度上峠まで残り10kmのところで特徴的な山が見えてきた。おそらく今日の目的地「浅間隠山」だろうか。
突然、親子の猿が目の前を横切っていった。橋の欄干にも別な親子の猿が座っている。なんとも自然豊かな場所だ。
大きなコーナーを抜け次のコーナーに入る手前のところで、駐車場があるに気が付いた。峠にはまだ数百mの距離があったが、瞬間的に「ここだな」と思って車を停めた。
看板らしきものが見当たらなかったので、登山の準備をされていた方に挨拶をして「浅間隠山の登山口はここであっていますか?」と尋ねると、「そうです」と返事が返って来た。
その間、数分間だったが、会話をしている間に4,5台程空いていたスペースが埋まってしまった。迷わず駐車したのはナイスな判断だった。
車に戻り、準備を整えながら周囲の山を眺める。
二度上峠の時点で既に標高1,380mと山一つ分高いため、まだ春には少し早いのか新緑のない山は地肌が見えて、全体的に茶色の風景だった。
それにしても「二度上峠」とは変わった名前だ。何かを持ちあげるさいに着いた名前だろうか。帰ったら調べてみることにしよう。
地図で登山口の場所を確認。車道を高崎方面へ200mほど戻ったところにあった。
8時00分、「浅間隠山登山口」と書かれた看板に目をやってから山へと踏み込んでいく。登山道は谷間にあり、奥に見えるコルに向かって延びていた。なるべく汗をかかないようにとゆっくり登って行く。
天気予報によると今日は快晴とのことだったが、中国から大量に黄砂が飛来するとかで、既に景色全体が霞んでいた。浅間山の絶景が今日の目的だっただけに黄砂が恨めしい。
登山口から僅か10分ほどでコルに到着。
登り切ったところを左に折れて暫く水平移動で進んでいく。山頂まで2.5km程度なので、登山というよりは散策に近い。
行く手には、樹々の間から浅間隠山の頂が見えていた。
浅間隠山は、標高1,757mの山で、浅間隠温泉郷方面から見ると、すっぽりと浅間山を隠して見え無くしてしまうことから「浅間隠山(あさまかくしやま)」というユニークな名前が付けられたとか。また、別名、「矢筈山」とも呼ばれているが、その名前の通り山頂部が二峰に分かれている。今見えているのはその手前のピークで、山頂とされるピークはその奥に位置している。
「西軽井沢方面への分岐点」で水平移動を終え、斜面に取り付いて九十九折り状に高度を上げていく。
登っている途中で、先ほど駐車場で挨拶をした方に追いついた。
「先ほどはどうも有難うございます」と挨拶をして、一言二言会話を交わす。
すると、「せっかくだから」とおじさんがポケットから何かを取り出して手渡してくれた。
よく見ると、かえるを縁取った木製のプレート。愛らしい蛙の絵が描かれていた。裏面には「交通安全!山行安全!」と書かれている。
なんでも趣味で作られていて、山で出会う方に配っているのだとか。
「SNSで使っている自分の名前もかえると言うんですよ!」と思わず嬉しくなってしまった。偶然の出会いに面白いご縁だった。
途中に見えていた手前のピークを経て、奥の頂に向けて最後の斜面を登って行く。
先ほどから左手側に雪を冠した白い山がちらちらと目に入っていたが、なるべく気が付かないふりをし、8時46分に.山頂へ到着。
浅「浅間山解禁!」とばかりに正面を向くと、山頂の標識の向こうに真っ白な浅間山が「ドーン」と聳えているのが見えた。
圧倒的な迫力。名付けて「ウェルカム・ドーン!」だ。 ^_^
やはり黄砂の影響か、かなり霞んでいたが迫力は満点だった。
山頂で休憩をされていた栃木からの夫婦と話し込んでいるうちに、先ほど蛙のプレートを頂いた方が登ってきた。
趣味で作っているのは蛙のプレートだけではなく、あちこちに山の標識を作り、設置するために登っているとか。今日も作って来たと、近くの低木に針金で取り付けるのを拝見させて頂いた。
そうこうしているうちに少し霞が取れて青空が見えるようになってきた。
先ほどまでは霞に隠れて全く識別できなかったが、薄っすらと「草津白根山」も姿を現してきた。栃木の方が「至仏山」も見えると言っていたが、こちらはさすがに自分の目では識別できなかった。
ポカポカと陽射しが心地よくて、このままコーヒーでも淹れてゆっくり浅間山を眺めていたかったが、もう一つの山「鼻曲山」へも行きたかったので、皆さんにお別れの挨拶をして9時半に行動を再開した。
時間を稼ぐためにも(走りはしないが)トレイルランナーのように飛ばして、10時11分にはサクッと下山。なんと言っても短い距離なので、それほど時間は要さない。
車道を歩き、駐車場を通り越して二度上峠を目指す。
10時28分、二度上峠へ到着。
長野県(軽井沢)との県境であり、峠の駐車場からも浅間山が良く見えていた。
鼻曲山への登山口は、その峠の駐車場の奥にある。
看板によると距離は3.5km。歩きだしは、ほぼ水平移動で登山道もとても歩きやすかった。
途中、「獅子岩」という巨大な岩があった。ライオンというよりは猪が伏せているような形だった。
10時52分、「氷妻山」へ到着。頂という感覚は無く、特徴のないピークだった。先客がいたので休憩を入れずにそのまま進む。
氷妻山を越えると、行く手に空に向かって突き出したようないびつな形をした山が見えて来た。目指す「鼻曲山」だ。
名前を聞いた時には、鼻が曲がるほど臭い植物でも咲いているのかと冗談で想像していたが、実際には曲がった鼻に似た山容から名前が付けられたという。曲がった鼻という表現も凄いが、東面は切り立った崖で確かに鼻のような形をしている。標高1,654mで他の山よりも頭一つ分高く、どこから見ても直ぐに識別できる山だった。
アップダウンを繰り返してようやく、鼻曲山の手前までやって来た。
ついに反り返るような斜面を見上げ、挑むように登って行く。今回の行程で一番の急斜面だと思う。所々に雪解けの水でぬかるんでいて気を抜くと滑り落ちそうになった。
息を切らして登り切ると、先にもう一つのピークが見えた。どうやらそこが頂のようだった。
11時40分、山頂へ到着。
小さな頂で休憩スペースはあまりない。頂の向こうは、遠くから見えていたように断崖絶壁で、岩が一つ突き出していた。その岩の上に登ってみると、とても見晴らしがよく、眼下に広がる小さな山々を一望することが出来た。山が織りなす大海原だ。
「これは凄い!」と思わず声が出た。
二度上峠から僅か3km程度と軽く見ていたが、体感的にはそれ以上の長い工程に感じた。しかし、この風景は足を運ぶだけの価値があると思った。
兼ねてから行きたかった「浅間隠山」に加えて、「鼻曲山」という素晴らしい山に出会えて、良い一日だった。
ちなみに、帰宅後、忘れないうちにと、二度上峠について調べてみた。
二度上峠の名前の由来は、かつて運行されていた草軽電鉄(現・軽井沢線)が、2回方向転換(Z型スイッチバック)して上ったことによるものだという。馬が荷揚げしたとかいうような話かと思っていたが、鉄道と知ってなるほどと思った。


























