行程・コース
天候
2日間とも晴れ、ほぼ無風。
薄い雲が空を覆い、それがフィルターになって陽射しは柔らかく汗もかかずよかったが、
やっぱり白い雲と青空の下で雄大な山稜を眺めつ歩きたかった。
利用した登山口
登山口へのアクセス
電車
その他:
渋沢駅から大倉行バスを利用。
平日なのに7:47発は登山者でほぼいっぱいだった。
この登山記録の行程
【1日目】
大倉(08:13)・・・観音茶屋(08:44)・・・雑事場ノ平(09:13)[休憩 4分]・・・駒止茶屋(10:02)[休憩 3分]・・・小草平(10:25)[休憩 3分]・・・茅場平(10:50)・・・花立山荘(11:36)[休憩 5分]・・・金冷シ(11:55)・・・塔ノ岳(12:15)[休憩 20分]・・・丹沢山(13:56)
【2日目】
丹沢山(06:00)・・・棚沢ノ頭(07:00)・・・蛭ヶ岳(07:51)[休憩 10分]・・・臼ヶ岳(09:26)[休憩 5分]・・・金山谷乗越(10:26)[休憩 6分]・・・檜洞丸(11:40)[休憩 15分]・・・石棚山稜分岐(12:00)・・・展望園地(12:35)[休憩 7分]・・・ゴーラ沢出合(13:23)・・・西丹沢ビジターセンター(14:13)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
黄色い「看板」に足が止まりました。
大きく、この先は「上級者向」です、とあります。 「蛭ヶ岳」の山頂にあった看板です。
ハイカーに「冷静な判断」を促す文。
果たして自分は「上級者向」コースに挑んでもよいものか、と躊躇しました。
それにしても、ここまで来て今更「体力と技術が必要です」と言われてもなぁ。
不安と動揺を感じながらも檜洞丸方向へ進んで行くと
またも同じ看板が出て来て全部で3つ。
2つ目で「ホントに上級者向をやるの?」と確認を求められ、
3つ目で「体力と技術を確かにお持ちですよね?」と念押しして来る感じ。
この時点で本気で考えました。
ちょっと先まで行ってみよう。ダメそうなら引き返すことにしよう。
そう決めて崖を下って行きました。
丹沢最高峰の「主稜歩き」は、数年来の望みでした。
年齢的にやるなら今年だ! と決めての小屋泊山行を計画。
以下、参考になることがありましたら、幸いです。
〇山小屋の予約
梅雨になればヒルの活動はピーク期となるでしょう。(苦手です)
それを避けるのであれば「今」です。(若しくは晩秋か)
1週間の天気予報を調べ、晴れが続くところを見つけて「みやま山荘」に電話を入れました。
登り口と下山先を聞かれました。
〇コースの設定
登山地図(山と高原地図29)のガイドには、
「西丹沢VCから大倉」へ縦走するルートが紹介されてますが、逆で歩くことにしました。
「みやま山荘」に泊まりたかったからです。
檜洞丸登山は5年前(2020年8月)にやっています。
修行のようなひたすら「登り」の山。その手強さが記憶にあったことも、
登山口を「大倉」にした理由です。
「塔ノ岳」は今回で3度目。
丹沢山まではそこから1時間半くらい。我が体力なら「行け」そうと思いました。
〇持ち物
1.飲料水 強炭酸500ml×3本、甘酒500ml、アクエリアスpack 300g×2
それに水500mlをペットボトルに。 合計約3L
(結果) ぎりぎり足りました(もたせました)。
2日目、水が足りないかもと気にしつつ出発。
青ケ岳山荘でコーラを飲もうと頑張って登り詰めたらそういう展開かい!
小屋番さん不在にがっかり。
無人でも水は購入できるようになっていました。
山小屋の方の配慮には感謝ですが、買いませんでした。2Lはちょっと多すぎ。
炭酸水500ml1本でゴールの「西丹沢VC」へ向かいました。
2.雨具 レインジャケット(上)のみザックに。
傘は持っていかないことにしました。
3.ヒル対策 そのことをすっかり忘れていて、行きの車中で気が付きました。
防虫ネットとか防虫スプレイとかも持ってくるべきだった、と思いました。
(結果) 当日の気温やその他の条件で異なると思いますが、ヒルは出ませんでした。
汗に纏わりついて来る虫もほぼ無し。(この日は、です。)
4.昼食 稲荷寿司(5ケ)を作って持って行きました。
おかずはウインナ4本、塩きゅうり1本。
ちなみに、昼食の摂り方ですが一度にどかんと食べません。
1時間くらい登って一休み。そのときにちょっとずつ食べます。
「塔ノ岳園地」で20分の長めの休憩。残った3ケを平らげます。
5.その他 持っていけばよかった物として、筋肉の炎症を和らげる貼り薬など。
その効果は、気休め程度かもしれません。
〇山行の様子
<塔ノ岳~丹沢山>
木道が整備されていました。気持ちの良い道です。
塔ノ岳へと向かう20人くらいの登山者とすれ違いました。
ピストンなのか、蛭ヶ岳からなのか質問したくなりました。
<みやま山荘にて>
夕食を6時に終えると消灯の20:30までヒマでしょうがありません。
おしゃべりしに1Fに下りました。
はるか遠方からお越しのAさん・・・近くのビジネスH泊しての山行とか。
IB県にお住まいのBさん ・・・登山口はヤビツ峠。
アクティブにあちこち山行している方。登った山について話が合いました。
AさんもBさんも下山は「西丹沢VC」で同じ。
お仲間がいることが分かり、ほっとしました。
水割りをやっていたCさんとDさんは、途中ですれ違ったハンターの方で、
「レンジャー」でした。
みやま山荘を拠点にしてシカの駆除をしているとのこと。
その活動についていろいろとお話を聞かせていただきました。
<翌日>
6時、山荘を出発。
もたもたしてたら西丹沢VCへ向かう組としては、最後となってしまいました。
約2時間で「蛭ヶ岳山荘」着。
正面にどんとあるのが「檜洞丸」。
その証拠となるのが白い点で、たぶん「青ヶ岳山荘」です。
何度か登り返しがあり、きつそうです。
そして、傍らに立っている黄色い看板にたじろぎました。
<蛭ヶ岳~檜洞丸>
下り始めてすぐに長いクサリ場が現われました。
それが終わると、その時点で引き返す気持ちはゼロになってました。
これを登りたくない! 進むしかない、と。
「臼ヶ岳」に到着。標高は1460m。
更に110mほど下っていくと「金山谷乗越」で、標高が1300mですから、
「檜洞丸」へは300mを登っていかねばなりません。
「体力」に加え必要なのが歩き通すという「気力」かもしれません。
登山道は木道や階段が設置されており、ありがたく思います。
崩落個所が2つ程ありました。
道の先がすっとなくなっており崖。ボーっと歩いているとヤバイことになります。
注意喚起となればと思い近くの枯れ木を動かして横にして置いておきました。
<檜洞丸~西丹沢VC>
「青ヶ岳山荘」で残りの弁当を平らげ、山頂へ。
そこから下る一方で、1000mほど下っていって「ゴーラ沢」。
膝が痛くなってきました。
渡渉して少し行くと分岐があり、左に折れて河原に出ます。
2回渡渉するその道を今回選択しましたが、ショートカットにはなりませんでした。
キャンプ場の敷地を通り抜ける形になるので、咎められないかと気を揉みました。
〇その他
・2日目のこと。
「檜洞丸」へと登って行くと話し声がしてきて、下りてくる人がいました。
聞けば、ゴールは「大倉」とのこと。(ホントか?)
ここからだと16Kmはあり、9時間はかかるコースタイムです。日没近くになるかも。
それにしても相当な健脚ぶり。魂消ました。
・「みやま山荘」 建物内は圏外。
コースタイムを見て一日を振り返ることはできません。
2日目の出発前、山頂広場を歩き回って電波を拾い、登山アプリを起動させました。
・「足の痛み」について
外反母趾をかかえているので2時間を超えると痛みが出始めます。
そこで、小休憩のたびに靴を脱ぎました。
今回はこれが有効でした。面倒でしたけど。
・ニホンジカの捕獲について
神奈川県の森林面積は、その1/4にあたるそうです。
前年比の1.2倍となったシカの個体数を調整するため、レンジャーが捕獲。
5年で1500頭に下げていくとサイトにありました。
宅地化で山に追われたシカには気の毒ですが、
・採食 → 林床植生の衰退 → 表土流失
・苗木を食べてしまうので林業被害
・ヤマビルの増加と拡大(登山口の駅で見ることもあるそう。ひぇー。)
ジビエとしての利用は、ありません。
60Kgもあるシカを山から下すにはヘリが必要。100gうん千円になります。
食肉処理にも許可と経費がかかります。
※ここまで目をとおしてくださった方へ
長々と書き連ね、すみません。記録することも山の楽しみとしているもので。
お役に立つ情報がありましたらなりよりです。
※追記(5/18)
昼食について:
この頃は「稲荷寿司」を持って行きます。
商品名「いなり上手」は、ご飯を詰めるだけですので、
「おにぎり」よりは簡単に作れます。
ごまを入れたり、紅ショウガを入れたりの工夫もしますが。
一口サイズがまたいいのです。
小休憩の時にポイ、と放り込みます。
フラットな山道で、歩きながらモグモグもしたりします。
5分もすると「疲労が回復」したような気分になります。
クマの出没について:
2日目、蛭ヶ岳の山頂手前で下山してくる昨晩の「レンジャー」さんに会いました。
一頭が〇〇沢の方へ下りて行ったので大丈夫だと思うけど、承知しておいてください。
と声を掛けてくださいました。
クマ鈴はザックにつけてましたが、鳴らして歩く気持ちにはなりませんでした。
すれ違った人も鳴らしてなかったような・・・。
肝心の「上級者向」について:
・看板の文「難易度が高い箇所が連続する」の部分
難易度が高いかどうかは人それぞれの感じ方かもしれません。
これまでの経験からすると、「フツー」です。
ドキドキして難所を超えた山行で思い出すのは、山梨の「十二ヶ岳」です。
垂直の岩壁登攀は必死でした。
・「技術と体力が必要です」の部分
自分の登山技術がどれほどのものか、何を指すのかもよく分かってません。
体力の方は、確かに必要なコースです。
この記録のタイトルにあるように「歩きとおす覚悟と気力」が前提だと改めて思います。























