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愛しき一等三角点はフェンスの向こうに大滝根山

大滝根山、高塚山(高塚ボッケ)( 東北)

パーティ: 2人 (Yamakaeru さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビには「高塚高原キャンプ場」をセット。約100台が駐車可能(無料)。管理棟の横にトイレあり。

この登山記録の行程

高塚高原キャンプ場(12:23)・・・ペラペラ石(12:49)・・・山頂分岐(13:24)・・・大滝根山峯霊神社(13:28)・・・梵天岩(13:37)・・・大滝根山峯霊神社・・・山頂分岐・・・高塚高原キャンプ場(14:40)・・・高塚山・高塚ボッケ(14:49)・・・高塚高原キャンプ場(15:05)

コース

総距離
約5.6km
累積標高差
上り約421m
下り約418m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

「大滝根山」ツアーの本番前に朝一番で滝富士へ登り、お昼には断然早かったが、移動する途中で田村市滝根町の「かなや食堂」に立ち寄った。なんでも「豚焼肉定食」で有名なお店と、山友「ともさん」の情報。
11時のオープンを待って早速注文してみると、アツアツの鉄板に「ジュージュー」と音を立てながら料理が配膳されてきた。それにも驚いたが、モクモクと立ち上る湯気中に、豚肉がこんもりと盛り付けられていた。ご自慢のエゴマ豚とのこと。
早速、口に運んでみると甘いタレが実に良い仕事をしていて、肉の旨味を最大限に引き出していた。アツアツのご飯とも相性抜群だった。
朝一番に登ってきた「滝富士」もそうだが、地元に愛される山やお店との出会いは、登山を一層想い出深いものにする。
食事を終えて、お腹いっぱい、胸いっぱい。満足すぎて根っこが生えてしまいそうだったが、「本当の目的はまだこれから」と、重い腰(お腹)をあげて、大滝根山へと向かった。
大滝根山は、福島県田村市と川内村との境にそびえる山で、日本三百名山の一つでもある。
標高1,192mと阿武隈山地の最高峰であり、古くから信仰の山としても有名で、大正時代までは女人禁制になっていたらしい。また、石灰岩質の山としても有名で、ケイビングをしていた自分にとっても、聖地と呼ぶべき「あぶくま洞」や「入水鍾乳洞」等が近くに点在している。さらにこの山がユニークなのは、山頂付近に航空自衛隊のレーダー施設「大滝根山分屯基地」があり、なんと山頂を示す一等三角点がその敷地内にあることから、一般的には触れることができない。どうしても触れたい場合は、事前に基地へ申請する必要があるが、残念ながら敷地見学が許可されているのは平日のみとなっている。
元々、自分たちも施設見学を検討していたが、やはり平日は難しいと諦めて、今回、週末の決行となった。
登山ルートは幾つかあるが、午後からの登山で時間が短かったこと。そして、「高塚山」にも立ち寄りたいと言う理由から、「高塚高原キャンプ場」からスタートするコースを選定した。尾根沿いに歩ける高低差の少ないコースで、ファミリー登山にもお勧めである。
キャンプ場に着くと少し閑散としていたが、それでも焚火をしたりしながら楽しんでいるキャンパーが何組かいた。翌日の11月30日で今年の営業も終了とのことだった。
車を停めて早速歩き出す。高塚山を後回しにして、まずは大滝根山を目指す。
キャンプ場の標高が既に約1,000mあり、この時点で大滝根山と大して差がないため、登山というよりは全体的に散策に近い。登山道も綺麗に整備されているので、とても歩きやすい。
サクサクと落ち葉を踏みしめながら森の中を進み、分岐から「ペラペラ石」を目指す。
ペラペラと言う名前から、「どんなにう薄っぺらな岩なのか」と興味を持っていたが、実際に行ってみると薄いどころか3つほどの丸っこい巨大な岩が森の中にごろりと置かれたように転がっていた。どこを切り取ってペラペラと名付けたかは不明だったが、確かに一見の価値はある巨大な岩で、よじ登ってみると森の向こうに自衛隊基地の球状をしたレーダー設備が見えた。
再びコースへ戻り、ペラペラ岩から眺めたレーダー設備を目指して進んでいく。
アップダウンもほとんどなく、緩やかで快適な登山道だった。
周囲には大滝根山の代名詞にもなっている「ムラサキヤシオ」の樹が群生していた。アカヤシオよりも花の色が濃くわずかに紫がかっていて、本州北部とアカヤシオより寒い地域に分布する植物だ。北陸出身の自分にとっては珍しいので、「いつか春にも来ないといけないな」と思った。
小高い丘の上に出るとレーダー設備を間近に見ることができた。
自衛隊の施設だけあって、厳重なフェンスが張り巡らされている。そのフェンス沿いに回り込むように進んでいく。
全体的にのっぺりとした山なので、どこが頂なのか良く分からなかったが、300mほど進むと右へ折れる分岐点に出た。
「ここだな」と登っていくと再びフェンスにぶつかり、左へとフェンス沿いに進んでいくと事実上の頂となる「大滝根山峯霊神社」に到着した。
神社にお参りをしてから、「一等三角点はどこだろう?」と、周辺を探してみると神社の裏側に人が立ち入った形跡を見つけた。
枝を払いつつ行ってみると、「あった!」。
フェンスの向こうに一等三角点が見えた。
もっと離れていると予想していたが、愛しの三角点までは僅か3m程の距離だった。その位であれば「自衛隊も気を利かせてフェンスをずらしてくれれば良かったのに」と思ったが、それはあくまで登山者目線の意見(笑)。
神社の前に「梵天岩」という看板があったので、ついでに足を延ばしてみた。
距離が記載されていなかったので、「遠いのかな?」と思ったが、神社から数分と意外に近かいところにあった。
ペラペラ岩と同様、森の中に突如現れた巨大な岩。梵天岩。
階段が設置されていたので、登ってみると凸凹に侵食された不思議な形状をしていた。
森の上に顔を出すと、遠くの山々までよく見渡すことができた。
もう少しノンビリしていたかったが、晩秋の陽射しは弱く肌寒くなってきたので、来た道を折り返し、キャンプ場の反対側にあった高塚山へと向かった。
地図には「高塚山」とあったが、実際にはそのような名前の山は無いらしく、現地の看板には「高塚ボッチ」とあった。
これは少し前に登った茨城県の「黒磯ボッチ」で調査済みだが、「ボッチ」とは主に千葉猛面で使われる山用語で「崖」を指す言葉。行ってみると言葉通り切り立った崖があった。断崖絶壁に立ってみると、眼下には風力発電の白いプロペラがゆっくりと回転しているのが見えた。その発電機が山並みに沿うようにどこまでも連なっていた。
かくして、2年越しの約束「大滝根山」登山を完了。
それぞれ翌日は別な予定があると言うことで、山友「ともさん」とは大滝根山の麓で分かれ、自分はそのまま翌日の工程に備えて郡山市へと向かう。
ともさんは、別な山仲間と合流するため福島の海岸線を北上するという。埼玉から来ているというのに、明日は宮城の山を登るという。いつもながら、けた外れの行動力に感服だった。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 山頂から見える景色は御在所に似てますね

  • 御在所。なるほど。
    でも、こっちにはラジカセで音楽鳴らしてるバカモンはいなかったです。^_^

登った山

大滝根山

大滝根山

1,192m

よく似たコース

大滝根山 福島県

多くの花を愛でながら登る阿武隈山地最高峰

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
2時間30分
難易度
★★
コース定数
11
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