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海から富士山 霊峰の慈悲 約束の地

富士山、宝永山( 関東)

パーティ: 1人 (鋸太郎 さん )

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行程・コース

天候

初日:9時半頃まで雨、時折豪雨。後晴れ。 二日目:午前中快晴、後晴れ

登山口へのアクセス

電車
その他: 往路:JR吉原駅
復路:富士宮表口五合目からバス

この登山記録の行程

【一日目】実測42km
吉原の海岸(テトラポットの中)(0:15)……富士塚(0:30)……吉原駅地下道(0:45)……左富士(1:05)……中継点(よもぎ湯)(3:15)……富士市森林組合(3:40)※雨宿り25分……中継点(ふじひのきパーク)(6:05)……中継点(表富士グリーンキャンプ場)(8:00)※雨宿り30分……旧料金ゲート(9:50)……ガラン沢(10:50)※休憩30分……御殿庭下(11:45)……御殿庭中(12:25)※休憩30分……山体観測装置(12:50)……宝永第一火口縁(13:10)……中継点(宝永山荘)(13:20)泊

【二日目】実測13km
宝永山荘(0:00)……御来光山荘(0:45)……山口山荘(1:15)※休憩10分……池田館(2:10)※休憩15分……万年雪山荘(2:45)※休憩15分……胸突山荘(3:20)※休憩10分……富士宮口山頂(浅間大社奥宮)(4:00)……朝日岳(4:05)※御来光40分……須走口(5:05)……剣ヶ峰(6:00)※撮影待ち20分……頂上富士館(6:30)……御殿場口下山道(6:40)……赤岩八合館(7:15)※休憩15分……大砂走り(7:55)……宝永山頂(8:15)……宝永山荘(8:55)※休憩10分……富士山表口五合目(9:15)

コース

総距離
約51.4km
累積標高差
上り約4,184m
下り約1,816m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

海から富士宮口経由で富士山に登ってきました。
往路は富士市が主催する「富士山登山ルート3776」
  
http://www.city.fuji.shizuoka.jp/fujijikan/enjoy/kb719c0000002n3y.html
  
のコースを踏み、復路はお鉢巡りを逆周りしたり大砂走りの途中から宝永山に寄ったりと、割と自由に歩きました。
  
初日は午前0時過ぎに吉原の海岸を出発し、富士塚から宝永山荘まで一気に行きましたが、登山道がようやく始まる旧料金ゲート付近までは雨が降ったり止んだり、時折豪雨でなかなか大変でした。
天気予報では毎時1ミリ程度とのことでしたが、所によってはバケツをひっくり返した様な雨に見舞われたのにはもう笑うしかありませんでした。
「富士山登山ルート3776」には「ルート3776」というスタンプラリーがありますが、濡らさずにハンコ押すのも苦労しました。道中雨宿りが出来る場所が全くなかったのも何気に辛かったです。何とかしちゃいましたけどね。
  
登山道に入る頃には予報通り雨も上がり、富士山の麓を気持ちよく歩く事ができました。帰宅して尚どこが一合目なのか二合目なのかよく分からないままですが、深みのあるコケはとても綺麗でしたし、ガラン沢付近の倒木での昼寝はきっと忘れないと思います。
  
二日目も0時出発。宝永山荘からこの時刻に出たのは自分一人でしたが、その後七合目、八合目と登っていくとそれぞれの山荘からの登山者が合流し、九合目を越す頃には渋滞を経験しました。
ですが御来光は無事に拝む事ができ、影富士や火口も存分に見る事が出来ました。初めての富士山でこんなにお接待して貰って良いものかとすら思いましたが、そもそも今回の山行は普段と目的が異なりましたので、初日の豪雨も手伝ってお情けを掛けてくれたのかも知れません。
  
山頂は快晴、ガスも風もなく、それでも夜明け前は肌寒く、寒さに鈍感な自分ですらライトシェルを羽織りました。
日が昇ればすぐに暑くなりますが、御来光を見たければ指先のためにミニカイロを用意しても良いかも知れません。
  
脱落者やバテて倒れこんでいる人多数。
高山病は別としまして、いきなり市民マラソン20kmコースにエントリーしちゃったみたいなものでしょうか。
富士山は年間二ヶ月しか登れませんからね、急ぐ気持ちも分かります。
ただ、思ったより大変な山でしたよ。
--------------------------------------------------------
【謝辞】
  
この方のブログがなかったら、歩いて挑めるとは思えませんでした。
  
一日の王「海抜0メートルから登る富士山」
http://blog.goo.ne.jp/taku6100/c/f41fdeb5f73a43999c6acac9f35714f5
  
この記事を読んでから愛鷹山・高尾山・蛭ヶ岳と練習を重ね、今回の富士山に至る事ができました。
感謝します。

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フォトギャラリー:90枚

少し前の、こんな風景が始まりでした。

2017/7/14 0:15 
吉原の海岸で悪戦苦闘。
ひとつ5mはあろうかと言う巨大なテトラポットの中に入り込んで、海抜0mを踏んでスタートです。

海から富士山に登るぞ!と意気込むのはいいんですが、のっけから雨。「ルート3776スタンプラリー」起点の富士塚はすぐに見つかりましたが、ハンコを押すにも一苦労でした。

ともあれ海岸で拾ったお供の小石と共に、旅の無事をお祈りして出発です。

吉原駅を横断するトンネル。ガスがかった雨で見つけるのに苦労しました。

街中ではこののぼりが道案内をしてくれます。

名勝・左富士。とは申されましても雨でガスで夜では。
今度きちんと見に来ます。

岳南鉄道・吉原本町駅です。
深夜でも電気を点けてくれているんですね。

東名・新東名と渡っていきますが、新東名を過ぎると一般道とは言え斜度がきつくなっていきます。

ようやくひとつ目の中継点、よもぎ湯に着きました。ちょっと迷いました。
ハンコは外にありますので自由に押せますが、やっぱり雨で一苦労。

ここから先は街灯もほとんどなくなりましたが、ガスがかった雨ではヘッドライトも余り役に立ちません。
更には雨脚が強くなってきたので、近くの事務所の軒先を借りました。

明るくなるのを見込んで再スタート。
雨は依然強く、道はナメ滝の如くです。

しばらくのぼりを見かけないなあ、などと思っていたら道路に直接書いてありました。
このアイディアは凄いですが、もっと数を増やしてくれてもいいかも知れません。

5時半過ぎにようやく雨が上がり、遂には青空が!
と思いましたが、これはこれで擬似好天でしたよ……。

中継点「ふじひのきパーク」です。
が、特にハンコもなく、台紙にも書かれていない不憫な中継点です。
ともあれ海抜950m。大分登って来ました。

もうね、排水溝が役を為していないんですよ。がぼがぼがぼ……。

視界もこんな感じ。 なんかもう、さあ好きに描くがいい!

ふじ山雨ロードと改名しなさい!

冷たい雨でないのがまだ救いでした。
7時前、まだ強烈に降っています。上半身はレインウェアで何とか無事ですが、下半身、特に靴はもうがぼがぼです。

村山古道が横断していました。
物凄くそそられたのですが、雨ですし、計画外なので我慢します。

頑張ってふたつ目の中継点、表富士グリーンキャンプ場です。
こちらもハンコは外にありますので自由に押せます。

一服させて貰おうかとフロントに行きましたが……。

それならそれで軒先を拝借。相変わらず雨が強いので、お店を広げて休憩です。

9時過ぎ、ようやく雨が上がりました。
雨量はまだしも、雨が上がる時刻はぴったりでした。前日までのウェザーニュース、スゲェ!

うさぎ注意!
こちらはかめの様な歩みです。背中を踏み台にする程度なら許します。

再び村山古道が横断します。
単純に考えると、この2点間だけでも村山古道を歩いた方が近いのですが、ハンコのためには生真面目に。

やっと出会えたお日さま。
それにしても強烈な雨でした。富士山に登るには、まず禊をしなさいと言われ続けている様でした。

標高1460mは御殿場口だともう五合目。
村山古道換算だと、ここは大体二合目くらいでしょうか。

旧料金ゲートです。マイカー規制の係の方にご挨拶。

9時間に渡る水垢離も済んで、いよいよ登山の開始です。
まずはガラン沢を目指します。

ゆるやかな斜面を歩いて行きます。

木漏れ日とコケがとても綺麗でした。

1時間程でガラン沢。ここからは段々「登山」になります。

近くに良さげな倒木を見つけ、靴も靴下も脱いで休憩しました。10分程スヌーピーの様な体勢で仮眠。我ながら器用。

御殿庭下。ガレと樹木のコントラストが確かに庭園を思わせます。
歩き応えが出てきます。

少しづつ樹が低くなり、ガレ・ザレが目立ってきます。
天気はもう文句のつけようが無い青空。

御殿庭中。お庭と言うからもう少しこじんまりとしたものかと思いきや、「下」から30分近く歩かされました。庭師大変だろうなあ。

ようやく拝顔できた富士山。
登っておいでと言っています。ああ、この山の前では誰もが子供だ。

遠くに宝永山荘。今日のゴールです。

宝永第一火口縁近く。
最後のザレ場が結構大変でした。

ようやく到着。30分遅れのスタートで予約の16時までに間に合うか勝負でしたが、途中のガスや雨が「休むな、歩け」と後押ししてくれたお陰もあって、13時間で到達。
とりあえず、ビールひと缶ください!!

受付の後、身体をウェットティッシュで吹いて軽く汗を落とし、着替えて夕食まで仮眠。
夕食のあともすぐに就寝。
とにかく疲れを取り、明日の3000m級超に耐えられる準備をします。

吉原の海岸からお供をさせた小石です。
スタンプラリーは一日で全部埋まりました。
後は山頂での顔写真だけです。

雨もガスも山にはつきもの。無事到着しましたから初日は及第点です。
ロングトレイルは高尾山で、夜間登山は愛鷹山や蛭ヶ岳で、雨中登山は三浦アルプスや小金沢連嶺で学ばせて貰ってきました。

二日目です。
ここ一番のナイトハイクにはいつも駆け付けてくれるお月さま。
夜間単独登山でも百人力です。
頑張って歩くよー!

森林限界の上ですので樹木で迷う事はありません。風・ガスさえなければ小まめな矢印ペイントとロープが身を守ってくれます。

長丁場ですからできるだけゆっくりと、そしてペースを乱さずに登っていきます。
1時間20分程で山口山荘着。人生初の3000m越えです。
少しづつ他の山荘から登山客が合流してきました。

池田館着。単純な標高なら、すでに山頂以外、ここより日本に高い場所はありません。

気圧でパンパンな自分の定番おやつ。
プロテインバーが自らビルドアップしてどうする。

ゆっくりと、だけど攻める気持ちを忘れずに。
左手首・右肘・右肩・右足首の武道の古傷は特に悪化の兆しなし。頭痛・吐き気等の高山病の兆しなし。息切れなし。歩けるぞ!

九合目、万年雪山荘に着きました。
歩くに連れて調子が上がってきます。前日の40km超の歩行は無謀に見えて、身体の隅々まで目覚めさせるにはプラスだった様です。それは蛭ヶ岳で学びました。

他の山荘と違い、万年雪山荘は深夜でも軽食・物販営業中でした。
ハイドレーションの水が残り1リットルを切りましたので補充しました。

途中都合40分休憩を挟み、九合五勺目からは渋滞に捕まりましたが、4時前に浅間大社奥宮着。
夜明け前の山頂神社は愛鷹山以来かな。

朝日岳に向かい、静かに日の出を待ちます。

御来光。
ついにここまで来れました。
見てるかな?
見えてるかな?

それではお鉢巡りに向かいます。富士宮口から朝日岳に向かった関係で逆周りとなりました。

富士山の火口。
ガスもなく、よく見渡せました。

須走口。一日休みを取っての土曜早朝でこの人数ですから、この三連休ではもっと混むでしょうね。

左手前に山中湖。そして丹沢山地。
この景色なら向こうからもよく見えているでしょう。
ああもう全力で手を振りたくなる!

6枚パノラマです。なだらかな稜線で判別が難しいですが、中央の谷の左隣、手前が大無間山、奥が不動岳です。右端で切れている山は光岳です。

左端は光岳。稜線を追って手前崩壊地(七面山)の右奥のピークは上河内岳。右にもう少し高く見えるピークが聖岳。なだらかなピークに見える赤石岳、小赤石岳と並び荒川岳、悪沢岳と続きます。

左端から荒川岳、悪沢岳。中央付近のピークは塩見岳。稜線を追って小さなコブに見える農鳥岳、すぐ右隣に雪の残る間ノ岳です。間の稜線のひとつ向こうには(左)木曽御嶽山(右)木曽駒ケ岳が見えます。

左端は間ノ岳、そして北岳です。谷を挟んでアサヨ峰、栗沢山。中央のトンガリ山は甲斐駒ケ岳です。

空中島の様な八ヶ岳です。左から編笠山、権現岳、険しいピーク(左)の阿弥陀岳、(右)の赤岳、そして横岳と続きます。
よく見るとその右奥に北アルプスが連なっています。

左端の小さなコブは瑞牆山、稜線に沿ってひとつ目のピークが金峰山、心持ち尖った朝日岳、谷をまたいで丸い国師ヶ岳です。少し低めのピークが東梓、分かりづらいですが富士見、ミズシと並んで甲武信ヶ岳、木賊山です。谷を挟んで破風山、東破風山です。

見事な影富士。
なんかもう、畏まってしまう程の歓待を受けています。

剣ヶ峰が見えてきました。
海から3700m超登ってきますと、多少のアップダウンなんて消費税以下です。
でもトコトコペース。

ここも万年雪かな?
ざくざくと。

富士山三角点。安倍奥東山稜北奥の、バラの段の三角点に匹敵する白さ。
三角点の素材は結構種類があるのかな?

行列の入れ替えの隙を突いて撮影。
真面目に待っていたら大変です。

ブレちゃいましたが、真の最高点。海からお供させた小石を奉納します。
近くで休んでいた外国人に Here is the highest place, not there. と教えたら大興奮。
外国人はノリが良くていいなあ。

愛鷹山と、その奥に伊豆半島・天城山。
登ったお山はどれも先生。手前にはぐりんぱ(旧日本ランド)が見えます。

さあ下山しましょう。
御殿場口から大砂走りを目指します。

お仕事中のブルドーザーです。

赤岩八合館で荷揚げ・荷下ろしをしていました。

折角なので一休み。

ココアを注文。ワンカップのコップに入って来るのが良い感じです。
あえて頼むならこれでしょ?
次点は甘酒かな。

さあ来ました大砂走り。
雪の唐松尾山の下山と感覚は似てるかな?

今日はまだまだ足は残っています。
ヒザも十分。楽しくて大笑いしながら駆け下りました。

大砂走りから宝永山を見ると大砂丘の様です。

途中で大砂走りから分かれて宝永山山頂へ。

これこそ富士山の大迫力!
縮小サイズで見えるか分かりませんが、右下の登山道に小さく小さく登山者が写っているのです。

思いがけずカモシカに見送って貰えました。
長かった富士詣も終りが近づきました。

宝永山荘に寄って「美女三人」に昨夜のお礼と無事登頂したことを伝えます。
お世話になりました。また来ます。

宝永山荘から表口五合目はすぐです。

バスに乗って富士宮からJRで帰ります。

見上げるとお月さま。今日は最後まで見守って貰いました。

「この病室から離れるの寂しいな」
「なんで?」
「富士山見えなくなるから」
「……富士山、好き?」
「もう無理だけど、登ってみたかったな」

富士山の見える山に沢山登って、場数を踏んで。色々あって時間もかかったけど。

写真を掲げて。約束の地。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ ツエルト
健康保険証 ホイッスル 医療品 熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー 非常食
行動食 テーピングテープ トレッキングポール GPS機器 ライター カップ
【その他】 風速計、モバイルバッテリー、予備ヘッドライト、ファブリーズ、ウェットティッシュ

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登った山

富士山

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3,776m

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