北海道分水嶺縦断の野村良太さんが植村直己冒険賞を受賞

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Yamakei Onlineで「積雪期単独北海道分水嶺縦断記」を連載中の登山ガイド、野村良太さん(28)が2022年の植村直己冒険賞(主催・兵庫県豊岡市)を受賞した。宗谷岬から襟裳岬まで、北海道の背骨といえる670kmの山稜を63日間かけて縦走した野村さんの記録は「前人未到」と評価された。日本国内の活動で受賞するのは1996年に始まった同賞でも初めてという。

宗谷岬を出発する野村良太さん

野村さんは大阪府豊中市出身で、北海道大学ワンダーフォーゲル部で本格的に登山を始めた。同部62代主将として活動し、卒部後の2019年2月には単独で積雪期の知床半島全山縦走(海別岳~知床岬12泊13日)に成功。同年3月にはやはり単独で日高山脈の積雪期全山縦走(日勝峠~襟裳岬16泊17日)を達成した。この二つの登山「史上初ワンシーズン知床・日高全山縦走」で、課外活動で優秀な成績をおさめた学生を称える北海道大学の表彰「北大えるむ賞」を受賞した。

卒業後は登山ガイドとして活動しながら北海道でスケールの大きな登山を続け、21年4月に襟裳岬から北上するプランで北海道分水嶺縦断に挑戦したが、途中で敗退。この失敗で計画を練り直し、2022年2〜4月、宗谷岬から南下するプランで積雪期単独北海道分水嶺縦断に成功した。

チトカニウシ山山頂にて

これまではヒマラヤや極地など、海外での活動を表彰してきた同賞。野村さんの登山は、独創的な発想で国内でもこれほど大きなチャレンジができるということを立証したほか、食料計画や計画の工夫が随所に見られ、冒険的な価値に優れるとして、選考委員の高い評価を受けた。

「峠で町を感じたときに、気持ちが切れそうになりましたが、そのような場所はできるだけ早く抜けて、山のなかに身を置くことを意識していました」と縦断を回想した野村さんは「今回の挑戦は仲間の力を借りることになりました。仲間のおかげで成功した挑戦であったと思います」と総括した。

受賞の喜びを語る野村さん

登山中の日記と回想文で分水嶺縦断をたどるYamakei Onlineでの連載はいよいよ日高山脈へとさしかかる。

 

関連リンク

積雪期単独北海道分水嶺縦断記
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/group.php?gid=113

 

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