大阪・金剛バス廃止で、金剛山地登山のアクセスに影響も

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大阪府富田林市、太子町、河南町、千早赤阪村で長年続いてきた金剛自動車のバス事業が、2023年12月20日をもって廃止されることが決まった。これを受けて、この4市町村では地域公共交通活性化協議会が設置され、廃止後の代替輸送などについて協議が重ねられている。11月16日には第4回目となる協議が行なわれ、新たな公共交通案などが固まりつつある。

金剛山地への登山にも利用されてきた金剛バス路線の今後は、登山者にとって気になるところであるが、登山口に向かういくつかの区間が廃止となる見込みだ。登山アクセスに利用されてきた路線のうち、現時点把握できたバス廃止予定の主な区間を以下の通り方面別にまとめた。

【岩橋山】
河内線平石行き・・・岩橋山西に位置する平石地区に向かう一部区間。

【大和葛城山・金剛山】
千早線水越峠行き・・・大和葛城山と金剛山の間に位置する水越峠へ向かう区間。

【金剛山】
千早線・・・金剛山南西側にある金剛登山口から千早ロープウェイ前までの区間。千早線の終着は金剛登山口までとなる。

金剛山地へのアクセスに影響が出る、バス廃止予定の区間

金剛山地へのアクセスに影響が出る、バス廃止予定の区間

この記事に登場する山

奈良県 / 生駒・金剛・和泉山地

金剛山・葛木岳 標高 1,125m

 金剛山は、大阪府の南東部に位置し、奈良県との県境にあって、金剛生駒国定公園に指定されている。これは標高の高さや山容の立派さによるが、史跡によるところも大きく、南北朝の楠木正成(くすのきまさしげ)にまつわる史跡で代表される。有名な千早城跡をはじめ、葛城神社、国見城跡、さらに修験道に関係ある転法輪寺もある。  山頂は杉の喬木に囲まれて昼なお暗く、厳粛な雰囲気を漂わせている。また、中腹から上の西側斜面は、巨大なブナの自然林に取り囲まれ、小鳥たちの楽園にもなっている。そのほか山中には、ヤマシャクヤクやクリンソウなどの草花も息づいている。  春から夏、そして秋にかけてはピクニックやハイキングに訪れる人が多く、冬になると、耐寒登山や霧氷見物に大勢の登山者が押し寄せ、夏以上に賑わいをみせる。それだけにコースも多彩で、バスは大阪府側が富田林と河内長野から、奈良県側は御所(ごせ)から出ている。また、ロープウェイが南側の展望台まで運んでくれる。大阪側の登山口から登頂し、奈良側の御所に下山する約5時間のコースが代表的。それに、二上山(にじようさん)、大和葛城山、金剛山を経て紀見峠に下る、健脚向のコースもある。

奈良県 大阪府 / 生駒・金剛・和泉山地

大和葛城山 標高 959m

 大和葛城山は金剛生駒国定公園のほぼ中央に位置し、古くは竹内峠から水越峠までの山脈全体の名称であった。今の葛城山は「天神山」の別称を持っている。そのいわれは、山頂東方の肩付近、ロープウェイの終点に「天神ノ森」と呼ばれるブナ林があり、天神社が祭られているからだという。  葛城山は山頂付近が草原状の広々とした台地となっており、一面ススキに覆われている。東面にはブナ林もあり、カタクリが赤紫色の花を散らすと、南面いっぱいに広がるツツジの群落が山を染める。  山腹には唐から帰国した空海が開いたと伝えられる「戒那千坊(かいなせんぼう)」跡の礎石や石垣など、史跡も多く残る。  葛城山ロープウェイを利用すれば労せずして(徒歩10分)山頂に立てる。歩いて登っても1時間40分ほどだ。

大阪府 奈良県 /

岩橋山 標高 658m

二上山と大和葛城山の間にある山。目立たない山だが、古代のロマンを感じさせる巨岩群を巡れるなど、登山には楽しみも多い山。 大阪府側からは、近鉄富田林駅から金剛バスを利用し平石から登るのが最短アクセスだが、バス便が極めて少ないので注意。2014年12月現在、午前は平日2便、土休日1便のみ。 岩橋山の南側山頂直下の分岐を西に少し下れば、「久米の岩橋」がある。ぜひ立ち寄りたい。

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