雪の少なかった昨年とは異なり、残雪がたっぷりあります。前爪のある10本爪以上のアイゼンやピッケルが必要です。
天気・気温
山と周辺の状況
本日は快晴。槍岳山荘周辺はまだ雪山同様で、氷雪の上を渡ってくる風はとても冷たく感じます。
6月に入っても、天気によっては降雪があったり、最低気温が氷点下くらいまで下がったりしています。
ライチョウはよく見かけます。
●槍ヶ岳山荘より 天気と周辺の様子
6/4は降雪。強風で体感だと風速30mはありそう。本当に立っていられませんでした。
一瞬晴れ間があり出てみると、穂先は白くガチガチに凍結していました。
山荘前で積雪は5~8センチくらいでしたが全て凍りスケートリンク状態でした。
6/5は寒い朝でした。
モップの毛先はガチガチに凍り、掃除用に貯めているドラム缶の水は凍り、トイレの床を水拭すれば、拭いたそばから
凍っていくほどでした。
スキーやスノーボードを担いで登ってきた方もありました。
夏の問い合わせも増えてきていますが、まだ冬の名残りが色濃く残る槍ヶ岳です。
6/6頃から日増しに天気は下り坂になりましたが、一雨ごとに雪解けが進み、草木の緑が濃くなり(綠はまだ稜線のずっと下です)、ライチョウのヒナが生まれて、見えないところで大きな変化が起きて梅雨明けとともに夏山がやってきます。
●槍沢山荘より 天気と周辺の様子
6/8は昨日に引き続き雨が降っておりますが、木々や苔達は水をまとってさらに美しく輝いておりました。
6/7は午後から小雨。18:15気温計は9℃。雨のせいか、空気はひんやりと感じますが、しっとりとしていてしばし深呼吸・・・いい気持ちです。
鳥のさえずりがよく聞こえます。これまた姿はなかなか見せませんが、小鳥たちはにぎやかです。
6/6は「槍見河原」(槍沢ロッヂから30分ほど下にある、槍が見える河原です)へ行ってきました。
小屋を出て少し下りた沢沿いにてタカネザクラが咲いていました。6月でもサクラが咲いております。
登山道沿いにでは
オオカメノキ
オオカメノキ
が白い花をたくさんつけていました。
足元には
ニリンソウ
ニリンソウ
なども咲いておりました。
ニリンソウ
ニリンソウ
は今の時期、そこら中にいっぱい咲いています。
二ノ俣の橋を越えて、一ノ俣の橋も越えて、あと少しというところで
スミレ
スミレ
も咲いていました。
槍見河原ではシロバナ
エンレイソウ
エンレイソウ
が咲いてしました。花が白くなかったら普通の
エンレイソウ
エンレイソウ
というそうです。
6/5 午前中は、スカッとした快晴だけど、正午を過ぎたあたりからもくもくと雲が湧きだす夏のような天となりました。天気は良いのですが、とても寒いです。ストーブ生活ともお別れかと思っていたんですが、ここ最近また寒くなってしまってストーブが無いと過ごせないくらいです。
槍沢山荘周辺の雪は消えましたが、少し上の大曲あたりでは、さらにぐっと気温が下がります。
●南岳山荘
6/4は晴れてはいるもののガスの多いいつもの南岳のお天気でしたが、日の入り近くなってようやく、周りの景色が姿を現し、綺麗な夕景がみられました。
昨日、今日と入山小屋開け前、最後の作業に行ってきましたが、小屋周りは先日の降雪で、積雪量が増えている所もあるくらいに、まだまだ残雪が多いです。
登山道の状況
槍ヶ岳登山はまだ雪山の状態です。
登山には最新情報を得て入山するようにしましょう。
●上高地側
・上高地~槍沢ロッジ~大曲まで(6/4の状況)
横尾~槍沢間はほぼ夏道
そこから槍への道は雪が沢山あります。この時期は判断が難しいところですが、木の間合いでしたり…雪解けによるクレパスだったり、落石だったりと危険な事も多くなりますので確実に慎重に歩いて下さい。
目印として旗竿がありますので、旗竿に沿って歩いて下さい。
沢の中央部は雪解けによって沢がかなり出てきて雪が薄くなってきまた。
古いトレースが残っている場合があり分かりずらいところもあります。注意して下さい。
旗竿がない所は「おかしい」と感じていただき沢には近寄らないでください。
落石もかなりあり、周囲を見渡し注意しながら歩いて下さい。
ババ平~大曲間の夏道を通れるのはもう少し先になりそうです。
ですが、かなりのスピードで雪も融けています。6/4に旗竿を直してきましたが、またすぐに差し直す必要もあるかと思います。
・大曲~槍ヶ岳(6/2の状況とほぼ変わりません)
大曲から急登となります。手前でアイゼンを履くとよいでしょう。
沢は割れてるので夏道近く側を選んで下さい。大曲から目印の旗竿があります。
傾斜が少しずつ強くなっていきます。雪崩の跡のデブリの間を慎重に歩いて下さい。
グリーンバンド、ハイマツ若干出てきましたが、一面の雪斜面。ほぼ雪の上になります。
早朝など気温により雪が硬くなります。特に下りは注意が必要です。
稜線まで急傾斜が続きます。
※早朝、稜線から下るには雪面がカチカチに凍結しています。アイゼンピッケルは必携です。
●稜線から槍の穂先 (6/2の状況)
夏道です。雪は少し乗っている程度で支障ありません。ハシゴもでています。
●飛騨側(5/26の状況)
槍平まで小屋はありません。8~9時間の雪上歩行が必要です。
ルートも一部わかりにくいところがあり、この時期の経験者やガイドとの同行をおすすめします。
●槍ヶ岳山荘から南岳方面(6/4、5の状況)
南岳山荘周辺では先日の降雪で、積雪量が増えている所もあるくらいに、まだまだ残雪が多いです。
各登山道も標高の低い所から少しづつ雪解けは進んでいるようですが、南岳に近いエリアはたっぷりの残雪が残っています。
ルートに関しては夏道はまだ出ていない所だらけで、通行はまだ厳しい状態です。
※南岳の小屋の営業開始は7月1日からですが、冬季小屋は利用可能です!
登山装備
槍ヶ岳登山にはの前爪のある10本以上のアイゼンやピッケルなど冬の雪山装備が基本です。
街はもう暖かいですがこちらはまだまだ寒く、まだ雪が降ります。
今の槍ヶ岳への登山には冬の装備が必要です。アイゼン、ピッケルをお忘れないように!
紫外線対策のサングラスや日焼け止めも必携です。
注意点
装備の油断なく、現地で最新情報を得るようにしましょう。
今年は昨年と比べて雪どけが遅れています。
融雪は進んでいますが、まだ雪山であることに変わりはありません。
晴天時に汗を掻いて山荘で登ってきても、すぐに体が冷え、フリースの上にダウンを着なくては凍えてしまうほどです。
まだまだ山の上は夏とは程遠い生活です。これから登られる方は、きちんとした装備でお越しください。
山に夏が来るのはまだまだ先のようです。
お知らせ
●槍岳山荘
http://www.yarigatake.co.jp/
●2017年系列小屋営業日
(※営業期間外の連絡は松本事務所へ)
・槍ヶ岳山荘 090-2641-1911
期間:2017年4月27日(木)~11月4日(土)
受付時間:7:00~20:00
・槍沢ロッヂ 0263-95-2626 または 090-3135-0003
期間:2017年4月27日(木)~11月4日(土)
受付時間:7:00~20:00
・南岳小屋 090-4524-9448
期間:2017年7月1日(土)~10月14日(土)
受付時間:7:00~20:00
・大天井ヒュッテ 090-1401-7884
期間:2017年7月1日(土)~10月14日(土)
受付時間:7:00~20:00
・岳沢小屋 090-2546-2100
期間:2017年4月27日(木)~11月4日(土)
受付時間:6:00~20:00
昨年の今頃の様子は?
営業4/27~(宿泊要予約)。予約受付中。4/27からの営業に向けて作業中です2023.04.21
営業スタート。本日は富士山まで見える快晴。昨日までの降雪と強風のため雪質に注意2023.04.27
昨日降雪(みぞれ)。槍ヶ岳へは前爪アイゼン+ピッケルが必須(チェーンスパイク、軽アイゼンは危険)2023.05.09
昨日降雪。雪山装備が基本。前爪アイゼン+ピッケル必須(チェーンスパイクや軽アイゼンは危険)2023.05.16
昨日降雪。雪山装備が基本。前爪アイゼン+ピッケル必須(チェーンスパイクや軽アイゼンは危険)2023.05.24
槍ヶ岳山荘周辺の過去の様子
槍ヶ岳山荘
- 現地連絡先:
- 090-2641-1911
- 電話番号:
- 0263-35-7200
- 連絡先住所:
- 長野県松本市埋橋1-7-2