美しいカタクリが見頃を迎えている山はここ! 3月下旬〜4月上旬におすすめの花の山3選

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暖かな陽光が春の訪れを感じさせる今日このごろ。山では、カタクリの花が咲き始めている。関東地方のカタクリの花期は例年3月下旬~4月上旬。見頃は1週間ほどで、年により前後するので、開花情報を確認して計画を立てたい。今回はカタクリなど春の山野草が咲く花の山を3山紹介する。

文=石丸哲也

シダレザクラ咲く古刹とカタクリ群生地から登る 仙元山(せんげんやま)/カタクリ、シダレザクラ、ニリンソウなど

埼玉県/299m
JR八高(はちこう)線小川町駅~西光寺(さいこうじ)~八宮(やみや)神社~みはらしの丘公園~仙元山~青山陸橋(西)交差点~小川町駅/日帰り2時間55分
カタクリの花の見ごろ:3月下旬~4月上旬

カタクリとニリンソウの里の群生
カタクリとニリンソウの里の花畑

和紙の里、武蔵の小京都などと呼ばれる小川町の里山。小川町駅から近く、手軽に登れて、2カ所あるカタクリ群生地がみごと。全国のカタクリの名所と比べてあまり知られていないので、静かに花観察を楽しめるのもうれしい。

小川町駅から南へ進んで国道254号を東へ。八高線のガードをくぐり、兜(かぶと)川を対岸に渡ると第1の群生地、カタクリとオオムラサキの林に着く。斜面に咲くカタクリをめで、西光寺に着けば楼門のかたわらにシダレザクラが咲く。東へ進むと第2の群生地で規模が大きいカタクリとニリンソウの里に入る。群生地から、さらに東へ山裾を回りこんで八宮神社から登山道に入る。なだらかな尾根を巻くように登り、林道に出合ったら右へ進めば見晴らしの丘公園だ。名前のとおり眺めがよく、ローラー滑り台やアスレチックがあり、家族連れに人気だ。尾根を道なりに登って仙元山山頂に着けば北側の展望が開ける。帰りは少し戻り、1860(万延元)年造立の百庚申(ひゃくこうしん)石碑を見て下る。住宅地に出たら里道を小川町駅へ。

カタクリとオオムラサキの林のカタクリ群生
カタクリとオオムラサキの林のカタクリの群生
西光寺の特徴的な楼門とシダレザクラ
西光寺の特徴的な楼門とシダレザクラ

MAP&DATA

仙元山周辺の地図
ヤマタイムで周辺の地図を見る

山行アドバイス

指導標や登山道はおおむねよく整備されている。見晴らしの丘公園から仙元山山頂へは、八宮神社方面へ少し戻って遊歩道を登ってもよいが、ローラーすべり台の傍らの山道を登ると近道できる。カタクリの花期は例年3月下旬~4月上旬。同じころにヤマエンゴサクやムラサキケマン、西光寺のシダレザクラ、少し遅れてニリンソウやヤマザクラなどが咲く。4月中旬~下旬は新緑がきれい。

山麓情報

小川町駅前に2021年、小川町観光案内所むすびめがオープンしている。元料亭の建物をリニューアルしたもので、観光の相談、観光パンフレットの配布、特産の和紙製品や工芸品の直売などを行なっている。道の駅おがわまち・埼玉伝統工芸会館はリニューアル工事のため休館中。2025年4月再開予定。

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この記事に登場する山

栃木県 /

三毳山 標高 229m

栃木県南端、東北自動車道の佐野SA近くにある三毳山は、近年はみかも山公園として整備され、ファミリーにも親しまれる山だ。関東平野に浮かぶようにそびえる山容は美しい。 三毳神社からかたくりの里までを縦走するのが一般的で、約1時間40分のハイキングが楽しめる。山頂からの眺望も良く、関東平野が一望できる。

埼玉県 /

仙元山 標高 299m

東京・池袋が起点の東武東上線に乗り、「武蔵の小京都」と呼ばれる小川町に向かうと、左前方に門番のごとく現れる山が仙元山だ。北面は公園として整備され、近隣のマイカー客で賑わう。 山頂付近は静かな木立に包まれていいて、展望は木立の間から小川町市街と榛名山方面を眺めるのみとなっている。展望は中腹にある見晴らしの丘公園の展望台からが良い。 3月下旬のカタクリ、4月のサクラやシダレザクラ、5月上旬のヤマツツジと花の山としても楽しめる。

東京都 神奈川県 /

草戸山 標高 364m

ハイカーで賑わう高尾山の南側に位置する山で、登山口は高尾山と同じだが、こちらは静かな山旅が楽しめる。 山頂からは丹沢の山並みや、眼下の城山湖が美しい。

プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

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