美しいカタクリが見頃を迎えている山はここ! 3月下旬〜4月上旬におすすめの花の山3選

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暖かな陽光が春の訪れを感じさせる今日このごろ。山では、カタクリの花が咲き始めている。関東地方のカタクリの花期は例年3月下旬~4月上旬。見頃は1週間ほどで、年により前後するので、開花情報を確認して計画を立てたい。今回はカタクリなど春の山野草が咲く花の山を3山紹介する。

文=石丸哲也

高尾山に隣り合う里山で春の妖精たちに会う 草戸山(くさどやま)/カタクリ、花桃、ツツジ、ニリンソウなど

東京都・神奈川県/364m
城山かたくりの里~城山湖~草戸山~三沢(みさわ)峠~梅の木平~京王電鉄高尾(たかお)線高尾山口駅/日帰り3時間30分
カタクリの花の見ごろ:3月下旬~4月上旬

城山かたくりの里の早咲き桜と花桃のつぼみ
城山かたくりの里の早咲き桜と開き始めた花桃の花

高尾山の南東に頭をもたげる里山。京王線高尾山口駅から周回、南高尾セブンサミッツの縦走で歩かれることが多いが、春は神奈川県側から東京都側へ横断したい。コース上にカタクリなどの花の名所があるからだ。

スタートの城山かたくりの里は民地に30万株というカタクリ群生のほか、多種類の花木や山野草が植えられ、さまざまなツツジや桜、花桃、コブシ、フクジュソウなど百花繚乱。見学を終えたら宝泉寺の西側から丘陵に登る。金刀比羅宮下の車道を右へとり、城山湖の本沢ダムを渡って、ひと登りで草戸山山頂だ。

南西の尾根に入り、榎窪(えのくぼ)山直下で右へ巻いて、三沢峠から北側へ下る。谷沿いの道にはカタクリよりやや遅れてニリンソウなどが咲く。ニリンソウは西隣の西山峠からの下山道のほうが花が多い。梅の木平の小坂家裏山ではカタクリとともにヤマエンゴサクやフキノトウ、その後、ヤマブキソウが咲く。梅の木平からは国道20号を高尾山口駅へ。

城山かたくりの里のカタクリ
城山かたくりの里のカタクリ
登山道沿いのニリンソウの群生
下山道沿いのニリンソウの群生

MAP&DATA

草戸山周辺の地図
ヤマタイムで周辺の地図を見る

山行アドバイス

登山道は歩きやすいが、一部、急な階段あり。開園期間中は城山かたくりの里行き直行バスがあるが、路線バスの城山総合事務所入口からも歩ける。徒歩約25分。マイカーの場合は草戸山から城山湖を一周して、かたくりの里へ戻るとよい。城山かたくりの里は例年3月中旬~4月中旬開園。カタクリは3月下旬~4月上旬。同じころに早咲きの桜、アケボノツツジ、ヒカゲツツジ、少し遅れて花桃、黄花カタクリなどが咲く。4月中旬~下旬は新緑が見頃となる。

山麓情報

高尾山口駅手前の高尾599ミュージアムは高尾山の自然を学べる展示やカフェ、ミュージアムショップがある。北側の京王高尾山温泉 極楽湯は地下1000mから湧く天然温泉が岩組みの露天風呂や檜風呂の内湯を満たし、食事処やボディケア施設も併設。ケーブルカー清滝駅にかけて蕎麦店や土産物店が並ぶ。

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この記事に登場する山

栃木県 /

三毳山 標高 229m

栃木県南端、東北自動車道の佐野SA近くにある三毳山は、近年はみかも山公園として整備され、ファミリーにも親しまれる山だ。関東平野に浮かぶようにそびえる山容は美しい。 三毳神社からかたくりの里までを縦走するのが一般的で、約1時間40分のハイキングが楽しめる。山頂からの眺望も良く、関東平野が一望できる。

埼玉県 /

仙元山 標高 299m

東京・池袋が起点の東武東上線に乗り、「武蔵の小京都」と呼ばれる小川町に向かうと、左前方に門番のごとく現れる山が仙元山だ。北面は公園として整備され、近隣のマイカー客で賑わう。 山頂付近は静かな木立に包まれていいて、展望は木立の間から小川町市街と榛名山方面を眺めるのみとなっている。展望は中腹にある見晴らしの丘公園の展望台からが良い。 3月下旬のカタクリ、4月のサクラやシダレザクラ、5月上旬のヤマツツジと花の山としても楽しめる。

東京都 神奈川県 /

草戸山 標高 364m

ハイカーで賑わう高尾山の南側に位置する山で、登山口は高尾山と同じだが、こちらは静かな山旅が楽しめる。 山頂からは丹沢の山並みや、眼下の城山湖が美しい。

プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

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