行程・コース
天候
快晴
登山口へのアクセス
バス
その他:
(行き)奥多摩駅から奥20東日原行きバス 8:33増発
(帰り)川乗橋BSから奥多摩駅まで16:29
この登山記録の行程
東日原 9:02 ・・・一杯水避難小屋 11:03・・・三ツドッケ折り返し分岐11:31・・・三ツドッケ 11:47 11:57・・・一杯水避難小屋 12:33 12:57・・・蕎麦粒山14:17・・・鳥屋戸尾根分岐 14:26・・・林道出会い14:58・・・川乗谷への分岐15:25・・・細倉橋 15:58・・・川乗橋16:23
蕎麦粒山ー三ツドッケ間は正規登山ルートから外れて、尾根伝いの踏み跡を辿っています。
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
今年はシロヤシオの当たり年だと聞き、三ツドッケ(天目山)から蕎麦粒山を登ってきた。奥多摩のさらに奥、長沢背稜に群生して咲くツツジは、期待を大きく上回る素晴らしいものだった。
<シロヤシオに恋をする>
出戻り登山者は、数年前に丹沢の稜線で予期せぬ満開のシロヤシオに出会った時に恋に落ちてしまったのだ。園芸品種の白いツツジとは違う、透明感のある白は清楚な気品に満ちている。以来、この季節になると落ち着かない。それまでは花を目当てに山に登るなどということはなかった。しかも、毎年たくさん咲くわけではないというところが気をもたせるではないか。
先週は、残雪のアルプスに登るか、見頃を迎えているだろうシロヤシオを目当てに登るか苦しい決断を迫られたが、今週もまだシロヤシオに間に合うかもしれないという。しかも今年は大変な当たり年らしい。西丹沢の檜洞丸周辺が出戻り登山者のお気に入りだが、ここは有名でこの時期は登山道も混み合い、ゆっくり逢瀬を楽しむには工夫がいる。ところが「いっきさん」の記録によれば、長沢背稜のシロヤシオがすごいとのこと。行ったことがないところだし、あまり記録もないようなので人も少ないかもしれないと早速出かけた(「いっきさん」には今週末に行かないと見頃を過ぎるかもと追加のコメントもいただいた、ありがとうございます)。
<圧巻のシロヤシオ、ミツバツツジ>
5月の好天の週末とあって奥多摩駅は驚くほどの人出。東日原行きのバスも増便が何本も出たようだが、車内は満杯。だが、ほとんどの方が途中の川乗橋で下車、東日原バス停からヨコスズ尾根に向かう人はさらに少ない。人が少ないのは目論見通り。この尾根は出だしから杉の植林の間を急登。たちまちふくらはぎが張ってくる。やがて傾斜が緩んでくると、ブナやミズナラなどの素晴らしい新緑に包まれ、ハルゼミが賑やかだ。標高1250mあたりからミツバツツジがちらほら、でも盛りは過ぎている。1380mあたりからはシロヤシオが咲いているが、花も落ちているし、こちらも盛りは過ぎている。それでも今日の最高地点三ツドッケ(1576m)までは標高差もあるし、まだ間に合うかもしれないと登る。
標高を上げるにつれて徐々にツツジが増えてくる。一杯水避難小屋に到着。だが、休まず先を急ぐ。まず小屋を右手に見ながら三ツドッケを巻く道を進む。すごい!登山道を覆い尽くすかのようにミツバツツジやシロヤシオ、それにまだ蕾も目立つヤマツツジが咲き誇っている。山頂に向かう分岐から折り返して三ツドッケに向かうと、すごい!(以下同文、語彙が乏しくてすみません)。三ツドッケは、別名、天目山とされ山頂にも天目山との標識がかけてあった。ここからの眺望が、また素晴らしい。なるほど三ツドッケ(三つの突起)という名前はここからつけられたのかなと想像させる顕著な尖峰が山頂から二つ連なっている。清々しい風も気持ちいい。ただ、羽虫がたくさんいてうるさいので、虫よけ対策を。
三ツドッケのピークは上りも下りも傾斜がかなりきついが、紅白のツツジの中を下る。シロヤシオやミツバツツジのあまりの咲きっぷりに、圧倒されっぱなし。憧れの美女を前に落ち着きを失ってしまって、彼女の美しさをどう切り取ればいいのかわからず、ただカメラのシャッターを切り続けるだけだ。後ろ髪引かれる思いで進み、避難小屋の前で昼食をとっていると、思いの外時間を食っていることに気づく。そりゃあそうだよな。
<長沢背稜の北側はすごい、ただし自己責任で>
蕎麦粒山に向かう。登山道は長沢背稜の稜線を南側(東京都)に巻くようにつけられていて、緩やかでとても歩きやすい。急ぎ足だ。だが・・・ふと、北側の稜線を見上げれば、何やら見えるではないか。恋い焦がれる男は、鼻も効くのである。そういえば「いっきさん」の記録にも尾根伝いに歩けとあったような・・・。登山道を外れて稜線に出てみる。言葉を失うほどのシロヤシオ。稜線の北側(埼玉県)を埋め尽くすように延々と咲いている。同じことを考える人はいるようで、稜線にも踏み跡が付いている(これは正規の登山道から外れる行為です。当然アップダウンが多く、痩せているところ、切り立った箇所もあり、危険を伴います)。足元には特徴的なゴヨウツツジ(シロヤシオ)の若葉があちこちから生えている。ツツジの王国に足を踏み入れていたのかもしれない。仙元峠まで、延々とこんな感じ。
蕎麦粒山から川乗橋を目指して下る。夢見心地であったが、バスの時間も気になり始める。以前来た時には通行止だった川乗谷のコースも歩けると聞いていたので、時間は気になるが林道から谷に下りる。細倉橋にたどり着いたら、急げば一本前のバスに間に合うかもしれないタイミング。林道を小走りに下る。間に合った!温泉には入れず、走ったために筋肉痛になりそうだけれども、今日は満ち足りた1日だった。
コースそのものは、急傾斜があるものの、歩きやすい。人も少ないので、静かな山歩きが楽しめる。ただ、奥多摩全般に言えることだろうが、作業道なども縦横にある。分岐では注意を払い、道迷いを防ごう。ルート定数は36.6で1日の行程としては少々きつく、健脚向き。正規の登山道に従う限りは危険箇所はなく、主観的なグレード4B。
<追記>
長沢背稜は素晴らしいと知人からも聞いていたが、これまで縁がなかった。これだけブナやミズナラ、楓、ツツジが生えているのだ、秋の紅葉も素晴らしいに違いない。通いつめなければならない場所が、また一つできたようです。
みんなのコメント