雪山登山入門・ステップアップは八ヶ岳がおすすめ! 初級から上級まで7コース

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八ヶ岳はさまざまなレベルのルートがあり、晴天率がよいことからも、雪山登山に人気の山域だ。そんな八ヶ岳のレベル別おすすめルートを紹介する。

目次

【初級】高見石・白駒池 凍結した白駒池の上を歩く

高見石~白駒池周辺は、北八ヶ岳の冬の美しさを凝縮したような場所で、雪山の魅力を存分に楽しめる場所だ。氷結して雪原へと変わる白駒池、なだらかな雪の斜面、雪を被って樹氷と化した樹木と、雪山の美しさをひと通り楽しめる。

凍結した白駒池の上をハイキング!(写真=masapさんの登山記録より)

コース途中には通年営業の山小屋もあり安心だ。高見石小屋および白駒荘、青苔荘、麦草ヒュッテと多くの山小屋が営業している。(営業日時には注意)

登山口となる渋ノ湯からの登山道には登山者も多く、トレースも期待できる。初心者が初めて雪山で過ごす場所には安心できる山域だ。

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行程・コース

最適日数:1泊2日 5時間57分
総歩行距離:10,859m /上り標高: 798m 下り標高: 798m
行程:【1日目】
渋ノ湯(08:00)・・・賽ノ河原地蔵(09:30)・・・高見石(10:10)

【2日目】
高見石(07:00)・・・白駒荘(07:25)・・・白駒池北岸(07:35)・・・白駒池分岐(07:40)・・・麦草峠(08:12)・・・丸山(09:02)・・・高見石(09:17)・・・賽ノ河原地蔵(09:47)・・・渋ノ湯(10:47)
高低図
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関連する登山記録

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この記事に登場する山

長野県 / 霧ヶ峰

横岳 標高 2,480m

 天祥寺原を挟んで蓼科山と対峙する北八ヶ岳の横岳は、主脈の横岳と区別するために「北横岳」と呼ばれている。長野県茅野市と同南佐久郡佐久町(現・佐久穂町)の境に位置し、根張りのある堂々とした山容をもっている。山頂は二峰に分かれ、2480mの北峰には脩那羅大天武(しよならだいてんむ)が祭られ、南峰には2473mの三等三角点がある。  眺望は南峰が優れており、八ヶ岳主脈の山々が直線的に重なり合い、諏訪側に長く引いた裾野の広がりも見事である。はるかに北アルプスの連山も望見できる。  山頂部にはハイマツ、シャクナゲ、シラビソなどが多く、東面にある三ツ岳への岩海のルートには、シャクナゲをはじめコケモモやシラタマノキなどが見られる。  坪庭から1時間強、親湯から亀甲池経由4時間30分、大河原峠から双子池を経て3時間30分の行程である。

長野県 / 八ヶ岳

天狗岳 標高 2,646m

 天狗岳は東西二峰からなり、東天狗岳にある天狗岩と呼ぶ岩塔を天狗の鼻に見立てた山名と考えられる。東天狗岳は、長野県茅野市と同南佐久郡小海町の境に位置している。縦走路上にある東天狗岳は男性的にそびえ立っているが、縦走路から外れた西天狗岳は2646mの二等三角点をもつものの、その山容はずんぐりとしており、西尾根が唐沢鉱泉へと下っている。また、北側の黒百合平との間にある天狗ノ奥庭は、摺鉢池をはじめ点在するいくつかの小池とハイマツやコケモモ、ミネズオウなどに彩られた別天地である。  佐久側に東壁と呼ばれる大断崖をもつ東天狗岳の展望は、硫黄岳の火口壁、北アルプスをはじめ北八ヶ岳の山と森のうねりを、太古の眠りそのままに望見することができる。また、周囲には根石岳、箕冠山、稲子岳がある。東天狗岳と根石岳の鞍部は、白い砂に緑のハイマツが映える広々とした所で、南東に「白砂新道」が本沢温泉へ延びている。  渋ノ湯から4時間弱、唐沢鉱泉からも4時間弱、稲子湯から4時間強、本沢温泉から白砂新道を経て4時間の行程。東西二峰の往復は各20分である。

長野県 山梨県 / 八ヶ岳

赤岳 標高 2,899m

 赤岳は八ヶ岳連峰の最高峰で、長野県茅野市、南佐久郡南牧村、山梨北巨摩郡大泉村(現・北杜市)との境に位置している。山頂は赤岳頂上山荘のある北峰と、一等三角点がある南峰とに、わずかな距離をおいて分かれている。北峰からは県界尾根が、南峰の南にある竜頭峰からは真教寺尾根が、ともに山梨県側へ延び、縦走路は南方はキレットを経て権現岳へ、北方は横岳へと連続し、西方は中岳を経て阿弥陀岳へのルートも通じている。  その山容は南麓の長坂方面から仰ぐと、ヨーロッパ・アルプスのアイガーに似て、勇壮そのものである。  近代登山の始まりについては別項で触れたが、それ以前の記録としては、明治26年(1893)に陸地測量部の館潔彦が一等三角点を赤岳に選点し、同28年には山崎直方が火山調査のために赤岳に登り、その成果は震災予防調査会報告として発表されている。  赤岳という山名は、酸化鉄による赤い岩肌からきたもので、早朝や夕映えの輝きはひときわ美しいものがある。  山梨側は山頂直下まで緑のハイマツ帯が迫り、諏訪側はイワツバメが舞う、赤岳西壁と呼ばれる岩場となっている。また、南峰から竜頭峰にかけては、鎖場のある鋭い岩稜が続く。  ひとたびその山頂に立てば展望は360度、本邦中央部の山岳をほとんど手中にできる。権現岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、天狗岳、蓼科山などの近景をはじめ、南・中央・北の各アルプスから上信越の山々、浅間山、奥秩父、富士山と、大パノラマが展開する。  赤岳は、かつて赤岳大神とも呼ばれて人々の信仰を集めていた。柳川南沢の源頭にあたる行者小屋は、昔、赤岳神社の社務所だった所で、夏期には行者が居住していたという。祭神は大山祗命(おおやまずみのみこと)とその娘、岩長姫命(いわながひめのみこと)である。  一般的な登路としては、諏訪側の美濃戸口から柳川南沢を登り行者小屋から地蔵尾根ルート5時間、同じく行者小屋から中岳経由5時間、清里から県界尾根ルート6時間30分、同真教寺尾根ルート6時間弱、縦走路は権現岳からキレットを経て2時間30分、硫黄岳から横岳を経て3時間強の行程である。また、中岳を経て阿弥陀岳への所要時間は1時間強である。美ノ森山との標高差は1356m、幕営指定地のある行者小屋とは550m、キレットとは440mの標高差がある。

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