ユーモラスな語り口でしくみを説く『富士山はいつ噴火するのか? 火山のしくみとその不思議』【書評】 専門書が苦手な人も、本書を知見とユーモアがある友人だと思って気楽に手にとってみてほしい。 2022.10.19
山小屋の静寂と友との語らい、四季の美『フォンターネ 山小屋の生活』【書評】 小説を書けなくなった男はモンテローザに近い標高1900mの山小屋で一人暮らしを始める。小屋周りの情景描写、牧羊犬とのふれあいなど、いろいろなエピソードが満載だ。でも、男がかけがえのない2人の友を語る話のほうに、より心惹かれる。 2022.10.02
文と写真でブナ林の神髄に迫る『ブナ林からの贈りもの』【書評】 1993年刊行、文庫版で再刊された本書には、画家の故・熊谷榧さんが全国9カ所のブナ林を訪れた紀行文が収められている。現地に暮らす、山に精通した人々との心温まる交流を通じて、未来に残すべきブナ林の恵みの豊かさを訴えている。 2022.09.24
屋久島の大決戦!『屋久島トワイライト』【書評】 屋久島で繰り広げられる一大活劇に往年の東宝特撮のタイトルを思い浮かべてしまった。舞台は洋上のアルプスと呼称される屋久島である。島でありながら人を寄せ付けぬ深山の存在、そこには妖しのモノ達が潜んでいるのだ。 2022.09.18
山に詳しい医師が体の悩みを解決する方法をアドバイス『登山のダメージ&体のトラブル解決法』 登山中のトラブルには、膝痛、熱中症や高山病、虫刺されや凍傷、さらに最近では急な心臓疾患など多岐にわたる。本書では、トラブルを抱えている人だけではなく、これから起こるかもしれない人にとっても、参考になるアドバイスが盛り込まれている。 2022.09.09
日光のさまざまな魅力に触れる『日光ハイキング案内』【書評】 『日光』という地名から、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。荘厳な寺社の建築物。山頂から見下ろす雄大な風景。湖でやっと釣り上げた憧れの魚……。 2022.09.06
“推し”にキュンとする野鳥観察『なつのやまのとり』【書評】 山や森で鳥に出会うたび、いつも心が踊る。けれど声や姿から鳥の種類を見分けるにはハードルが高く、もどかしさをずっと抱えていた。でも、『なつのやまのとり』を読み始めると、なぜだろう、まだ実際に鳥たちを観察できたわけでもないのに、すでに鳥とすこし仲良くなれた気分になっている。 2022.08.30
他人事ではない生還へのヒント『山はおそろしい 必ず生きて帰る! 事故から学ぶ山岳遭難』【書評】 山での遭難といえば、道迷い、転・滑落、雪崩などを連想する方が多いと思うが、過去の常識では考えられない「まさか」ということが近年の山では起きている。本書では数々の「まさか」が紹介され、興味深い事例がいくつか取り上げられており、あらためて山に存在する隠れたリスクについて考えさせられた。 2022.08.23