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こんな日は降りちゃいけない医王山・とんび岩の鎖場

前山、医王山(白兀山)、奥医王山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 4人 (Yamakaeru さん 、ほか3名)

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行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビに医王山スポーツセンターをセット。医王山スポーツセンターの駐車場を利用する方もいるようであるが、今回は、そこから少し上がったところの登山口(見上峠)にある駐車場を利用する、無料で5台程度は駐車可能。トイレはあるがあまり清潔ではない。水は流れない。
もっともキャンプ場など更に上には駐車場はいっぱいある。

この登山記録の行程

見上峠・登山口(07:19)・・・医王の里(07:38)・・・西尾平・・・前山・・・シガラ首・・・覗休憩所(08:34)・・・とんび岩(08:57)・・・三蛇ヶ滝(09:48)・・・大沼・大池平(10:08)・・・白兀山(11:01)・・・夕霧峠(11:35)(昼食~12:19)・・・見返りの大杉(12:25)・・・竜神池(12:30)・・・奥医王山(12:40)・・・小原尾根・・・小原登山口(13:52)・・・林道・・・菱池小原町・・・小菱池町・・・見上峠・登山口(14:30)

コース

総距離
約16.4km
累積標高差
上り約1,437m
下り約1,437m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

悪天候により遠征を諦めた代わりに、以前から気になっていた医王山にやってきた。
医王山は、石川県金沢市と富山県南砺市にまたがる山塊を指す総称で、医王山という名の山はない。ただし、一般的に医王山と言った場合、白兀山(896m)を指す。山塊の中で一番高い山は奥医王山。標高939.1mで一等三角点が設置されている。
医王山は日本三百名山であり、花の百名山でもある。医王山の名前の由来はいくつかあるようであるが、薬草がよく採れた山らしく、実際歩いていても植物がとても豊富な山だ。

今日は連休の中でもっとも快晴との天気予報に乗っかり、車を飛ばしてやってきた。が、確かに金沢まではいい感じだったのに、山に近づくにつれて次第に曇天となり、登山口の周辺に着くころにはすっかり霧の世界になっていた。

めげずに準備を整えて、いざ出発。
見上峠から登山道に入る。が、登り始めて直ぐに林道と何度もクロスするし、キャンプ場をすり抜け、朝ご飯を作っている家族キャンパーに挨拶と、なんだかちっとも登山らしくない。医王山はファミリーにも人気とあったがこういうことか?!今日は天気も悪いし、きっと散策で終わってしまうのか?と正直落胆しつつ歩く。
登山道も急な場所はなくほぼ水平方向で、覗休憩所まで簡単に着いてしまった。せっかく「覗」の名前がついているにに、相変わらずの濃霧で何も見えない。
覗休憩所からは地蔵峠を目指し、途中から右に折れて大沼を目指すルートとする。いや、時間に余裕があれば地蔵峠まで行くか、なんて会話しながらスタート。
程なくして、コースがやっと山歩きらしい登山道になってきた。両脇が切り立った痩せた尾根を、岩の間をすり抜けつつ進む。気分も持ち直して軽快な足取りで進む。気になったのが、青というか緑というか実に特徴的な色をした岩が点在していた。後で知ったが、緑色凝灰岩( グリーンタフ)」といわれるもので、漢字の通り約2,000万年ほど前の火山噴火から出た火山灰が凝縮されてできた岩らしい。確かにもろく、触ると指の力で簡単に砕けた。
と、眼下に綺麗な池が見えた。森の中にぽっかり浮かぶ小さな池。とても美しい。角度を変えて二、三枚写真を撮る。ふと、先を進もうとしたら目の前に大きな岩が現れた。
さすがに見間違うことのない、特徴的な形。とんび岩だ?!
じゃ、見えていた小さな池は大沼か?!
恥ずかしながらここで初めて、覗休憩所からルートを間違えていたことに気が付く。
霧のせいで道を見落とした、、、ことにしておこう。
しかし、ここで大きな問題と直面する。とんび岩のすぐ脇から登山道が崖のようになっていて、真新しい鎖が延びているが先が見えない。。。。
医王山の情報はパンフレットレベルでしか学習してこなかったが、確か、鎖場の危険な場所もあるとか書いてあった。これがそうか。
なるほど、なかなかの鎖場のようだ。いったん覗休憩所まで戻るか、降り切ってしまうかを判断するため、まずは自分だけ降りてみる。昨日の雨と霧のため岩が湿っていてとても滑りやすい。肝心の鎖さえ、気を抜くと手が滑ってしまう。これは、引き返すと判断すべきか?!と考えていたら時すでに遅し。皆が待ちくたびれて降りてきてしまった。
うーーん。まぁ、ゆっくり降るか。。。。
と言うことで、なるべく滑らないように、足がかりのしっかりしたところを選びながら降っていく。以前、真冬に氷瀑が見たくて凍った垂直の鎖場を降りたことがあったが、それよりはましかな。しかし、医王山の鎖場もなかなか、想像以上に長く危険だった。降りても降りても次の鎖が出現する。特にこんな滑りやすい日に、はやり降りるものではないと深く反省。幸い、山にはなれたメンバー。ワイワイ言いながら降っているうちに無事、安定した場所までケガもなく降り切ることが出来た。

滝の音が聞こえる。ロケーションからして三蛇ヶ滝だ。登山道を降っていくと数分で河原に出た。目の前には思っていた以上に立派な滝が流れ落ちしぶきを上げていた。紅葉&青空であれば、さぞ綺麗なことだろう。

三蛇ヶ滝から、とんび岩から見下ろした大沼を目指す。大沼への道は、いったん戻ったところにある。さっきは、滝めがけて駆け降りたため気が付かなかったが、看板がひっそりあって、分岐から道が延びていた。
意外に急な登坂を抜けると大池平。ススキの穂の間から、さほど大きくはないが存在感のある大沼が見えた。少し色づいた葉が池に写りこんでいる。
池を見上げると断崖絶壁の上にとんび岩らしいものが見える。下からではあの特徴的な形は見えないようだ。

大沼から、九十九折で再び峰の方に登る。来た道を少し戻って、覗乗越から白兀道に入る。いよいよ白兀山を目指す。白兀山に着く頃には、青空も見えるだろうか。。。。
医王山は綺麗なブナ林が多い。ガスがかかったブナの森を抜けていく。
森を抜けて禿げた斜面に出たらもう山頂は近い。一瞬、ここが山頂かと思ったが、実際の山頂はもう1分ほど先にある。
山頂でしばし休憩。展望台が設置されていたので登ってみた。残念ながら祈りは届かず、白兀山の山頂も変わらず濃霧の中だったが、晴れていればきっと最高の眺望が見えたのだろう。

まだお昼ご飯には若干早かったため、夕霧峠まで足を延ばす。
突然、登山道が切れて林道と合流する。夕霧峠は、イオックス・アローザというスキー場のリフト頂上にあたる場所のようで、大きな展望台が設置されていた。

ここに来てようやく青空が見えてきた。さっきまで何も見えなかったが、スキー場の下には稲刈りを終えた田んぼや集落。反対側は、金沢の市街地。そして遠くには青い海も見える。

ぽかぽか日差しの下、昼食をとる。

ゆっくり休憩をとってと登山再開。最後の目的地は今回もっとも高い奥医王山(標高939.1m)。スタート再開直後に立ちはだかるは288段の階段。まずはこれをやっつけなければならない。
山の階段は歩幅がまちまちなため、これが結構シンドイ。さっきまで待ちに待った太陽が逆にここに来ては暑くてたまらない。大汗をかきながら階段を駆け上がる。
階段を登り切ったところに見返りの大杉というポイントがある。実際に行ってみると、え?どこが大杉?と大きくイメージとかけ離れた杉が出迎えてくれる。が、見返りの名は確かで、さっきの夕霧峠よりも表呼応が上がった分、素敵な眺望を楽しむことが出来る。

階段を終え、再び登山道となる。夕霧峠から奥医王山まではさほど遠くはない。
山頂に着く前に左手に池が見えた。竜神池だ。浅そうに見えたが、水草がいっぱいあって、なにやら名前の通りなにか出てきそうな池だった。

奥医王山の山頂に着く。白兀山よりも大きい展望台が設置されていた。登ってみるが、周囲の樹木の方が高く眺望はない。ここで今日のメンバー全員の記念撮影をとったのち、降ることにする。小原尾根を使っての周遊。緩やかな下りで通常であれば歩きやすい道かも知れないが、今日は雨のせいか、かなりぬかるんでいた。粘土質のため、気を抜くと滑ってしまう。降り切る頃には登山靴とズボンのすそがすっかり泥だらけになっていた。
小原登山口を抜けるとあとは車道になる。菱池小原町から小菱池町を通って見上峠とスタート地点に戻る。なんとも林道や車道をよく使う登山だ。
天候には恵まれなかったが、確かにとんび岩や大沼は面白かった。それにブナ林がとても見事な山だった。季節を変えてまた来てみたいものだ。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 真っ白な世界も透き通った世界もいいですね。

  • 季節の変化もいいですね。
    同じ山がそれぞれ違って見える。

  • 変化に富んだ楽しい山行でした。冬にまた登りたいです。

  • このメンバーだったら、とこへでもどんな山でもいける気がしますね。

登った山

医王山

医王山

939m

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