行程・コース
天候
快晴
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
大野市の「宝慶寺いこいの森」という公園&キャンプ場を目指す。通常であれば、ある程度、駐車可能なよう除雪されているが、今年は大雪のため宝慶寺といこいの森の分岐までは 2 車線分きちんと除雪されていたが、分岐からいこいの森までは 1 車線分の除雪しかされておらず、一番奥の突き当りと途中 2 ヶ所ほどに数台の駐車スペースが確保されているのみで、あっという間にいっぱいになっていた。奥まで入ってしまうと方向転換ができないため、分岐付近の 2 車線のところに路駐するのをお勧めする。いこいの森のトイレは、冬季は閉鎖中。
この登山記録の行程
宝慶寺いこいの森・駐車場(06:51)・・・羽衣の松・・・見返りの松・・・仁王の松(07:42)・・・前山(08:25)・・・天竺坂・・・銀杏峰(09:24)・・・極楽平・・・部子山(10:46)・・・(昼食11:05~11:56)・・・銀杏峰(12:59)・・・天竺坂・・・前山・・・仁王の松(13:50)・・・見返りの松(13:51)・・・羽衣の松(13:56)・・・駐車場(14:18)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
福井の雪山で BEST3 をあげるとしたら、真っ先に銀杏峰。そして銀杏峰と言えば部子山への縦走をお勧めするだろう。銀杏峰から部子山への縦走は、藪が多く積雪時しか歩けない季節限定のルートとなる。積雪時には藪がすっぽりと雪に覆われ、見渡す限りの大雪原へと様変わりする。周囲には白山や能郷白山。視界条件が良ければ御嶽山や乗鞍もクリアーに見ることができる。そんな景色を眺めつつ、まるで空に広がるかのような大雪原を自由に闊歩できるというとても魅力的な冬の縦走ルートだ。
今年は雪が多かったので、例年よりも早く冬道が出来上がるかと期待していたが、逆に大雪すぎて近づくことすらできなかった。チラホラとネットに登山記録がアップされるようになってきたので、満を持して今週末に銀杏峰決行!と決まった月曜日、腰に違和感が走った。火曜日には普通に歩くこともできない程に。しかし、そんな時に限って、週間天気予報は珍しく晴れ。そうとなれば死ぬ気で治すしかない。極力、負荷をかけず安静に過ごす一週間。その努力と湿布の甲斐あってか、金曜日の時点でだいぶ歩けるようになってきた。が、まだ完治には程遠い。行って悪化したらどうしいようと、散々悩んだが、ただでさえ冬の北陸で快晴マークは珍しい。これを逃す訳にはいかない。無理と判断したときは素直に引き返そうと、行く決断をした。もちろん、登山養成ギブス(コルセット)は必至として。。。
先週、銀杏峰に行った方の写真にもあったが、いこいの森への分岐に入った途端に「ここは立山か?」と驚くほどの両側高い雪の壁が出迎えてくれた。壁の間は車一台がようやくすり通れるくらい。その間をすり抜けるように登っていく。いこいの森には、いつもであれば冬であってもそれなりの台数分が駐車できるようスペースが確保されているのに、さすがに今年は、1車線分の道を除雪するのが精いっぱいだったようで、道はいこいの森のトイレ脇でいきなり突き当りになっていた。それでも所々に、数台分の駐車スペースは確保されていた(もっとも転回用だと思うが)。幸い、突き当りにあった最後のスペースに車を停めることができた。あとから来た車は無情にもバックで雪の壁を下がっていくしかなくタッチの差が運命委の分かれ道になっていた。運転に自信がなければ、少なくともいこいの森の分岐手前までは2車線が確保されているので、そこに路駐するのが安全かも知れない。事実、帰る頃には路肩駐車でいっぱいになっていた。
さて、いよいよと座安開始。今回のコースはだだっ広い雪原もあれば凍った急登もあるため、装備としてはできればワカンもアイゼンも両方あった方が良い。
雪の壁が崩れていた場所からよじ登り山にとりつく。今日はそこそこ温かくなるようだが前日が寒かったためか雪はしっかり固まっていて登りやすかった。
徐々に朝日も昇ってきて、優しい光が雪面をキラキラと照らし輝いていた。いつの間にかだいぶ登ってきたようで、振り返ると大野の街並みが広がっていた。木々の間から真っ白な荒島岳も見える。
さらに登ってい行くと、最初の難関、前山までの急登が立ちはだかる。まるで天に向かってそびえ立っているような雪の壁。その先に青空があるから頑張れるが、悪天候に登るとしたら最悪の場所かもしれない。全体重がのしかかってくるようで登る一歩の足取りが重い。でも、ハァハァと息を切らせ登りきると、苦労を上回るご褒美が待っている。広がるは、NHKの特番に出てくるような視界いっぱいの白い山並み。特徴的な荒島岳に加えて、手前の山が霞むほどに圧倒的な雄大さを見せる白山。経ヶ岳方面も良く見える。
前山から銀杏峰を見上げる。山頂までにはもう一つ急登エリアが控えているため、山頂は隠れて見えないが、その右手側には今日の目的地、部子山が見える。純白の頂きと真っ青な空が対照的で、今からワクワクが止まらない。
前山手前の急登に比べたら大したことはないと思うが、その分、長い坂が続く。これを一気に登っていく。部子山の頂がどんどん大きく近づいていくのが分かる。と、登り切ると急に視界が開けて緩やかな斜面が広がる。そして、その先には銀杏峰の頂。
更には、神様からのスペシャルプレゼントよろしく今日は御嶽山と乗鞍も目に飛び込んできた。まるですぐそこにあるかのような、距離感がおかしくなりそうなくらいの存在感だ。
遮るものがない銀杏峰の山頂は、風がすべての温度を運び去ってしまうのか、氷の世界が広がっていた。雪面が飴細工のように凍っていて、歩くたびにパリパリと軽快な音を立てていた。アイゼンを締めなおそうと脱いだとたん、滑って転びそうになるくらいの完全な氷。雪の上に露出した木の枝にも、雪や霧が凍ったのかシャンデリアのような自然の氷細工が出来上がっていた。去年は、ここまで凍っていなかったが、代りに大きなモンスターを数匹確認することができた。
銀杏峰と部子山の縦走で、何と言っても素晴らしいのは、見渡す限りの大雪原となった冬季限定の縦走ルート。奥美濃の山々を眺めつつ、純白の部子山へ向かって自由気ままに自分だけのトレースを付けていく。まるで雲の上を歩いているかのよう。部子山へはそこそこの距離があるがその距離も苦にならない。
ただし、部子山にたどり着いた後、山頂まではかなり注意が必要。急登箇所が続き、常に凍っているため、アイゼンがないと厳しい。気を引き締めて一歩いっぽ登っていく。
山とは不思議なもので、山のスケールからみれば銀杏峰と部子山の二つの頂きの距離なんて誤差範囲の様なもので同じ景色を見ているはずなのに、部子山の山頂ではまた銀杏峰とは異なる感動を受ける。暫し、部子山からの眺望を楽しんだのち、銀杏峰へと折り返す。そのまま林道に回って周遊するコースもあるが、大雪原の眺望をもう一度楽しみながら下山とする。
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