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銀杏峰 誰がために鐘は鳴る

銀杏峰( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 北陸自動車道福井ICから車で約1時間。宝慶寺いこいの森、駐車場あり、トイレあり

この登山記録の行程

宝慶寺憩いの森駐車場(08:11)・・・林道から名松新道登山口(08:16)・・・<名松コース>・・・見返りの松(08:41)・・・銀杏峰前山(09:03)・・・天竺坂(09:29)・・・銀杏峰山頂(09:35)(昼食~09:43)・・・希望の鐘(09:53)(散策~10:17)・・・ブナの木(11:03)・・・鉱山跡石垣(11:16)・・・小葉谷コース登山口(11:26)・・・<林道>・・・宝慶寺憩いの森駐車場(12:00)

コース

総距離
約10.1km
累積標高差
上り約1,173m
下り約1,172m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

福井の山で雪山のオススメはと聞かれたら、まず迷わず「銀杏峰から部子山への縦走」と答える。事実、自分自身、たんまり雪が積もるのを楽しみに待って、毎年出かけるのが冬の定番となっている。雪原となった山頂からの風景は、それはもう天国の上を歩くようで素晴らしいの一言。しかし、銀杏峰の実力は冬だけではない。新緑溢れる春から夏気かけて、花の名山としても知られている。と、偉そうに言っておきながら、実は雪山以外に歩いたことがなかったので、兼ねてより周遊せねばと思い企画していた。
用事を済ませてからだったので、8時と少し遅めの到着。
今日は駐車場脇にある登山口から入り、名松コースで登り小葉谷コースで降ってくる時計回りの周遊とする。
のっけから垂直のような階段が待っているが、登りきった所に白いイブキトラノオの小型版のような花が咲いていた。シライトソウ(白糸草)。今日、一番最初の花だ。
最近は関東方面の山がメインになりつつあるが、あらためて福井の山のブナの美しさを再認識する。山に入った瞬間に分かる。新緑が圧倒的に美しい。もちろん関東の山も十分綺麗なのだが、言葉ではうまく言い表せないが瑞々しさが際立っているとでも言おうか。さらに花の種類も豊富のような気がする。(あくまで個人的感想につき、関東の山にケチをつけているわけではありません)
見返りの松を通過。冬であれば、いつもこの辺で市内が見渡せているが、今は進行方向を見上げても深いブナ林が続いていて空も見えない。冬はそのブナ林がすっぽりと埋まるほどの積雪があり、その雪がこの豊かな自然をはぐくんでいる。
全体的に銀杏峰は急登だ。花を探しながら歩くのが今日の目的だか、急登ハンターとしては、息を切らせながら身体を押し上げていく感覚が嬉しくて、ついスピードを上げてしまう。
ようやく目前に明るい空が見えた。小高い丘を登りきると看板が立っていた。前山だ。ここから眺める市内の風景が勝山方面の山々まで見渡せるので結構お気に入りだ。休むことなく小さく降ってまた登る。ちゃんとした登山道を歩くのは今回初めてだが、雪山には幾度も足を運んでいる銀杏峰。山の地形はしっかりと頭に入っている。
ところどころに、小さな白い花が目立つようになってきた。チゴユリ。恥ずかしがり屋なのかうつむいた感じで控えめに咲いている。好きな花の一つだ。
山頂付近になると湿地帯が増えてきた。
大きなフキノトウのような葉っぱに、中央に純白の小さな花が咲いている。これも毎年欠かせない花、サンカヨウ。この時期、この花を見るだけで元気になる。それが群生しているので、嬉しくてつい同じような写真を何枚も撮ってしまう。お気に入りの一枚が撮れていれば良いが。。。^_^
最後の斜面をぐいっと登って、山頂へ到着。笹の原っぱが広がっている中に、小さな祠が建っている。冬の間は正面の扉が閉じられているが、中には可愛らしいお地蔵さんが2つ並んでいた。初めましてだ。
山頂からの白山の勇姿を楽しみにしていたが、あいにく春霞のため眺望は今一つだった。
近くに腰をかけて、おにぎりを頬張る。軽く休憩を取ったのち、今日のもう1つのミッション、希望の鐘を鳴らしに行く。湿地帯の迷路を抜けながら進んでいく。あちこちにサンカヨウが出迎えてくれて嬉しい。
希望の鐘は、「なんでこんな所に?」と思うような奥の方に設置されている。さて、山仲間へ想いを届けるべく「鳴り響け!」と思いっきり強く叩く。透き通った綺麗な音だったが、あまりの大きさに叩いた本人が驚いてしまった。鐘が設置されている山はいくつもあるが、たいがい鈍い音が主流に対し、この鐘は思いの外クリアーな音質だった。これならきっと、遠くにいる山仲間にも想いが届いたに違いない。
銀杏峰へは、本当であればもう少し日程をずらしてでも天女を探しに来るところであったが、福井自体が遠くなった今、なかなかスケジュールを合わせるのも難しい。せめて今回は、ザゼンソウだけでも見て帰ろうと、もう一度山頂方面に戻りサンカヨウが咲いていた付近を探す。水辺など湿った所を好むので、きっとこの辺にあるはずだと探すが結局見つけることができなかった。うーん、今年は出会わずじまいか。
諦めて再び希望の鐘があった湿地帯付近を散策する。花的にいうとこの近辺が最も種類がエリアとなる。気持ちひんやりと涼しいと思ったら、谷間にまだ雪が残っていた。と、紫色の花が目に入る。まさかと思ったがシルク製のドレスのような形は紛れもなくスプリング・エフェメラルの代表、カタクリ。今年はもう会えないと諦めていたのに。。。
急いで写真を撮ろうと近寄ると、その先にも一凛。さらにその先にもと、なんと辺り一面カタクリが咲き誇っていた。残雪が開花時期を遅らせているのだろうか。若干、旬を過ぎてはいるが、それでもしなやかなフォルムが美しく、諦めていたのにこんな群生に出会えるなんてなんと幸せなことか。
カタクリの群生の近くに小さな水たまりがあって、白っぽい繭のようなものが確認できた。先日、那須岳で見た時よりは規模が小さいが、ここにもサンショウウオの卵があるようだ。
ゆっくり湿地帯を散策したのち、小葉谷コースから降る。看板に急と書いてあったが、本当に足を踏み外すとしたまで落ちかねない急登だった。
途中、道を外れたところで散策されている方がいたので声をかけると、「お花畑があるんですよ」とのこと。誘われるように行ってみると、そこにもサンカヨウやカタクリがいっぱい咲いていた。その中に、山頂にはなかった白い菊のような形をした花があった。「おーっ、キクザイチゲ」。個人的にはなかなか出会わない花だったので、思わず声が出る。斜面上の奥まった所にいっぱい咲いていたので近づいて写真を撮りたかったが、そのためにはカタクリの花を超えないといけなかったので、ここは遠目からそーっと観察をする。
正直、タイミング的に花はあんまり期待できないかと思っていたが、なんのなんの。今紹介した花以外にもアカヤシオやオオカメノキ等いろんな花に出会えて大満足。遅ればせながら春の花が満喫できた。
上機嫌で急斜面を降っていく。小葉谷コースの登山口にある鳥居の脇に最後の花があった。鮮やかな紫色をしていて一瞬で目を惹く、カザグルマだ。なんでこんなところにこんな花が咲いているのだろうか。
鳥居の前には駐車場があって、ここに停めれば、名松コースよりも短い距離で山頂まで行くことができるので、急登であってもこちらを選ぶ人は多いようだ。
宝慶寺憩いの森駐車場へ向けて、最後は林道歩きとなる。いつもだと舗装された林道は大嫌いで不平も出るところだが、心地よい日差しとそよ風の中、なにより緑に癒されながら軽やかにゴールまで歩くことができた。また、いろんなシーズンを通して歩きたい銀杏峰だ。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 希望の鐘の存在を知りませんでした。想い伝わりました。

  • 一人で登っている時も仲間で登っている時も、見ている風景を共有したいという想いは同じですね。次は一緒に汗をかいて頂を目指したいですね。7月を目標にします!! :)

  • 花花花花花だぁ ここは、冬だけじゃないんですね。

  • そう、写真以外にも20週間ほどの花がありました。^_^

登った山

銀杏峰

銀杏峰

1,441m

よく似たコース

銀杏峰 福井県

再現された銀鉱山道から名松新道を周回する

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
4時間40分
難易度
★★
コース定数
23
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