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小東岳・裏磐司2018

小東岳( 東北)

パーティ: 1人 (ブナ太郎 さん )

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行程・コース

天候

快晴

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 大東岳登山口に10台ほど駐車できる。ここから先は道路工事中のため、車で入ることができるのはキャンプ場あたりまでだそうだ。

この登山記録の行程

大東岳登山口(7:17)・・駒止めの滝(8:11)【滝見物・10分】・・雨滝(8:47)【休憩5分】・・裏盤司(9:12)【休憩10分】・・北石橋分岐点(10:26)【休憩5分】・・樋ノ沢避難小屋(10:53)【休憩15分】・・小東峠(12:11)・・小東岳山頂(12:32)【休憩5分】・・樋ノ沢避難小屋(13:37)【昼食15分】・・裏盤司(15:21)【休憩5分】・・大東岳登山口(16:25)

コース

総距離
約15.1km
累積標高差
上り約1,329m
下り約1,329m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 大型連休の初日である。天気は晴れ。連休の前半は好天に恵まれた。
 ところが、体調がすぐれない。風邪が抜けないのである。若い頃は気合いで直していたが、もう気合いという技は使えない。仕事を終えて帰宅し、午後8時半に就寝したものの、抜けきらないまま、4月29日の未明に起床した。

 今日は例年のように大東岳に登るつもりでいたのだが、体調がすぐれないこともあり、裏盤司を歩いて、久しぶりに小東岳の山頂を踏むことにした。裏盤司を歩くのはいつも午後だったが、今日は午前の光の中で花や新緑を写してみたい。できれば小東岳から糸岳に至り、白糸の滝を下りて周回しよう。もっとも、この周回コースはかなりの距離になるだけでなく、アップダウンも激しい。当日の体調を見ながらコースを決めることにしよう。

 7時過ぎに登山口の駐車場に着く。駐車場はすでに満杯に近い。登山よりも渓流釣りの人たちの車のようである。
 7時17分に駐車場を出発する。しばらく林道を行く。空は快晴。左手に見える三方倉山の新緑が柔らかい。道端にはタチツボスミレが咲いている。橋を渡り、杉林を抜ける。ブナとミズナラが合体した大木を過ぎ、左手に沢の水音を聞きながら進むと、8時11分に駒止めの滝に着く。しばらくぶりに、この滝を眺めてみようと、沢に下る。釣り人が二人、大きな岩に立っていた。
 駒止めの滝は、雪融け水を集めて水量が豊かだ。淵の辺りは深い青緑に彩られ、神秘的な空気が漂う。轟々と流れる滝の音に包まれ、飛沫を写真に収めた。

 沢から林道に戻り、太いミズナラの木を目印に、登山道に入っていく。ここからはつづら折りの登りとなり、道の両脇にはフデリンドウやキバナイカリソウが顔を覗かせる。登りは長くは続かず、やがて傾斜のゆるやかな道となって山を巻くように行く。登山道は山ひだに合わせて開かれているため、沢筋に入ったり、尾根筋に出たりを繰り返して進むことになる。

 8時47分に雨滝に着く。大岩壁を見上げると、新緑の間からしぶきが散っているのが見える。足元にはニリンソウが咲いていた。
 雨滝から裏盤司までは20分程だ。この行程はニリンソウが咲く、素晴らしい道である。例年よりも早くニリンソウが満開となって、道端を彩っている。ブナやケヤキの巨木を見ながら歩いていると、9時12分に裏盤司に着いた。ここでザックを下ろし、目の前に広がる大岩壁を眺める。午前の光の中で眺めるのは久しぶりである。岩肌がくっきりと浮かび上がり、新緑とのコントラストが見事である。

 裏盤司から樋ノ沢避難小屋までは、大小いくつかの沢を横切り、数カ所ある鎖場やロープのある斜面を慎重に歩く。クロベやブナの林の中を進んでいくと大行沢がしだいに下に見えるようになる。滝を見て尾根を乗り越え、大行沢に向かって下ると、やがて北石橋分岐点に着く。北石橋には行かないが、沢に下りてみた。ここのナメ沢も水量が豊かだ。この辺りはブナの森で、もうすっかり緑に覆われている。
 20分ほど歩いて樋ノ沢避難小屋に着く。途中、ミヤマカタバミの花がきれいだったが、キクザキイチゲやカタクリはもう花が終わっていた。避難小屋周辺は、やはりブナの芽吹きが美しく、近くを流れる沢の音を聞きながら、春の日のゆったりした気分を味わった。

 11時8分、避難小屋から小東岳に向かう。轟々と流れる沢を跳び、ブナの林に入る。この辺りは芽吹きも浅く、振り返ると大東岳がどっしりとした姿で目に飛び込んでくる。林床にはカタクリやキクザキイチゲが花を咲かせている。キクザキイチゲの青が濃い。
 雪が出てくると道は幾分不明瞭になる。沢を左に横切り、まだ若葉の萌え出ていないブナ林を進み、沢を詰めて登るようになると、雪の塊に乗り上げるようになり、斜面一帯が雪で覆われた箇所に出る。傾斜が急で、手がかりとなるような木もないため、滑落しないよう気をつけてキックステップで登る。
 やがて峠が見え、雪渓を下りて登るとすぐに小東峠である。カタクリがたくさん咲いていた。峠を右に進んでブナの萎縮林の中、急坂を数分行くと、小東岳と南面白山の分岐点に着く。稜線からの見晴らしは素晴らしい。南には糸岳、仙台神室岳、蔵王連峰が続き、北には前山から南面白山を見る。南面白山の西には、最近登った北面白山がわずかに顔を覗かせている。東には大東岳から裏盤司、三方倉山に続く景色が広がっている。

 小東岳山頂には12時32分に着く。山頂からの見晴らしは、あまり優れず、山頂の北と西は灌木が伸び、景色がほとんど見えなくなっている。
 5分程休んで山頂を後にする。予定では稜線を糸岳に進み、白糸の滝に下りるつもりだったが、今日の暑さで水をほとんど飲み干してしまった。予定したコースの水場は二口林道に下りてしばらく歩いた箇所にしかないため、元来たコースを戻ることにした。

 13時37分に樋ノ沢避難小屋に戻り、ここで遅い昼食を摂る。小屋には釣り人が2人休んでいた。水場で水を補給し、13時52分に小屋を後にした。
 裏盤司コースは長い。特に下山時は、疲れがたまっているためか、いっそう長く感じる。午後の日差しがブナの新緑を美しく照らす中、緑の写真を撮りながら裏盤司に向かう。支沢をいくつも横切り、しだいに緑が濃くなる森の中を進むと、15時21分にようやく裏盤司に着く。シロヤシオの清楚な白が目に入った。
 裏盤司から登山口まで約2kmである。もう登りはほとんどなく、雨滝を過ぎて登山道から林道に入ると道幅は広がり、歩きやすくなる。入口には16時25分に到着した。

 帰宅してから記録を取ると、水平歩行距離は15km強、累積標高差は1300mを越えていた。数字だけを見ると、大東岳を周回するよりも厳しい。風邪が抜けきらない身体には、ややハードだったが、花と新緑、残雪から周囲の展望まで、満足できる山行だった。

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登った山

小東岳

小東岳

1,130m

よく似たコース

小東岳 山形県 宮城県

二口峠から県境の変化に富んだ展望の尾根コース

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
5時間35分
難易度
★★
コース定数
23
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