行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
勝山市内からR416。カーナビであれば「あまごの宿」をセットするとよい。
前方に越前甲を見ながら舗装された道路を登っていく。林道のように細く未舗装に切り替わる。工事中の看板(関係者以外・・・)を横目にさらに登っていく。登山口の少し手前で、工事中でこれ以上は進めそうになかったので、路肩脇に車を停める。工事目的だと思うが、登山口付近までは除雪がされている。
この登山記録の行程
林道・駐車ポイント(07:03)・・・登山口(07:07)・・・大日峠(07:56)・・・越前甲(09:06)・・・大日山(10:54)・・・加賀甲・大日避難小屋(11:22)・・・昼食(11:31~12:02)・・・大日山(12:34)・・・大日山
登山口・林道(14:39)・・・林道・駐車ポイント(16:41)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
昨日は、春の花を求めて里山を闊歩。今日は、一気に冬に逆戻りしての冬山を目指す。以前にも書いたが、この時期はタイムマシーンに乗ったかのように、春と冬の山を自由に行き来できるのが嬉しい。
今日の目的地は、越前甲。別名、越前大日山(標高1,319m)。遠くから見ると名前の通り兜のような凛々しい形をしている。しかも、兜の形よろしく、肩から頭にかけてとんでもない急登が待ち受けているのが遠くからも分かる。急登好きの自分にはたまらない山だ。
昨年の4月2日、残雪期にその雪壁を乗り越えて越前甲から加賀甲を結ぼうと挑戦するも、雪質の悪さから思うようにスピードが保てず目標目前にして涙の撤退をしてしまった。どうにも寝覚めが悪く、今年、雪が解けきる前になんとか再チャレンジをしたいと狙っていたところ、山仲間と音連れる機会が出来た。
昨年よりも20日遅いため、雪質が更に悪化しているのでは?と昨年の辛かった記憶が甦る。今年は登山口まで除雪されていたので、正規ルートからアプローチすることにする。とは言え、登山口を示す看板の脇には既に分厚い雪の層。恐るおそる雪に体重を乗せる。果たして、思ったより硬く締まっていて歩きやすかった。
正規ルートを歩いていたのは最初の5分ぐらいだろうか。歩きやすそうな斜面を選んで歩いていたら、いつの間にかコースを外して尾根の反対側に出てしまった。藪を越え、ウロウロと蛇行しながら進む。完全に道を見失ったので、直接、大日峠を目指して森を抜けことにした。大日峠は、越前甲の急斜面の手前にあるコルなので、遠くからもよく見える。
今年は例年にない大雪だった半面、3月に入ってからの異常と言える夏日のような暑さで、県北の山々でもすごい速度で雪解けが進んだ。ここ越前甲も同様で、斜面を見上げるとかなりの部分で雪が落ちていて、土肌が露出して夏道も見えている。
使える夏道は使いながら、雪の斜面を登っていく。麗らかな日差しと時折吹くそよ風が心地よい。樹木帯を抜けると、目の前にあるのは、青い空に向かって伸びていく大きく白い壁のような道だけ。昨晩の飲み会のアルコールが残っているのか、足が思うように上がらない。ゼーゼーと言いながら、白い頂に立つ。まずは越前甲をクリアー。珍しく座り込みたかったが、周囲には360度の大パノラマ。登って来た反対側には、大長とその向こう側に圧倒的な大きさと白さを持つ、白山がそびえている。行く手には、念願の加賀甲と大日山の大きなピークが見える。
今年こそは。「待っていろ!!」と気合を入れた瞬間、右太ももに痙攣が走る。ヤバいと思った瞬間には左足の太ももにも。仲間の手前、平常を装いつつも、あまりの痛みに雪の上に転がりたいくらいの悶絶状態。こんなにつったのは何年ぶりだろうか。体調管理ができていない証拠だと反省。
少し休憩し、仲間と遅れをとりながらも、無理をしないよう慎重に歩いていく。一回、やってしまうと無理がきかなくなるので、細心の注意が必要だ。
加賀甲と大日山の手前のやって来た。コルになっていて、無情なくらい大きく降って登る必要がある。前回は、ここでタイムアップ。しかし、今日はまだまだ時間は十分にある。
足の痛みをこらえつつ、急な坂を降る。登りはさすがに足が痛く、弱音を吐きそうだったが、登り切った時に目に飛び込んできた加賀甲と大日山を見て元気も復活。
最初に大日山を目指す。緩やかに右にカーブした斜面が頂へと続いている。山頂付近は笹に覆われていて、笹の間の道をかき分けてゴールイン。
実は、昨年の夏に、リベンジ前の下調べとして加賀甲と大日を石川県の池洞登山口から攻めたことがある。その時はあいにくの濃霧で、越前甲どころか自分がどこに立っているかも分からず大日山の看板だけ見て帰って来たのを覚えている。その時の看板が目の前にある。が、今日はその向こうに雄大な景色が広がっている。越前甲の頂も見える。やった。
山頂の広場から徒歩1分と言いう絶景ポイントに移動して白山を眺める。なるほど、白山が心なしか大きく見える。今年企画して結局行けずじまいだった笈ヶ岳も見える。こちらのリベンジも一年寝かせることにしよう。
昼食には少し時間が早かったので、来た道を少し戻り分岐から、今度は加賀甲を目指す。ここまで書いておいてなんだが、他の記録によっては大日山を加賀甲と書いているものもあって正直混乱しているが、池洞登山口にあった看板には、大日避難小屋がある方が加賀甲と書かれていて大日山とは別にしていたので、それを準じる。
大日山から小屋までは一面笹の原っぱだったのに今は雪原がただ広がっている。
夏に来た時も思ったが、小屋はとても綺麗に整備されている。中で食事してもよかったが、天気がいいので外で雪の上に座りながら越前甲と大日山を眺めつつ昼食をとる。軌跡を繋げた達成感も加わり、最高の景色。
昼食後、帰路の話になる。ピストンで来た道を戻るか、林道を使って周遊するか。足の痙攣がとれていないので、正直、ピストンが有りがたかったが、周遊と聞くと自分もつい反応してしまう。ピストンより周遊の方が最後まで冒険が楽しめる。根っからの変態か。
周遊のために再び大日山まで戻る。最初っから加賀甲、大日山の順番にすればよかった。デジャブのように同じ景色を見るのかと思いきや、大日山山頂手前のところで仲間が面白いものを発見する。下界ではすっかり季節も終わっているが、こちらは残雪の影響か小さいながら今が見ごろかのザゼンソウが鎮座していた。今年、ザゼンソウを見るのはこれが3株目。偶然の出会いに、二度目の大日山もそう悪くないと思った。ゲンキンなものだ。
山頂からルートをいったん鈴ヶ岳方面へとする。眼下に小さくかたくり小屋が見える。小屋からも尾根沿いに降りるコースもあるようだが、今回はその手前の尾根から下山することにする。
気温が上がり、雪がザラメ状態になりとにかく良く滑る。滑落しているのか降っているのか、急斜面をものすごい速度で駆け降りる。
マップを見るとどうやらこの辺が降るポイントというところまで来たが、雪で登山ルートは全く分からない。仕方がないので、雑木を抜けるように目測で適当に降っていく。
あまりにも無頓着に勢いよく降ったにがイケなかったのか、気が付いた時には尾根一つ分外れてしまった。トラバースしながら、隣の尾根によじ登るが、結構、ズルズルで危険だったので、あまりお勧めできるコースではない。
正しい尾根に戻り暫く降ると、夏道が現れた。痩せ尾根に沿って延びる道。両脇の谷には残雪。雪景色かと思えば、瑞々しいブナ林の葉が、白に鮮やかに映えている。また、降るにつれて、夏道の両脇いっぱいにイワウチワの群生が増えてきた。淡いピンクに時々、白く珍しいも混じる。群生はすぐに終わるかと思ったが、嬉しいことに降り切るまで美しい花道が道しるべとなってくれた。
舗装された林道に飛び出た瞬間、「長かった!」と安堵。その安堵のせいで、全員が全員、疑うことなく、反対とは気が付かず林道を降り方面に歩いてしまった。違和感からマップを確認した時にはでに遅し。心理的にかなりのダメージだったが、道端にあった大好物のフキノトウの蕾がいっぱいあったので良しとしよう。
そう、出発地点へ戻るためには林道で峠を越えなければいけない。つまり下りではなく、登り。下山してきた場所まで戻り、そこから少し進むとブルトーザーが一台停まっていた。歩きやすい林道はここまで。ここから先は、積雪の林道を歩かなければならない。幸い、午後を回っても沈み込みは少なく、足をとられつつもどうにか歩くことはできる。ただ、長い林道とは覚悟していたが、想定以上に斜度も加わりきつく感じる。傾いていく太陽を眺めつつ、無心になってひたすら歩く。どうにか峠に到着し、今度は最後の力を振り絞り転がるように降る。反対側の除雪終点に停まっていたブルトーザーとその先に駐車した車を見つけた時の嬉しさは、加賀甲リベンジ達成よりも大きかったかも知れない。。。そんなことはないが。。。 :)
何はともあれ、大きな達成感とともに、無事、目標達成ができた。
みんなのコメント