• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

春を背負って残雪の火打山と妙高山を巡る(二日目)

火打山、妙高山( 上信越)

パーティ: 4人 (Yamakaeru さん 、ほか3名)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

快晴

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 妙高高原ICで高速を降り、県道39号線で妙高笹ヶ峰キャンプ場を目指す。登山口は右手側にあって木製の屋根付きゲートが目印。登山口前にも駐車スペースはあるが、直ぐにいっぱいになるため、反対の左側にある駐車場が広くてお勧め。トイレはこちら側にある。

この登山記録の行程

高谷池ヒュッテ(06:22)・・・茶臼山(06:44)・・・黒沢池ヒュッテ(07:03)・・・大倉乗越(07:33)・・・<危険箇所あり>・・・長助池(09:00)・・・長助池分岐付近・・・妙高山・北峰(標高2,446m)(11:05)・・・妙高山・南峰(標高2,454m)(11:20)(休憩)・・・北峰(11:52)・・・長助池分岐付近・・・長助池(12:49)・・・<危険箇所あり>・・・大倉乗越(13:32)・・・黒沢池ヒュッテ(13:55)・昼食(~15:05)・・・黒沢池付近・・・池尻(15:35)・・・<トラバース>・・・十二曲(尾根上)(16:34)・・・黒沢橋・・・<黒沢沿い>・・・笹ヶ峰登山口コース合流・・・笹ヶ峰登山口(17:57)

コース

総距離
約14.2km
累積標高差
上り約1,217m
下り約2,005m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

足先が寒かったが、眠れない程ではなかった。それより近くのテントから聞こえてくるイビキの方が酷かった。笑。
3:30頃にもぞもぞと起きだして、朝食用に持ってきた菓子パンを食べる。コーヒーが欲しかったが、どうも早朝のストーブは静寂を台無しにするようで気がひける。
外を散歩する。空気がひんやりしていて気持ちが良いいので小高い丘で体操をする。遠くの山に朝日が当たり白い頂が輝いて見え、いろいろな鳥の囀りが聞こえてくる。これもまた至福の時。
テントを撤収して、6時過ぎに出発。茶臼山を乗り越え、その反対側にある黒沢池ヒュッテを目指す。テントに荷物をデポすることも考えたが、帰りのコース取りを考えると、黒沢池ヒュッテまで装備を移動&デポして妙高山をアタックした方が楽だ。茶臼山からは、真っ白な黒沢池湿原が見えた。山の上にこんなに平らな空間が広がっているとは不思議なものだ。季節になれば緑の草原の中を一本の木道が延びているのが見えただろう。自然豊かな湿原に、両脇に日本百名山が二つと、本当にここは尾瀬とよく似ている。(漢字は違うが山の一つが「ひうち」と共通する名前を持っているのも面白い偶然)
真っ白になった黒沢池湿原の左端にポツンと黒沢池ヒュッテが見えた。プラネタリウムの様な特徴的な屋根が目印。以前、立ち寄った際には一部工事中だったが、遠くから見るにもう完成しているようだ。
この時期の黒沢池ヒュッテはまだ閉鎖中なので、裏側に周ってザックをデポさせてもらう。
アタックザックに切り替えて、いざ、妙高山へ。妙高山へはいったん大倉乗越へと大きく登り、壁のような斜面を避けるようにトラバースするように回り込み妙高山の登山口を目指すことになる。登山ルートを示す看板は完全に雪の下なので、見上げた時に見えるコルに向かってまずは歩き出す。そこが大倉乗越。
拳を上に突き上げたような、妙高山の武骨で男らしい山容が大好きで、大倉乗越からは間近にその全景を見ることが出来る絶景ポイントの一つだ。前回も大倉乗越に出た瞬間の目に飛び込んできた妙高山のインパクトに圧倒されたが、今回はそれ以上の驚き。残雪期と言えど、まだ踏み込みを許さぬ厳しい雪山の山容。登山口へと向かうルートが完全に雪の壁と化していて、しかも、大きな雪崩の跡やクラックが何か所にも走っている。普通のルートでは完全にアプローチができない。
いったん真下にある長助池へ降るにしても、反り返ったような雪の壁を降りなければならない。一度、様子見に降ってみるが、ザラメ質の雪で踏ん張りがきかず、気を抜いた瞬間、ザーッと数m落ちてしまった。アイゼンとピッケルで瞬時に止めたものの手の平に汗が滲む。
仲間と分担して他に降れそうなポイントを探すが、稜線のどこを見渡しても雪庇やクラックが走っていて、一見するとルートはすべて閉ざされている。そんな中、仲間の一人が群生した笹と笹の間にある狭いルートを通って下まで降りてみた。確かに距離は長くなるが、比較的安全に降りれるコースかも知れない。とは言え、危険には違いないので、これまで以上に一歩いっぽに時間をかけながら丁寧に安全確保をしながら降りていく。全員が降り切った時にはホッと大きく安堵した。さて、今度はいよいよ妙高山だ。長助池のある底辺から見上げる妙高山はさらに大きく、山頂へと向かう斜面はどこを見ても難攻不落のように思えた。
どこから取りつくか悩んだが、結局、正規ルートを基本に沿うように登ってみることにした。今日は昨日よりも更に気温が上がるとの予報。その通り、額から汗が止まらない。雪の沈み込みが大きくなってきたので、スピードを上げる。夏の岩場の急登にも苦労したが、雪の斜面もきつい。
山頂手前でルートを見失う。岩肌はアイゼンが滑るので、着雪した部分を探して登るが、藪が行く手を阻み、一段と苦労が増す。
と、藪を抜け空が広がる。まだ山頂手前のピークの一つに過ぎないが、「やったー」と叫びたくなる。山頂はもう目前。しかし、痩せた尾根で雪庇がせり出しているためそのままでは危険だと、雪庇の反対側の斜面に回り込む。岩に手をかけ、身体を押し上げると再び空が広がる。ついに山頂だ。昨日登った火打山や後立山連峰の白く雄大な景色と反対側には火打山からは見えなかった妙高市内や野尻湖。その向こうには浅間山等群馬方面が見渡せる。なんと対照的な風景か。
妙高の山頂部は北峰と南峰に分かれていて、今いるのは標高2,446mの北峰。南峰は北から約200m程先にあり、標高2,454mと妙高の最高点で妙高山大神が祀られている。ここまで来たら挨拶しない訳にはいかない。
妙高山へは今回使った笹ヶ峰登山口コースの他、燕温泉側からアプローチする燕登山道コース等幾つかのコースがあるが、山頂から見ると一目瞭然。どの方向を見てもこの季節はまだまだ登山には厳しい事がよく分かる。事実、GWの日本百名山にも関わらず、山頂には誰一人いない。あらためて大倉乗越の斜面を見て、よく降ったものだと思った。ただし、他人には絶対進められないが。。。
頑張ったご褒美に、長めに休憩を取り、登って来た達成感とともに山頂のひと時を楽しむ。
いつまで眺めても飽きない眺望がそこにあるが、時計は既に12時前。気温もどんどん上がっているため、あまりゆっくりはしていられない。なによりお腹が空いたので、来た道を折り返すことにした。
一番気を使ったのは、やはり大倉乗越の斜面。下から見上げると本当に反り返っているよう。「うへー、本当にここを登り返すのか?!」と心の声が漏れてしまうが、登らないことには帰れない。キックステップで足場を作りながら登っていく。降りに比べ登りの方がバランスがとりやすいので、危なげもなく割と短い時間で登り切ることが出来た。
黒沢池ヒュッテに戻り昼食とする。メニューは昨晩の鍋で残った食材を全部使ってのラーメン。一つのメニューで二度美味しい。 :)
計画時から楽しみにしていた雪山キャンプ登山ももう終盤。楽しい時間は本当に経つのも早いものだ。
降りのコースもそこそこ長いので、昼食の片づけをして、再びテント装備の重いザックを背負って歩き出す。黒沢池ヒュッテからは黒沢池のある雪原を通ってほぼ平行移動で池尻を目指す。池尻からは黒沢岳の山頂をまくように富士見平を目指すが、実際にはその富士見平をもバイパスして、直接、十二曲の尾根の手前に向かう。地図とGPSを頼りに、ドンピシャでたどり着くことが出来た。
ザックが重くて苦労した十二曲も、降りとなればらくちん。と気を許していたら、黒沢橋手前のところで、岩にアイゼンを引っかけてしまった。一瞬踏んばったが、ザックの重みでバランスを崩しなんと頭から下の岩に転落。ある意味、今回一番、死ぬかと思った瞬間だった。なんとか受け身をとり頭や顔はカバーしたが、左の腕と足を強打して、そこからは苦行のような歩きとなった。あと少しと言うところで情けない。
黒沢橋を渡ったところで、トレースが錯綜していて正規ルートから外れてしまった。どうりでいつまでも赤いテープが見当たらないと思った。しかし、トレースはしっかりしていて、地図によると沢沿いに降りた先で正規ルートに合流するようだったので、そのままゴールを目指すことにした。
太陽が徐々に山に向かって傾いていく。いつの間にか明るい時間も長くなったものだ。お陰で何とか暗くなる前に登山口の門をとらえることができた。
門をくぐり駐車場の地面にジャンプ。雪の世界も終わり。別世界から戻って来た寂しさ反面、今はとにかくお風呂に入りたい、そんな気分だった。
ちなみにお風呂は前回と同じICへ向かう途中にある「杉野沢温泉センター・苗名の湯」。450円の低料金が嬉しい。

続きを読む

フォトギャラリー:25枚

すべての写真を見る

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

  • トラバース中に助けてくださいまして、ありがとうございます。

  • もう既に山ガールを卒業して、立派な登山家ですね。(^-^)

  • あの雪の壁を見たときはどうなるかと思ったけど妙高山の山頂に立ててよかったです。後ろで大変なことになっているのに気がつかずすみませんでした。

  • あの雪の壁を見たときはどうなるかと思ったけど妙高山の山頂に立ててよかったです。後ろで大変なことになっているのに気が付かずすみませんでした。

  • 後ろ?あー、頭からずっこけてたやつですか?!お恥ずかしい。レオさんも自分も未踏だった火打にも行けて大満足でしたね。やはり、妙高はアルプスとはまた違った魅力がありますよね。

登った山

妙高山

妙高山

2,454m

関連する登山記録

関連する山岳最新情報

よく似たコース

妙高山 新潟県

北地獄谷の燕登山道を登り燕新道を下る

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
8時間15分
難易度
★★★
コース定数
36
妙高山 新潟県

スカイケーブル遊覧を楽しみ、越後の名山へ

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
8時間20分
難易度
★★
コース定数
32
妙高山 新潟県

燕温泉から日帰りで行く越後の名峰

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
9時間
難易度
★★★
コース定数
37
登山計画を立てる