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那須岳三山縦走@三斗小屋温泉湯治の旅

那須岳、朝日岳、三本槍岳( 関東)

パーティ: 1人 (みや さん )

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行程・コース

天候

初日:曇り時々晴れ、2日目:曇り時々晴れ

利用した登山口

山麓駅  

登山口へのアクセス

バス
その他: バス
往路:那須塩原駅→那須ロープウェイ山麓駅バス停
復路:那須ロープウェイ山麓駅バス停→那須塩原駅

この登山記録の行程

【1日目】
山頂駅(10:10)・・・茶臼岳(11:00)[休憩 20分]・・・峰ノ茶屋跡(11:55)[休憩 15分]・・・沼原・姥ヶ平分岐(13:28)・・・三斗小屋温泉(13:50)

【2日目】
三斗小屋温泉(06:40)・・・大峠(08:37)[休憩 3分]・・・三本槍岳(11:07)[休憩 23分]・・・中ノ大倉尾根分岐(11:54)・・・清水平(12:04)・・・朝日岳分岐(12:50)・・・朝日岳(13:00)[休憩 5分]・・・朝日岳分岐(13:15)・・・峰ノ茶屋跡(13:45)・・・県営駐車場(14:17)[休憩 5分]・・・山麓駅(14:30)

コース

総距離
約15.2km
累積標高差
上り約1,359m
下り約1,660m
コースタイム
標準8時間28
自己10時間19
倍率1.22

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

 以前から那須・茶臼岳の向こうにある三斗小屋温泉は行きたい所の一つだったが、なかなかタイミングが見つからず行けずにいた。
 今回、ようやく機会が訪れ、最寄り駅を出発して3時間後、那須塩原の駅に降り立った。「那須は近いな。」と思ったものの、茶臼岳の登山口である那須ロープウェイ山麓駅までは那須塩原駅からバスで1時間35分と充分遠い。最初、構内の「バス」の表示にしたがって東口のバス停に出てしまった。どの便もロープウェイ駅まで行きそうにいのでバス待ち客に聞いたところ、こちらではなく西口とのこと。西口に出ると、停留所はすぐに見つかった。

 平日ということもあってバスはガラガラ、座って行けた。ロープウェイ駅でも次発便にすぐに乗れて、余裕を持って登山開始できそうだ。ロープウェイ上からも朝日岳がよく見える。
 頂上駅に着くと、空気がヒンヤリとしていて赤トンボが沢山飛んでいる。一気に秋になってしまったかの様だった。しかし、大きなウシアブも群がってきてバシバシ当たってくるので、虫除け用のハッカオイルを吹き付けた。装備を点検して茶臼岳山頂に向け歩き出した。

 登り始めはダラダラした砂礫混じりの斜面で富士山っぽい。だが、少しすると岩場が現れる。朝日岳の南側の斜面を見ると、スターウォーズのどこかの惑星の様な感じだと思った。振り向くと下界に峠の茶屋駐車場が小さく見える。お鉢周りの分岐を左へ進んだ。鳥居と祠が見えてきた。すぐに鳥居の前に到着。鳥居をくぐって山頂へ。山頂の那須岳神社に参拝し、時計回りでお鉢の対岸へ向かう。左側の崖下では奧噴の火口から噴煙が出ている。茶臼岳は活火山だと納得する。

 左手の峰の茶屋に下る方へ進み、少し行くと峰の茶屋跡避難小屋の赤い屋根が見えた。ずいぶん人がいる様だ。峰の茶屋跡避難小屋に着くと、小屋の周りのベンチはほぼ占拠されている。酒盛りも始まっている様だ。小屋の中に入るとヒンヤリと涼しくアブの攻撃もないので、腰掛けて昼飯のおにぎりを食べた。

 昼飯を終え、三斗小屋温泉変分岐を下り始めた。ザレて道幅も狭い場所を下って行く。冬にこの下にある那須岳避難小屋泊をする場合、ここの移動が滑落しやすそうで要注意だな等と考えながら、夏でも非常に滑りやすいので慎重に進んだが、ズルッと行って尻餅をつくと同時に食材や贅沢装備で重くトップヘビー気味だったザックに振られて頭から傾斜をスベリ落ちた。すぐに背面制動をしたら5mくらいで停まった。少し後ろを歩いていた煙草屋の歩荷さんもびっくりしたと思う。雑に上がろうとすると崩れてくるので、所々から頭を出している岩を探って足場にして元の場所に戻ることができた。肘や手のひらに擦り傷ができた程度で済んだ。

 ザレ場を過ぎるとダケカンバの林になって、森林限界が終わる。熊鈴を着けて下って行くと、突然開けて那須岳避難小屋に出た。地図上の小屋の位置は山と高原地図12の位置が概ね正しく、ヤマケイオンラインの位置は、北北西に200m程ずれている様だ。
 避難小屋外扉はロックがないため、外から突っ支い棒で締まる様にしてある。冬に停まる時は直っていないと雪が吹き込んで来そうなので、内側に引っ張るための丈夫なゴム紐と取り付け様の金具を持って行こう。内扉を開けて中を覗くと檜の香りがする上下段の蚕棚の様な作りになっていて収容人数は多そう。ただ、今日は中が暑すぎるのですぐに退出した。

 喉が渇いたので、ザックのサイドポケットに突っ込んでおいたポカリを飲もうとすると、そこになかった。さっきの滑落で身代わりに谷に落ちていった様だ。幸い、この先に水場があるので期待できる。水場の延命水に着くと、充分に喉を潤すだけの水量が有り、文字通り延命水となった。空のペットボトルに延命水を入れて歩き続けた。小さな木橋を渡り少し進むと木立の間から大黒屋の看板が見えた。すぐに煙草屋の看板も見え、写真では何度も見た山奥の旅館街だ。

 受付と設営を済ませ、露天風呂を進められたが、日も高いので源泉に行くことにした。煙草屋の入口の前を抜けて山道を登っていくと温泉神社があった。温泉神社を越えてさらに登ると登山道脇に温泉を引いているパイプが通されており、時折蒸気が吹き出る音がした。
 15分ほど上がると左側の地面に噴気孔があり、その向こうの木立の先から噴煙と噴気の音が聞こえてきた。源泉には角材が突っ込んであるが、これは人などが落ちない様にするためのもの。周辺の噴気孔も、もう少し寒くなった時期なら、肉や野菜をザルに載せて1時間ほど置いておいたら蒸し物になりそう。そんなことを考えながらテントに戻り、ビールで一杯。

 露天風呂は女性用の時間が15時から17時なので、食後、すぐに温泉に入ろうと米を炊き始めた。米はいつも家で取り寄せている「那須・水車の里瑞穂倉」の米だ。おかずはナスのトロトロ炒めラー油風味酢醤油味。那須で那須の米でナスの料理を食べたかったので、食材他、調理用の折りたたみテーブルと折りたたみ椅子を運んできた。ただ、今晩のテント泊は1名だけだったため、設置してあったベンチ?を調理台にできたので、折りたたみテーブルはただザックのスペースを食うお荷物になってしまった。
 食後の温泉は夕焼けを期待したが雲が低くて望み叶わず。温泉は良かったが、油断をしているとアブに囓られるので、タオルをヌンチャクの様に振り回して追い払う必要がある。
風呂上がり後は煙草屋の水でウィスキーの水割りを作って飲む。20時半頃に寝た。

 翌朝は4時くらいに目覚めると思っていたら、目が覚めると4時半を回っていた。寝坊だ。朝食はコーンフレークに牛乳をかけてサッと済ませて荷物を撤収。水は冷凍して持ち込んでいたスポーツドリンクと空のペットとナルゲンの計1.5L。途中の沢で補充するので足りるはず。
 大黒屋の脇を抜けて大峠方向に向かった。

 昨日までの山道は、基本、石が並べてあったり場所によっては石段みたいになっていたりしていたが、この先は踏み跡だけ。途中から、涸れ沢を下ったりして本当にこのルートで良いのか心配になったが、地形図や高度が合っているので進む。最初の赤岩沢の渡渉で飲みかけのペットを満タンに。次の中ノ沢でも峠沢でも満タンにした。三つの沢の上流には人家もなく、全ておいしい水。その後も下していないので飲用適だと思う。
 峠沢の渡渉を過ぎると熊笹の勢いが凄くて完全な藪漕ぎ状態に。鹿の多い丹沢ではあり得ない状態。時折、タヌキやテンの糞を見かけるが、熊の痕跡はなく、藪漕ぎに疲労困憊になりながらコースタイムより大分遅れて大峠に到着。ここで初めて人に会った。

 大峠付近からヒメシャジンやマツムシソウ等の高山植物が多く、心癒された。しかし、森林限界までは灌木の背が低くザックに干渉するため思った以上にペースを上げられない。水をガブ飲みしたので消費が早くなり、頭の中で残量計算開始。昼飯用の牛乳とリンゴも水分に換算して結構ギリギリ。鏡ヶ池まで下りて水を汲みに行きたくなった。
 朝食もコーンフレークでは軽くてシャリバテ気味になってきたので、少し早めに昼食のパンを食べて牛乳を飲んだ。

 三本槍に着いた時は、かなりの登山者がいて、これまでの閑静な感じとは変わってしまった。丹沢で言えば丹沢山から塔ノ岳に出た感じ。三本槍でリンゴを囓ってから清水平へ下る。清水平へは随分下り、これから登り返すのかと思うと北温泉へエスケープしたくなったが朝日岳方向へ登り返す。
 湿地と聞いていた清水平は干上がった赤土の池という感じで少しがっかり。サラッと地味な1900m峰に登ると朝日岳から茶臼岳が一望できる。下山道を下る人たちも大勢見えるがまだまだ遠い感じだ。しかし、朝日岳はもうすぐそこだと思った。
 朝日岳の肩までそれほどかからず到着。この辺りから石の黄色さが目立ち、「那須イエローストーン国立公園」だなと思いながら歩く。所々に咲いているヒメシャジンの周りを切り取って鉢植えにしたいくらい。

 朝日岳の肩に到着後、ザックをデポして登ったら10分ほどで到着した。凄い高度感。ゆっくりしていたいが時間が無くなってきた。
 朝日岳を下りるとザックを回収して剣ヶ峰の巻き道を行く。落ちたら真っ逆さま感はちょっと怖い。戯れたところはフリクションも効かないし・・・。
 ウェスタンワールドっぽい巻き道を過ぎて、峰の茶屋跡避難小屋に到着、休まずに県営駐車場までの道を下った。
 登山道入口のコマさん達に別れを告げて、冬には埋もれているだろう鳥居をくぐって山麓駅のバス停に着いた。
 非常に充実した山行だったが、東京駅からの新幹線の乗車券やバスの運賃でPASMOが使えないのは誤算だった。駅前にコンビニがなくって現金引き下ろしで焦ったが、帰りのバスから一本先の通りにセブンイレブンが会ったのを見つけていたので現金を下ろし、新幹線代はなんとかなった。行き帰りの新幹線は自由席で座って来れたし、金~土の山行は正解だったと納得。ただ、山麓駅のバスでは、休日は観光客が多いので、那須塩原までの1時間40分、立ちっぱなしでいたくなかったら早めに並んでおく必要があるなと実感した。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ サングラス 着替え
地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え)
ナイフ 修理用具 ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品
虫除け 熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ
トレッキングポール ストーブ 燃料 ライター カップ クッカー
カトラリー
【その他】 装備重量:約18kg(水なし。2日目用は、煙草屋で補充)
食料:20日昼食@コンビニおにぎり、20日夕食@飯ごう炊飯で白い飯となすと魚肉ソーセージ炒め酢醤油味ピリ辛
    ラー油風味
    21日朝食@コーンフレーク&常温保存牛乳、21日昼食@メロンパン・クルミパン&常温保存牛乳&リンゴ
非常食:カロリーメイト×4、えいようかん×2、ドライフルーツ(マンゴー)、ビーフジャーキー
水:0.0L(煙草屋に水場があるため。)、ポカリスエット500ml×2(ポカリパウダー持参のつもりが忘れた!)
水使用量:初日1.0L、2日目2.0L
その他:気温も高く防寒着は不要だった。(夕方20℃、朝17℃)

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登った山

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那須岳

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