行程・コース
天候
快晴
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
夜叉神駐車場
この登山記録の行程
オベリスクの往復の経路が設定されていないため、コースタイムは参考程度
【1日目】
夜叉神峠登山口(10:15)・・・夜叉神峠[休憩 5分]・・・杖立峠[休憩 5分]・・・苺平・・・南御室小屋(15:20)
【2日目】
南御室小屋(06:25)・・・観音岳(08:00)[休憩 10分]・・・アカヌケ沢ノ頭(08:40)[休憩 45分]・・・観音岳・・・南御室小屋(11:00)[休憩 60分]・・・苺平・・・杖立峠・・・夜叉神峠・・・夜叉神峠登山口(16:00)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
先週北岳に登ったので今回は北アルプスに行きたかったのだが、北アルプスはお昼過ぎまで雨予報だったため、再び南アルプスを訪れることにした。
【1日目】
夜叉神駐車場に到着すると、遅めの時間だったにも関わらず駐車場は空いている。
広河原向けのバスが出る芦安駐車場の満車具合と対照的だ。
車両を停めて、すぐ目の前の登山口から出発する。
アルプスはマイカー規制が多いため、鳳凰山はバスに乗り継がなくてよいので便利である。
夜叉神峠までは整備された緩やかな傾斜が続き、大変歩きやすい。
登山客も他におらず森林浴を楽しみながら登っていける。
視界が開ける夜叉神峠で一服して、南御室小屋に向けて出発すると、そこそこの急登が待ち構える。
1時間ほどで急登がひと段落すると、傾斜が緩やかな登りが続く。
急登ではないが長い登り坂が延々に続くので、それなりに体力を消耗する。
苺平まで登ると、南御室小屋までもうすぐだが、今度は下り基調となる。
せっかく稼いだ高度が…と嘆きつつも、この辺りから原生林の雰囲気が漂う苔がむした森になり、雰囲気が大変良い。
もののけ姫のコダマが今にも出てきそうだなと妄想しつつ、小屋に向けて下っていく。
小屋に到着して受付を済ませてテントを設営。
受付のおじさんは物静かだが感じのよい対応で説明していただいた。
3連休にも関わらずテン場は余裕がある。恐らく隣の北岳は大変な混みようだろう。
客層も異なるのか、騒がしい人が多かった北岳と異なり、こちらはマナーよく静かに過ごす登山客が多かった。
超有名どころ以外の山にも登る人は、山の雰囲気を感じながら過ごすのが好きだからなのだろうか。
9時頃トイレで外に出たので、星空を眺める。
ちょっと雲が多くて満天の星空とまでは行かなかったが、都内とは比べ物にならないぐらい星がたくさん瞬いている。
もう夜は虫がでない時期になったので、テントの入り口を開けて、寝っ転がりながら星空を眺めた。
こういうことができるから、テント泊はやめられない。
明日の晴れを祈って、眠りについた。
【2日目】
片付けの物音で5時過ぎに目を覚ます。
朝食の準備をしつつ、身支度を整える。
今日はテントに荷物をデポするので、片付けをしなくてよいから気楽である。
テン場を出発すると、しばらく樹林帯を進んでいく。
木々のすき間から力強い太陽が射し、森林限界を超えた先の景色に期待が高まる。
砂払岳付近に来たところで視界が一気に開ける。
北岳をはじめとする白峰三山が現れ、その立派な山体に思わずため息がもれる。
そして振り返ると、そこには雲海が広がり、完璧なシルエットで富士山が顔を出している。
まさに絶景としか言いようのない景色が広がっていた。
こんな素晴らしい景色を見せてくれたお天道様に感謝しつつ、稜線を進んでいく。
富士山だけでなく、金峰山・甲武信ヶ岳や八ヶ岳の山域も雲海から姿を見せていて、今日はこの辺り一帯はどこも素晴らしい景色を見られただろう。
ピークの薬師岳に到着すると、登山客で賑わっており、各々が標識で記念撮影をしていた。
頂上付近は大きな岩が固まっており、そこの上に立って改めてパノラマを満喫する。
そこですでに気持ち的には十分満足できたが、せっかくなのでオベリスクを目指す。
オベリスクまでは観音岳、地蔵岳を超える必要があるが、それぞれのピーク間は結構アップダウンがあり、体力的な負担がかなりかかる。
しかし、進んでいくと見える山も少しずつ変わり、地蔵岳まで来ると甲斐駒ヶ岳も見えるようになり、飽きずに進んでいける。
山頂付近は紅葉が進んで、鳳凰山自体の眺めも素晴らしい。
アップダウンを繰り返し、ようやくオベリスクまで到着。
オベリスクの根元には地蔵岳というだけあってお地蔵さんがたくさん並んでいた。
せっかくなのでオベリスクのてっぺんに登ろうと勇んで行ったが、最後の岩のところで10メートルぐらいの垂直なロープが待ち構えていた。
登ろうとしてみたが足場がなく(一応1センチぐらいの凹みがところどころにあるのでそこに足をかける模様)、自分のトレッキングシューズでは靴底が滑って無理そうだったので撤収することにした。
無理をせず楽しく最後まで怪我なく下山する方が重要である(負け惜しみ)。
そして、もと来た道を折り返す。
帰りはさらにアップダウンが堪えるが、景色の良さが疲れをある程度紛らわせてくれる。
薬師岳まで戻ると、空気がさらに澄んで、北岳と仙丈ケ岳の向こうに中央アルプスや北アルプスがうっすらと見えるほどになっていた。
本当に今日は素晴らしいコンディションだ。
今日最後のパノラマを堪能して、南御室小屋に向けて下山を開始する。
気温も上がってきたので、樹林帯に入ると太陽を遮ってくれてありがたい。
テン場に戻ると、今日宿泊する登山客が来始めていたので、急いで昼食を済まし、テントを片して撤収する。
時刻は13時でコースタイムどおりだと17時到着。ちょっと頂上でのんびりしすぎたようだ。
南御室小屋から苺平までは緩やかな登りだが、それを過ぎれば下りがほとんどなので軽快に降りていく。
先週の北岳は急ぎすぎて足のダメージが大きかったので、今回はかなり足を労わりながら降りる。
しかし、稜線のアップダウンのあとに1000メートル以上を一気に降りたので、さすがに最後の方は緩やかな傾斜でもかなりきつかった。
ようやく夜叉神峠駐車場に到着したころには足が棒になっていたが、良い景色を見れた満足感で心地よい疲労となってくれた。
【まとめ】
アルプスの中では比較的登りやすい山と聞いていた通り、危険な箇所はほとんどなく、山頂の眺望も素晴らしいものであった。
ただ、コースタイムはそれなりにあり、稜線のアップダウンも結構きついので、オベリスクまでピストンするのであれば、きちんと体力をつけたうえで臨んだ方が良いと感じた。
北岳と同じくらいの眺望を得られるのに、混雑はしておらず快適な山行を楽しめる、素晴らしい百名山であった。
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