• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

スマホを落としただけなのに、、、蕎麦粒山藪をうろうろ編

蕎麦粒山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

晴れのち雨

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 岐阜県揖斐郡揖斐川町。ピンポイントな目印がないため、カーナビには「道の駅夜叉ヶ池の里さかうち」が良いと思う。国道303号線。滋賀の方から見ると「道の駅夜叉ヶ池の里さかうち」の500mほど手前にある大谷川沿い(橋を渡って直ぐの道)に林道を数km登ってい行くと突き当りに広い駐車場がある。林道は舗装されていて比較的綺麗だが、工事車両のトラックが頻繁に行き交っているので注意。駐車場は、未舗装。トイレはなし。それ以上先は工事中で進入不可。

この登山記録の行程

蕎麦粒山駐車場(09:39)・・・西尾根取口(09:50)・・・西尾根登り切ったところ(10:50)・・・蕎麦粒山(12:00)(昼食~12:33)・・・スマホ探し・・・西尾根・・・蕎麦粒山駐車場(15:28)

コース

総距離
約10.2km
累積標高差
上り約1,628m
下り約1,632m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

以前から奥美濃の山に登る度に、成端な三角形に整った山が気になっていた。奥美濃の槍と称される蕎麦粒山(そむぎやま)。岐阜県揖斐郡揖斐川町に位置する山で、蕎麦の実を立てたように鋭くとがっているところから名付けられたとか。標高1,297mで、その横には1,230mの小蕎麦粒山(こそむぎやま)もある。以前は登山道もなく積雪期にのみ登ることが出来る山とされていたらしいが、今は、大谷川沿いに登るルート(旧道)と西尾根から登るルート(新道)の2つが存在する。ただし、両方ともに藪や急登でなかなか手ごわい山と聞いていた。
天気は今一つだったが、休日出勤の代休が今日しか取れなかったため、最後のリハビリ登山として蕎麦粒山にやって来た。一昨日は、距離をあるく練習。そして今日は、仕上げとして負荷をかけながら歩く練習。手ごわい山と聞いていたので、挑戦し甲斐があると思いやって来た。
平日だからか、それともそもそも登る人が稀なのか?駐車場には自分の車だけだった。
その横を工事のトラックがせわしなく行き交っている。
どちらのコースを使おうか悩んだが、まずは新道と呼ばれる西尾根のコースで登ることにする。最初に沢を渡って反対側にある西尾根に取り付く必要があるが、入口と思われるところは工事中でどう見ても立入れる状況ではない。仕方がないので少し林道を登って高いところから様子を確認することにする。立ち入り禁止のチェーンをまたいで10メートル程進んだ所で、左側にガードレールから外れて斜面に降りられそうな場所を見つけた。よくよく見ると踏み跡もある。幸先いいぞと踏み跡を辿って斜面を降りる。すると、沢には真新しい手作りの橋が架けられていた。工事を迂回できるように橋を作ってくれた人がいるようだ。有難い。
橋を渡ると直ぐに登山道らしきものを見つけた。緩やかな勾配で真っすぐに延びた道を進む。少し歩くと尾根へのとっかかりか、登山道が直角に折れて真上へと向かう。なかなかの直登だ。
ここまでの登山道は比較的しっかりしている。赤や黄色に色づいた風景の中を登って行く。ここ数日は寒かったのに、今日は軽く歩いただけでジンワリと汗が噴き出してくる。
登山道は、ほぼほぼ直登。それをガシガシと登って行くとようやく峰にたどり着いた。途中、右手側に三角に尖った高いピークが見えた。峰沿いに右へと回り込むようにそのピークを目指すことになる。
峰にはブナ林が広がっていて、その根元には笹が覆い茂っていた。ところどころにシャクナゲの群生も見られる。花のシーズンは結構見ごたえがある場所なのかもしれない。
意外にちゃんとした道じゃないかと思ったのもつかの間、徐々に笹の密度が増し、しまいには身長もすっぽり埋まり前が全く見えなくなった。ただ、ところどころに目印のテープがあるのと、両手で笹の壁をかき分けるとそれなりに道の跡が確認できるので、藪漕ぎに慣れた人なら迷うことはない。むしろ、慎重程の笹が覆い茂っているといっても本当の藪に比べればスイスイ歩けるだけ、十分ましだ。と、普段なら豪語するところだが、春先の藪漕ぎでマダニの大群に襲われた悪夢がまだ記憶に新しく、加えて昨日のTV「ザ!鉄腕!DASH!!」でやっていた台湾ハブの捕獲映像をまじまじ見ていたのが良くなかったのか、脳裏に蛇が焼き付いていて、笹をかき分ける度になんだか身体がむず痒くなる。
ビクビクしながら歩いたせいか、2度ほど偽ピークにも惑わされつつ、思ったよりも峰伝いの道が遠く感じた。ようやく山頂に到着。山頂はとても狭かったが、360度の眺望があり、目立つピークとしては、能郷白山、伊吹山、金糞岳などが良く見えた。福井の山々も岐阜側から見るととても新鮮に見える。
誰もいないので山頂のスペースを占有して昼食をとる。時間もあるのでコーヒーも淹れて、たっぷり山頂タイムを堪能。
下山時は、更に小蕎麦粒山に向かい旧道の沢沿いで周遊しようかとも思ったが、こちらには本当の藪が行く手を阻んでいた。強引に行くか!とも思ったが、まだ足が完治した訳ではないので、無理をせず来た道を折り返すことにした。
一度歩いた道なので、どんどんバリバリと進む。軽快に進み、登りに対し降りはかなりの短時間で峰を戻って来た。尾根から登ってきたポイントまであと僅かと言うところで、いったん立ち止まり、時刻を確認しようとズボンのポケットをまさぐる。まさぐるが、あるはずの物体がない。ポケットの中はスカスカで、何度かき回しても何もない。サーッと血の気が引いて行く。無い物は携帯。どこかで気付かずに落としてしまったらしい。ポケットなんかに無造作に入れてたらいつか落とすと思っていたのに。分かっていても危機感がないと人間はつい楽をしてしまうものだ。振り返り遠くにそびえているピークを恨めしく見つめる。うーーーん。最悪もう一度あれに登るのか。。。
もう、諦めたら??と悪魔の心が囁くが、パカパカパカッと自分の不甲斐なさを呪いつつ覚悟を決めて踵を返し笹地獄へと飛び込む。斜面で落としたなら多分見つけだすのは困難だろう。でも、笹地獄の中だったら、逆に引っかかっていて見つけることもできるだろう。
笹をかき分け、一瞬でも見落とさないよう目を見開いてひたすら探す。こうなるともはや登山ではなく作業。気が遠くなるほど歩いて、いつのまにか偽ピークもほとんど登り切ってしまった。山頂までも、もうあと僅か。それだけ発見の可能性が少なくなったことを示す。やっぱり斜面で蹴り落としたのか、、、と心が折れそうになった時、神様が助けてくれた。笹をかき分けた視線の先に、携帯がポツンと落ちていた。涙が出そうになった一瞬だった。神様、次はちゃんと気を付けます。。。
思わぬロスに、見上げるとすっかり空模様が怪しくなっていた。もはや、リハビリ登山であることを忘れて猛スピードで戻る。雨具は持ってきているものの出来るならこんな笹地獄の中では着たくない。が、神様もそこまでは優しくないようで、途中からパラパラと小雨が降ってきた。西尾根の急斜面を滑り落ちるように駆け降りて、どうにか大粒になる前に車に逃げ戻ることができたものの、蕎麦粒山には全く罪はないが、きっと二度と来ることはないのかもと山を見上げて苦笑した。とは、半分冗談だが、遠くから眺めていてカッコいいと憧れていた蕎麦粒山を踏破できたことは大きな達成感だった。

続きを読む

フォトギャラリー:12枚

すべての写真を見る

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

  • 楽しく読みました。スマホ見つかって良かったですね。お疲れさまでした!

  • かぶこさん、コメント有難うございます。ほんと泣きそうでした。ただ、反省してもまた日が経つとポケットに携帯を入れてしまいそうですが。^_^

  • ahaha(◎^^◎)お天道様はいましたね。

  • 雨降りでバチも当たったけどね。^_^
    でも、人間とは懲りないものです。

  • 携帯が無いと大変ですね
    私もスキーに行くときはホルダーからヒモで落ちないようにしているけど
    山歩きでも気を付けないとダメですね
    でも見つかって良かったですね

  • Kuronekoさん、有難うございます。ほんと、もうダメだと思いました。そう言えば帰りに道の駅で、柿を購入して、kuronekoさんを思い出してまた山門水源の森に行きたくなりました。^_^

登った山

蕎麦粒山

蕎麦粒山

1,297m

登山計画を立てる