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奥日光の氷瀑を訪ねる 戦場ヶ原から庵滝

戦場ヶ原 庵滝( 関東)

パーティ: 1人 (すてぱん さん )

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行程・コース

天候

快晴 午前中は風強し

登山口へのアクセス

電車
その他: 東武日光線
(行き)北千住6:15発 区間快速南栗橋行き 南栗橋から急行東武日光行きに乗り換え
JR日光駅から湯元温泉行きバス(8:40)で赤沼
(帰り)竜頭ノ滝から中禅寺湖温泉までバス
入浴後、中禅寺湖温泉から東武日光駅までバス
今回は「まるごと日光東武フリーパス」(北千住から東武日光往復と、日光地区のバスが乗り降り自由で4日間有効4150円)を活用した。北千住〜東武日光の往復で3100円、戦場ヶ原とのバスの往復も3000円以上するから、とてもお得。

この登山記録の行程

赤沼(10:03)・・・展望台 (10:32)・・・小田代原 (10:46 10:57)・・・弓張峠(11:05)・・・分岐(11:10)・・・庵滝 (12:00 12:37)・・・ 分岐(13:21)・・・弓張峠(13:26)・・・小田代ヶ原 (13:32)・・・ 幕張峠 (13:46)・・・石楠花橋(14:08)・・・竜頭ノ滝(14:29)

コース

総距離
約12.9km
累積標高差
上り約468m
下り約564m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

奥日光の庵滝の氷結を眺めに行ってきました。庵滝は人気があるらしく、たくさんの人がつけたトレースが残っており、雪が少ないこともあってこの日の状況であれば6本爪軽アイゼンだけで十分に歩けました。

何かと忙しない今シーズン、厳冬期の雪山登山に向き合えるだけの覚悟も体力もないけれど、雪の野山の美しさはまた格別だ。どうにか楽して楽しみたいと考えたのが、今回のコース。戦場ヶ原から庵滝なら、トレースも期待できる。このシーズン悩ましいのは装備の選択。雪が深いならスノーシューやワカンが必要だし、低温や強風が予想されるなら手袋も厳重なオーバーグローブや場合によってはゴーグルまで考えなければならない。ただ、この日は風は強そうだが高気圧に覆われて晴天の予想。みなさんのレコを拝見しても、アメダスの積雪データを見てもどうやら雪がかなり少なそうなので、6本爪軽アイゼンとチェーンスパイク、スノーバスケットをつけたダブルストックを用意して、ワカンは持参しなかった。スノーシューが必要なら、三本松茶屋まで行ってレンタルしなければならないが、当日の状況で決めようと出発した。

奥日光を訪ねるときは、「日光まるごとフリーパス」(冬季は北千住から4150円)を買うと便利でお得。東武線の車中からやがて薄明、東の空はオレンジに染まる。西には富士山と大山、東に筑波山がとても目立ち、これらの山が昔から人々の信仰を集めたことが自然に思える。男体山や女峰山が青空のもとであるのに対して、金精峠から西の日光白根山などは分厚い雲に隠れている。山一つでこんなにも天候が違うのだと改めて思う。冬季ではあるが、湯元温泉行きのバスはいつも乗り切れないほど混む印象が強かったので、東武日光駅からバスの始発であるJR日光駅まで徒歩で移動し、バスに乗り込む。

1時間ほどで赤沼に到着、やはり戦場ヶ原周辺の雪は少なさそうで、スノーシューは不要だと判断して軽アイゼン+ダブルストックで出発。赤沼には暖房も入った公衆トイレがあるが、この先のトイレは冬季閉鎖中なので注意。

樹冠をゴーゴーという音とともに冷たい風が揺らす。頬がビリビリ痛い。薄手のウールのバラクラバ(首回りだけ、頭から耳を覆う、目だけ出すのスリーウェイ)で首から耳を覆う。雪が少なく、結果的には小田代ヶ原までならツボ足でなんら問題なかっただろう。小田代ヶ原から車道に入り、弓張峠を越えたヘアピンカーブで車道からわかれ、外山沢沿いを遡って庵滝に向かう。ここからは膝下くらいの積雪だが、たくさんの人が入っていてトレースは明瞭。これを踏み外さなければ、軽アイゼンでなんら問題なく歩けた。ただし、雪の翌日などはわかんやスノーシューが必要だろう。スノーシューやスキーでおもいおもいの足跡を雪面に付けているパーティーがいくつもいた。トレースが明瞭である上、ピンクテープまでついていたので、晴天この日は迷う恐れもなかった。

車道からの分岐から、林間の雪原をゆるやかに上ること1時間ほどで庵滝に到着。樹間にその姿を見たときは、思わず「オー」と声が漏れた。すでに十数人の人が、滝を眺めたり、陽の当たるところでランチをとっている。雲竜渓谷の氷瀑と比べると規模は小さいが、風花が舞い散る中で見上げる10数メートルはあろうかという氷結した滝はさすがの存在感で、微妙な青い色合いも美しい。寒さがまだ続けば、氷瀑はもっと成長しそうだ。ドローンを持ち込んで撮影の機会を待っている人のお話を伺ったりしながら、私も滝を眺めてランチ。ストーブを持ち込んでもいいのだろうが、寒い積雪期は座れないことも多く、ストーブの準備などするよりも簡単な食事に魔法瓶に詰めた熱い飲み物を楽しんだ方が、体が冷えずに良いように思う。今回は雪面を踏み固めて、小さな折りたたみパッドを敷き、濡れも冷たさもなく快適。私は公共交通機関利用の都合上、赤沼出発が10時、庵滝も12時の到着だったが、午前中は庵滝に日が差すのだそうで、氷の表情もまた違ったものになるのだろう。

帰りは、気温も上がってきたのか、何度か雪を踏み抜いた。途中、雪原に寝転んで真っ青な空を見上げた。静かでつかの間安らぎを覚えた。帰りは湯滝に回ってもいいが以前行ったことがあるし、今回は竜頭ノ滝に降りることに。弓張峠からほとんどが車道なので、少々遠回りになっても戦場ヶ原の園地の中を戻った方が楽しめたかもしれない。竜頭ノ滝は一部氷結していて、これも眺めることができてよかった。

竜頭ノ滝からバス。中禅寺湖温泉で途中下車して湖畔の旅荘で一風呂浴びて、再度バスで東武日光駅へ。バスは最前列だったので、ガードレールにぶつかりそうな「いろは坂」のくだりは迫力満点。隣でフランス人らしき観光客がビデオを撮っていた。駅で「日光杉並木」という弁当を買い込んで、追加料金を払って特急列車で帰りました。山は立ち去りがたいのだけど、一度下山すると一刻も早く家に帰りたくなるから不思議です。

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フォトギャラリー:52枚

東武日光駅前の噴水も凍りついている

湯本行きバス始発のJR日光駅に徒歩で移動

バスで1時間ほどで赤沼

6本爪軽アイゼンを装着して出発

弓張峠までは雪も少なく、歩行になんら支障はない

戦場ヶ原展望台から男体山

小田代ヶ原から大真名子山と小真名子山の間いに白く女峰山が見えている

同じく男体山

地吹雪の小田代ヶ原

車道を弓張峠を越えていく

弓張峠から下ったヘアピンカーブで車道と別れ、外山沢沿いを庵滝に進む。ここからは雪がひざ下くらいまで深くなる。

ピンクテープがある上、たくさんの先行者のトレースがついているので、迷うこともなく、軽アイゼンだけで楽に進めた。

門のような顕著なピークの間を左に回り込んでいく

渡渉点もあるが、安定した岩を見極めれば問題なし

庵滝に到着

風花が舞う中、庵滝を見上げる

午前中なら滝に陽がさすのだそうだ

滝のそばでランチをして、戻ります

雪原に寝転んで空を見上げる。静かだ

車道との合流点まで戻ってきました

小田代ヶ原

石楠花橋まで車道歩き。少々遠回りでも園地の中を歩くべきだったか・・・

竜頭ノ滝上部。舗装された歩道は一部凍結しているので足元注意

観音様に無事下山のお礼

不満を言う前に、足れるを知るべきなのかもしらん

一部凍結している竜頭ノ滝

昨年も楽しませてくれたシロヤシオ。今年もよろしく

中禅寺温泉から見上げる男体山

中禅寺温泉で途中下車、温泉に入ってから帰ります

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • すてぱんさん こんにちは。

    大氷瀑の庵滝、戦場ヶ原越しに見える日光連山、青い空と雪と木々、そして夕景の中禅寺湖。真冬らしい素晴らしい光景です。見入ってしまいました。
    平原の地吹雪も迫力あります。

    弓張峠からは無理やりのスノーシューもありそうに思えました。さすが奥日光、雪はたっぷりありますね。

    秩父では、人が手を加えた氷瀑が観光化されていますが、庵滝は、実際に行かずとも、森厳で幽邃さが充分伝わって来ます。

  • すてぱんさん、こんばんは~!

    冬の日光に行かれたのですね。寒くても遠出されていろんな体験をされているのはとても
    羨ましく、魅力的ですね。戦場ヶ原は以前春に行きましたが、雪景色もとても素敵です!
    男体山も美しいです。
    雪がたくさんあるように見えますが、例年より少なめなのですね。でも青い空に白い雪の
    コントラストが写真映えします。

    このエリアといえばきっとまた今年もすてぱんさんのことですから、彼女に会いに行くので
    しょうね。(笑)今年はどんな素敵な子に会えるか今からワクワクしますね♪

  • すてぱんさん、おはようございます。

    奥日光に庵滝というのがあるのは知りませんでした。凍てついて凛とした感じがとても美しいですね。 雪の戦場ヶ原も見てみたいものです。

    日光の氷爆とは言えば、すてぱんさんの十八番ですね!2年前にも素晴らしい雲竜渓谷の写真を拝見したのを思い出します!、、、が、心は早くもシロヤシオ、でしょうか(笑)
    春が楽しみですね!!

  • プックルファザー さん 、コメントありがとうございます。

    弓張峠からは、雪も深くなりますし、新雪を存分に味わうためにトレースから外れてスノーシューやシール付きのスキーを楽しんでいる方もたくさんいましたよ。

    芦ヶ久保の氷柱もまだ機会がないので、一度訪ねてみたく思います。

  • すー さん、コメントありがとうございます。

    寒くて閉じこもりがちなんですが、それじゃあ後悔すると考えて飛び出すのです。でも寒い日の夜明け前の出発は、ワクワクするよりも憂鬱ですね。「俺、何でこんなことしているんだろう」って・・・(笑)

    快晴の空の下、雪原を歩けば、やっぱり来てよかった〜!!と思うのもいつものことです。
    マイカー利用なら、午前中の日が射す庵滝も楽しめるんじゃあないでしょうか?

  • ガバオ さん、コメントありがとうございます。

    近隣では雲竜渓谷の氷瀑も楽しめます。日光駅からタクシー利用になりますが、距離は近いですし、規模も大きいです。金精峠から東側は、戦場ヶ原も含めて格段に雪が少ないのでしょうね。その分、気楽に雪を楽しめるように思います。

    竜頭ノ滝のシロヤシオは、私を待っていてくれましたからね。今年も美しく咲いてくれることを願っています。

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