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茨城の山へご挨拶 神話の山・竪破山へ

竪破山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 十王町黒坂の登山口を目指す。黒前神社が目印。駐車場500m手前から未舗装となるが、特に危険な場所はない。駐車場は15台程度。トイレあり。

この登山記録の行程

駐車場(08:55)・・・後生車(08:57)・・・不動石(09:03)・・・烏帽子石(09:07)・・・手形石(09:08)・・・畳石(09:09)・・・雷杉(09:15)・・・あかめやき窯(09:17)・・・弁天池・仁王門(09:18)・・・甲石・舟石(09:23)・・・黒前神社(09:31)・・・竪破山・山頂(09:33)・・・太刀割石(09:51)・・・軍配石(10:10)・・・神楽石(10:16)・・・奈々久良の滝(10:26)・・・駐車場(11:00)

コース

総距離
約5.0km
累積標高差
上り約421m
下り約388m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

Yamakaeru、2019年度最初の山は茨城県となりました。
茨城県で一番最初に登るべき相応しい山は果たしてどこだろうか。数年前に来た時には迷わず筑波山を選択。言わずと知れた茨城県で唯一の百名山であり、福井県出身としては、深田久弥にもリスペクトした選択だった。
そして今回。思案した結果、選択した山は神話の山「竪破山(たちわりさん)」。
山としてはあまり知られていないが、実はこの山こそ茨城県の名の由来になっている場所と言われている。「常陸国風土記」によると、大和朝廷朝廷に逆らう土着豪族を征伐するため、朝廷の命を受けて北上してきた黒坂命(くろさかのみこと)が、穴にイバラを敷き詰めて敵を攻め滅ぼしたことにちなんで「茨城」の地名が出来たとか。説明が中途半端で「なんで?」と言いたくなるが、まぁこれも神話の世界という事で。。。
もう一つ選んだ理由に、この山には奇岩ハンターの心をくすぐる不思議な岩と伝説と見どころが沢山ある。特に山の名前の由来となっている「太刀割石(たちわりいし)」という奇岩は一見の価値あり。伝説によると、八幡太郎源義家が、奥州征伐に向かう際に、この地で勝利を祈願したところ、神様に一振りの大太刀を授かった。その大太刀を一振りすると大きな岩が真っ二つに割れたと言われている。

ゆっくり目の到着だったが、駐車場には車は一台もなかった。平日のためだろうか。
登山道は駐車場の上を流れる周の横から始まる。登山道の脇に林道もあるが、林道は周遊コースとして下山時に使うため、まずは登山道を進む。
歩き始めて直ぐに最初の観光ポイント「後生車」が現れる。木製の輪を手で回すと願いが叶うというやつだ。とりあえず新生活のソフトランディングを願う。よく考えればもっと他にも願うべきことはあったような。。。
カメラをしまう暇がない程、次々とポイントが出現する。次に現れたのは「不動石」。横に延びた大きな岩の上に、石像が鎮座していた。もともとは黒前神社の神事の際に、神輿の休み場所でもあったとか。
更に「烏帽子石」。先ほど書いた八幡太郎源義家が参拝した時に被っていた烏帽子に似ていたとか。よくある尖がった形ではなく横に広がったような形をしていた。
その横には「手形石」。通行手形に似ているからかと思ったが、看板によるとこれも八幡太郎源義家が石を押した際についた手の跡から名前が付いたという。なるほど、岩を割ったのは聖剣パワーというよりもともと力持ちでもあったのかも知れない。
個人的に気に入ったのが「畳石」。説明の通り畳を積み重ねたように、いやどちらかと言うと厚切りハムを積み重ねたような綺麗な4段の岩がとても不思議だった。八幡太郎源義家がここで腰を掛けて休憩したことから「腰かけ畳石」とも呼ばれている。
登っているとなんだか不思議な人工物を見かけた。縦に立てた土管のような物の上にパイプが付いている。近づいてみると、頂上にある黒前神社に参拝するために、お清めをするためのものだとか。神社の入り口によくある龍の口から水が流れているあれの替わりだ。でも、肝心の水が枯れていた。 :)
もう一つ人工物が。ブルーシートがかけられていたので、自由人の住いかと思ったら「あかめやき窯」と呼ばれる炭焼き窯とのこと。確かに石でくみ上げたかまどのように見える。残存しているものが少なくとても貴重なものらしい。
弁天池で道が二手に分かれる。「太刀割石」はとっておきとして、一旦、黒前神社に立ち寄ることにする。
仁王門の階段を抜け坂を登っていくと空間を埋め尽くすほどの大きな岩が現れる。甲石。甲に形が似ているのが由来と書かれていたが、どちらかと言うと拳骨のように見える。その上には岩の表面にギュッと根を張り、絶妙のバランスで樹が生えている。その幹から鎖が垂れていたので登ってみる。結構な高さだ。アスレチック感が楽しいが、慣れない人には危険なのでお勧めしない。
甲石の正面に回り込むと、岩をくり貫き鉄の扉が取り付けられていた。扉の中には薬師如来が彫られているとか。のぞき込むと確かに薄っすらと石像らしいものが見えた(ような気がした)。
甲石の横には舟石がある。地味だが、ディテール的には一番名前とマッチした形をしていた。
神社の脇に真っすぐに延びる長い階段があった。いや、神社だと思ったら、黒前神社と山頂はその階段の上だった。階段を登っていくと、脇に「この辺がちょうどスカイツリーと同じ634mです」との看板があった。神話の話題が続く中、いきなり現代建築物の名前が登場したのでなんとなく笑えた。そのスカイツリーを通り越して着いたのが黒前神社。なかなか立派な建物だ。一礼をして奥へと進むと、竪破山の山頂(標高658m)へと到着。螺旋階段状の結構大きな展望台があったので登ってみた、
茨城は低い山が多いので、奥久慈男体山もそうだが、ちょっと高いところから顔を出すと周囲の山々がまるで海原のように広がって見える。こんな景色も悪くない。
茨城県で最も高い八溝山を探していたら、遠く山の海原の先に真っ白な山が蜃気楼のように見えた。日光白根山だ。眩しいばかりの白に一瞬で魅了された。今すぐにでも登りたいものだ。反対側には、大好きな神峰山と高鈴山が見えた。鉄塔が目印になっていて分かりやすい。
山の景色を堪能して弁天池の方へと戻り、いよいよメインイベントの「太刀割石」へと向かう。アップダウンも少なく快適に木々の間を抜けていく。
先程の甲石とはまた違った重量感を持つ大きな岩が目に飛び込んできた。想像以上に言葉を失う。もともと立っていた大きな岩が、真っ二つにされ、立ったままの片割れを残し、ゴロンと横になった岩。伝説の八幡太郎源義家が断ち切ったワンシーンが目に浮かぶ。あながち嘘じゃないのかもとさえ思える不思議な光景で、「絶対、人工的に作ったろ!!」と言いたくなるほどの自然の奇跡としては御在所岳の地蔵岩(サイコロ岩と個人的に呼んでいる)に匹敵するんじゃないかと思う。
我ながら呆れる程、同じような構図の写真を撮りまくり、十分満足したので下山することにする。周遊コースとして出発地点で見た林道を使って降るが、途中、最後のポイント「奈々久良の滝」に立ち寄る。一枚岩のような滝が2段。小さいながら目を楽しませてくれる滝だ。残念ながら水量が足りなかったが、その代りに脇の脇にはとても綺麗な山桜が咲いていた。春を感じる最高の構図だ。
竪破山。小さい山ながら、なんと見どころの多い山だろうか。期待以上に良い山だった。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 早速、堪能開始ですね 細い棒に凄い力があるんですね(笑)

  • きっと、岩を叩くと水がでて、空にかざすと海が割れる??

  • 奇岩がいっぱいで楽しそうな山ですね。これから近郊の山を攻めるのが楽しみですね。関東遠征の際はよろしくお願いします(^.^)

  • 山は一つ一つ違った顔を持っていて楽しいですよね。
    関東方面の遠征もよろしくお願いします。^_^

登った山

竪破山

竪破山

658m

よく似たコース

竪破山 茨城県

山名根拠の太刀割石などの奇岩めぐり・竪破山 日帰り

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
2時間35分
難易度
コース定数
9
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