行程・コース
天候
初日:雨のち曇りのち晴れ、2日目:快晴、3日目:曇りのち晴れ
登山口へのアクセス
バス
その他:
往路:甲府駅~広河原インフォメーションセンター
復路:青木鉱泉~韮崎駅裏駐車場
この登山記録の行程
【1日目】
広河原(13:00)・・・白鳳峠入口(13:15)・・・広河原(13:30)
【2日目】
広河原(05:00)・・・白鳳峠入口(05:20)[休憩 5分]・・・白鳳峠(10:10)[休憩 15分]・・・高嶺(12:42)[休憩 33分]・・・アカヌケ沢ノ頭(15:00)・・・鳳凰小屋(15:45)
【3日目】
鳳凰小屋(05:50)・・・五色ノ滝(07:00)[休憩 15分]・・・南精進ノ滝(09:10)[休憩 15分]・・・青木鉱泉(11:21)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
鳳凰山への山行を昨年から何度も考えていたが、シーズンオフでバスが運休していたり、台風が来て中止したりと、なかなか機会がなかった。ともかく、公共交通機関でのアプローチが困難なのだ。
一般的に一泊二日のコルートとして取り上げられているが、登山口発が11時ともなると余裕がなさ過ぎる。
そのため、当初は青木鉱泉のキャンプ場に前泊し、翌朝に出発する二泊三日の行動で計画を立てたが、9月半ばで毎日運行のバスが終わり、金曜日のバスがないことから、青木鉱泉発のルートを断念、11月4日まで平日運行をしている鳳凰山へのルートとしては珍しい、広河原発、白鳳峠のルートで登ることにした。
初日、ギリギリで当日席を確保できた「あずさ1号」で甲府駅に到着、すぐに広河原行きのバスが出る1番ターミナルに並んだ。平日だというのに見る見る列が伸び、座れない人も出た。
台風18号が日本海へ抜けた直後だったので、朝まで降っていた雨も甲府では止んでいたが、芦安の辺りから路面が濡れ始め、広河原ではまだ降っていた。
広河原橋を渡って広河原山荘へ。テント場には誰も入っていないので、雨宿りを兼ねてカツカレーを頼むと「シシとシカのかつもありますが?」といわれたのでシシを選んだ。
雨が止んだのでテントを張るが、風が強すぎてテントが飛びそうになる。風は一晩中強かったが、おかげでフライシートの間に風が通り、テントの底以外は全く結露しなかった。
夕食は炊き込み飯を炊いたが、風で火力が維持できなかったことと、圧が抜けやすいコッヘルを使ったためか、心持ち芯が残る炊け具合でイマイチだったが、半分残して翌朝、茶漬けで食べたら思った以上に旨かった。
二日目、5時丁度に広河原山荘を出発し、金網で斜面が保護された中、ポッコリと空いている白鳳峠への登山口を上がる。入ってすぐにはしごを登り、その後もいくつものはしごや、登山道が崩れて新たにできた不明瞭な迂回路などが多い急登を登る。
忘れたようにピンクテープや赤ペンキによる目印はあるが、ほとんどバリエーションルートに近い、南アルプスっぽいルートと言えるかもしれない。
ようやく、傾斜が緩やかな感じになると、「白鳳峠のシラビソ林」の標識が出てきた。底からしばらく登ると、ゴーロの広がる開けた場所に出る。
ゴーロは思ったより安定していて登りやすい。この辺りで後ろを振り向くと北岳と大樺沢の雪渓らしいものが見えた。ゴーロの中の踏み跡は概ね明瞭で、岩に着けられた黄色のペンキのマーキングを見ながら登っていった。
踏み跡に沿って登っていくと、何となく白鳳峠の方向が左に逸れて行き、左手の斜面の少し高いところを登っていく人が見えた。マーキングと思っていた黄色いペンキと思っていたのは、黄色い地衣植物による斑紋だった。(本来のペンキの色は白)ハイマツの茂みに阻まれてショートカットできないため、来たルートを下って、本来のルートに合流して登り返した。白鳳峠まで、田の登山者は3人しか出会わなかった。
白鳳峠に着くと、赤薙沢ノ頭や高嶺の方から思った以上に人が来るので、急に賑やかになった感じがした。
高嶺へ向かうルートはハイマツ塔の灌木に覆われて体や荷物が引っかかるようで歩きにくい。少し開けた場所で後ろを振り返ると、甲斐駒の雪が積もったような白い山頂が見えた。左には赤岳や阿弥陀岳等、八ヶ岳の山々が見えるようになった。さらに登ると赤薙沢ノ頭の向こうに仙丈ヶ岳が見えるようになる。この辺りまで来ると、ダケカンバの葉が黄色く色づき、秋を感じた。
高嶺の西陵の山頂直下は、等高線が詰まっていたこと殻も想像していたが、普通なら鎖があってもおかしくないような岩の斜面を手足だけで登る必要があった。テント泊用の重いザックに後ろへ引っ張られるような感じがしながら山頂に到着。白目をむきながら見た足下の岩の隙間に小さな赤い実をつけたコケモモが生えていた。
高嶺山頂に上がると、ようやく地蔵ヶ岳のオベリスクが見えた。黒い山、黒い山、白い山とオベリスクまでの稜線が続く。右前方に観音岳と薬師岳、そしてその向こうにはまだ黒い富士山が見えた。
絶景に囲まれた高嶺山頂で魚肉ソーセージ等を食べて休憩している内に、ドッと疲れが来てこのまま ここを本日のゴールとしたくなったが、足を平におけない山頂にいつまでもいるわけにはいかないので、気力を絞ってオベリスクを目指す。
オベリスクへの稜線を歩いていて面白いのは、山のつなぎ目がハッキリしていることだ。高嶺側は焦げ茶の硬い岩であるのに対し、赤抜沢ノ頭との鞍部でくっきりと白い花崗岩のザレた山に変わるのだ。鞍部からの登りになって急に山の感じが変わるのは不思議な感じだ。
白い山肌を登っていくと、薄い雲が下界から登ってきて、一時的に現像的な雰囲気に包まれる。意外にあっさりした赤抜沢ノ頭の山頂は、オベリスクの絶好の撮影ポイントだった。
かなり計画よりも遅れてしまっていたので鳳凰小屋のテント場が空いているか心配だった。
賽の河原まで降りると小屋泊まりの人らしいグループがもうそろそろ帰ろうかといった感じで降りようとしていたのでそれに続いた。
鳳凰小屋に着くとテント場はほぼ一杯だった。狭すぎるため、ペグは使わないで下さいとの時事だったため、フライシートは被せただけにした。おかげで朝露でビショ濡れだった。
自炊の小屋泊まりの人も多いようで、小屋前のベンチは寝るまで全く座る余地がなく、トイレも大小兼用のものが5室しかないためか、常に行列になっていう状態だった。
20時過ぎても騒がしい感じだったが、明日も早いので早々に寝袋に入り、手袋とネックウォーマーをして寝た。気温は5℃。かなり寒い。
3日目、暗いうちに起きると昨晩はよく見えていた星があまりよく見えなくなっている。昨日のような好天は期待できないだろう。
当初の計画では鳳凰小屋から観音岳までの道を登り、観音岳~薬師岳と稜線を歩き、中道ルートで青木鉱泉まで下る予定だったが、稜線の展望も良くなさそうだったので、このまま青木鉱泉まで下り、早めに帰ることにした。静かなドンドコ沢沿いのルートを下った。
少し下るとルート上の河原から尾オベリスクがよく見えた。下りのルートは明瞭だったが、所により荒れているところもあって、山菜採りにでも使っていたような方に行ってしまいそうになることもあった。
雲が上がってきたので、さっきまでハッキリ見えていた観音岳の稜線がよく見えなくなっていった。だが大きく崩れるようなことはなかった。
五色ノ滝、白糸ノ滝と脇道に逸れて見に行ったが、崩落箇所を迂回したり、ルートファインディングに時間がかかってしまい遅れ気味になっていたので、残りの滝へは行かなかった。
小武川の堰堤まで出ると地図通りに工事中で迂回コースを取り、青木鉱泉にはバス出発の45分程前にと到着できたので、鉱泉でバスの切符を購入し、風呂に入っていくことにした。
事前情報ではシャンプーや石けんは使用禁止とのことだったが、備え付けのものがあった。お湯は比較的温めで長く使っていられる。気持ちよすぎてノンビリと浸かりすぎてしまい、昼過ぎのバスに乗ったのは出発5分前だった。
マイカー以外でのアプローチが難しい南アルプスではあるが、登山口のキャンプ場を利用することで自由度は増す。今回の山域は、メジャーな山域であったものの、広河原から白鳳峠までの静かな感じは、コースの組み立てにより、冒険的な面白さを倍増できることを感じさせてくれた。
フォトギャラリー:41枚
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
登山靴 | バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
タオル | 帽子 | グローブ | サングラス | 着替え | 地図 |
コンパス | ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ |
修理用具 | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 | 虫除け | 熊鈴・ベアスプレー |
ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ | トレッキングポール | GPS機器 |
ストーブ | 燃料 | ライター | カップ | クッカー | カトラリー |
【その他】
装備重量:約16.5kg 食料:4日昼食@広河原山荘、4日夕食@飯ごう炊飯1.5合&ラムステーキ+玉ねぎ 5日朝食@前日のご飯残り&味噌汁、5日昼食@行動食、5日夕食@ベーコン&玉ねぎ入りクリームパスタ+焼ベーコン 6日朝食@マーボーメシ+α、6日昼食@行動食 非常食:カロリーメイト×6、魚肉ソーセージ×3 水:1.0L(ハイドレーション。以後、経路上水場で補充。)、 |
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