行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
カーナビには「JR西金駅」をセット。国道118号で向かうと、「JR西金駅」の反対側に「男体山」の看板があり舗装道路が延びている。綺麗に舗装されいるので危険個所はないが、車幅が狭く住民の方も多く利用するので速度には注意が必要。峠を越えて降って直ぐの右に折れたところに大円寺駐車場がある。10台程度。無料。綺麗なトイレあり。座標で検索可能であれば(36.716115,140.420048)をセット。新型コロナウイルス対策で封鎖されているが、その50m程手前などに5台程度の空き地もある。
この登山記録の行程
大円寺駐車場(06:57)・・・男体山・健脚コース入口(07:10)・・・<健脚コース>・・・男体山(07:49)・・・大円地越(08:21)・・・鷹取岩(09:31)・・・釜沢越・・・篭岩登山道分岐・不動滝の真上(10:25)・・・篭岩展望台(10:45)・・・篭岩山(11:24)・・・釜沢越・・・登山口(12:10)・・・<奥久慈パノラマライン>・・・大円寺駐車場(12:42)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
敬愛する平出和也さんが夏の遠征を断念して「Stay Home」をしているという。
山の先輩からも「山男なら黙って耐えるべし!」と励ましの言葉。
精神衛生上、散歩レベルでもいいから山の空気を吸わないと死んでしまいそうだったが、さすがにGW期間中は国民レベルで「Stay Home」に意識を合わせることが大事だと、近隣や難易度関わらず山そのものへの立ち入りを自粛していた。
5月14日付け緊急事態宣言(39県)の解除を受けて、最初の週末。晴れた日曜日を狙ってようやく山へやってきた。当面は、県境越えは自粛を継続するつもりだが、とにかく今は一刻も早く、緑溢れる自然の中に身を置き、新鮮な空気を吸わないことには、大げさではなく本当に心が干からびてしまう。
緑と花を求め、やってきたは「奥久慈男体山」。1時間もかからず登りきってしまうが、それでもそこそこの急登と鎖場が楽しめるので、鈍った身体のトレーニングにもなる。
大円寺駐車場はいまだロープで封鎖されていたので、手前の空き地に駐車をしてスタート。
小さな鳥居を抜け健脚コースに入っていく。ちょっと見ない間にすっかり緑が濃くなっていた。山ツツジもほとんどが終わっている。
山は一日いちにち目まぐるしく成長し大きく様変わりをしている。花が咲き誇る春の貴重な時期に自然に触れることができなかったなんて、つくづく新型コロナウイルスが憎い。
男体山の一番のお気に入りは中腹を過ぎたところにある大きな岩からの展望。始めて登った時に、思わず「お-っ」と感嘆の声を上げた記憶がある。濃くなった緑。連なる奥久慈の山々がまるで大海原のように広がっている。圧巻だ。大昔にアフリカを訪れた際、飛行機から「どこまでも広がる森」を眺めて、当時、長い間、緑のない世界にいた自分にとって、あまりにも緑が眩しくて涙したことがあった。ここ男体山に来るたびにそれを思い出す。
後半、もう一度急登で汗をかき休憩所に到着。ここまでくれば登頂したも同然で、山頂までは数分もかからない。もっと短時間で登りきる予定が、やはり怠けていたツケは大きく、鉛のように身体が重たくて重力に負けてしまった。我ながら情けない。
少しだけ休憩して汗を整える。袋田方面へ行こうかとも悩んだが、結局、篭岩を目指すことにした。奥久慈はどこを歩いても最高だが、とりわけ男体山から大円地越を抜けて鷹取岩を目指すルートは、大のお気に入りだ。
大円地越へ降っている途中で、淡いピンクの花を見かけた。アカヤシオだ。時期も後半に入っているが、まだ綺麗な花を咲かせていた。その近くに、これも見覚えのある葉っぱを見つけた。シロヤシオだ。さすがにこちらは完全に散っていて葉っぱしかなかったが、どこかに花が残っていないかと、近辺を探してみると、5輪ほど花を咲かせている樹が唯一1本だけあった。今年はもう会えないと思っていただけに、例え5輪でも嬉しくなる。春の花には、人をワクワクさせる力がある。大好きなシロヤシオに会えて大満足だ。
鷹取岩で、遠く男体山を眺めつつ、小腹が空いたのでおにぎりをほおばる。
釜沢越に到着。一般的には左に折れるが、今日はこのまま真っすぐ尾根沿いに進んでみる。れっきとした登山道なのに、こちらは極端に歩く人が少ないためか道が荒れている。急斜面や見落としやすい場所も多いため、慣れていない方は注意が必要だ。
その結構な急斜面を降っていくと、丁度、不動滝の真上付近で篭岩展望台駐車場からの登山道に合流する。ここはしっかりとした登山道なので迷うようなことはない。合流して暫くは、滝の上を流れる沢を、遡上するように歩く。これがいつ来ても神秘的で楽しい。
ただし、登山道が沢を離れるといきなり急斜面が待ち構えている。おそらく男体山の健脚コースよりもこちらの方が確実にしんどいと思う。
登っていくと、「下ノ廊下」のような崖をくり貫いたような道が出現する。奇岩ポイントで、以前の記録では、日本のカッパドキアと表現した頃があるが、複数のくぼみや穴が、まるで住居のようになっている。そこに立ち並ぶ石像が一層不思議な世界観を醸し出している。これを見るだけでも登ってくる価値がある。
篭岩展望台で汗を拭う。もう少し足を延ばそうかとも考えたが、お腹が空いてきたので篭岩山まで登り、昼食をとることにした。
篭岩山まではきちんと整備された登山道が続くが、稜線に出てから2、3か所垂直にのぼり降りする鎖場があるので、そこに関しては少し注意が必要だ。
篭岩山の山頂は樹々に囲まれているため展望はない。僅かに男体山の頂が見える程度だ。
いつ来ても虫が多いと感じるのは自分だけだろうか。残りのおにぎりを食べて急いで、男体山方面へと移動する。本当はそのまま稜線伝いに一直線に大円地越方面に向かいたかったが、降ったコルのところで、バッテンのようにトラロープが張られていて、それ以上進めないよう通行止めになっている。道が荒れていて迷いやすく危険とのこと。個人的には何度も歩いている場所なので慣れてはいるが、今は自分で設定した自粛ルールで、「藪漕ぎ」を封印しているので、ここは一旦降って谷沿いに戻るコースをとることにする。
ところが、勢いよく降りすぎたためか、右に折れる道を見落としてしまい、気が付いたら「釜沢越」まで戻ってきてしまった。
いつもなら平気で、山一つ分くらい登り返すところだが、完全に鈍っているせいもあって、気分が乗らない。心の中で言い訳を作ってそのまま下山することにした。
あとは奥久慈パノラマラインをゆっくり歩きながら大円寺駐車場へと戻る。思っていたほど歩けなかったが、久しぶりに山の美味しい空気が堪能できて満足だった。
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