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栗駒山・秣岳(紅葉のフルコースを味わう)2020

栗駒山・東黒駒山・秣岳( 東北)

パーティ: 1人 (ブナ太郎 さん )

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行程・コース

天候

うす曇り後曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 大駐車場には200台ほど止められます。ここからいわかがみ平までは、小型のシャトルバスが頻繁に出ています。行きは7時が始発、帰りは午後3時が最終です。協力金五百円。

この登山記録の行程

いわかがみ平登山口(7:43)・・・新湯沢渡渉点(8:33)・・・【休憩10分】・・・東栗駒山(9:41)・・栗駒山(10:08)【休憩5分】・・・岩頭展望台(10:56)【休憩】・・・しろがね湿原(11:59)【休憩20分】・・・秣岳(12:31)・・・須川温泉(13:55)・・・ゼッタ沢渡渉点(14:17)・・・栗駒山山頂(15:17)・・・いわかがみ平登山口(15:58)

コース

総距離
約20.4km
累積標高差
上り約1,430m
下り約1,505m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

栗駒山の紅葉は「神の絨毯」と呼ばれている。それを紹介する時に、宮城県側では山頂付近から「中央コース」を俯瞰した写真が良く使われる。この広い稜線の紅葉は赤が主体だが、黄色や緑も適度に織り混じっていて美しく、まさに「神の絨毯」だと思わされ、栗駒山の紅葉はここに極まれりと思っている方も多いだろう。

ところが栗駒山には、その他にも紅葉が美しい箇所がたくさんあり、それは「神の絨毯」とは趣を異にしている。そのような多様な紅葉を楽しめるのが栗駒山で、だからこそ地元の人は「栗駒山の紅葉は日本一」と胸を張って言うのだろう。

【概要】
今日は、その日本一の紅葉をフルコースで楽しむことにしよう。
行程は、宮城県側の「いこいの村」大駐車場(紅葉の期間はここまでしか進めない)に車を止めてシャトルバスでいわかがみ平に向かう。協力金は五百円で、すでに第一駐車場は百台近い車で満車状態だった。金曜日なのだが、明日、明後日は台風14号の影響で天候は芳しくないため、前倒しで来ている登山者が多いのではないかと思いわれる。

いわかがみ平からは東栗駒コースに入り、東栗駒山山頂を踏んで稜線を歩き、栗駒山山頂に向かう。山頂には人が多いだろうから、ここを須川分岐点に下り、御駒ヶ岳の岩頭展望台を通って天馬尾根コースを歩く。しろがね湿原から秣岳に至り、ここから車道に下りて車道を歩き、須川温泉からゼッタ沢を渡渉して自然観察路に進み、再び栗駒山山頂を目指す。

栗駒山山頂からは中央コースをまっすぐに下っていわかがみ平に戻る。
総距離数は21kmあまり、累積標高差は1400mを超えるというロングコースである。
バスの最終発車時刻が午後3時ということなので、少し急がないといけない。(結局バスには間に合わなかった)

【詳細】
それでは、本編に入ろう。

東栗駒コースは泥濘と岩の道である。段差があって歩きにくく、前日の雨の影響で靴もパンツの下も汚れてしまう。それでも顔を上げると、鮮やかな紅葉が目に飛び込んでくる。先行者を何人か追い越しながら、しばらく進むと視界が開けて、右手に東栗駒山の岩頭が見えるようになった。

そこからまた沢に下って、新湯沢渡渉点を上流に歩き、100mほど進んで右手に渡る。そこからは開けた広い稜線を、東栗駒山に向かって歩いていく。目の前には栗駒山がどっしりと座り、周辺は赤く染まっている。素晴らしい紅葉である。神の絨毯と称される部分は右手後方に見えている。ただ、残念なことに栗駒山の山頂部にはガスがかかっていた。

東栗駒山は山頂がよくわからない平頂だった。なだらかな馬蹄型の稜線が栗駒山に続いていて、ここをのんびりと歩く。稜線からの眺めは抜群である。左手に栗駒山と鞍部、正面には稜線、右には遠く早池峰山や五葉山が見える。ここも登山者が多く、稜線上には黒い点のように登山者が見えていた。栗駒山山頂のガスも取れてきた。

栗駒山山頂手前で中央コースと合流し、階段上の道をしばらく進むと、間もなく山頂である。振り返ると神の絨毯が実に見事に広がっていた。なるほど、これが栗駒の紅葉ですねと呟きながら山頂に至る。これまでも紅葉の時期に2回歩いているが、時期が早かったり、天候が芳しくなかったりして、これまではこの絨毯を十分に味わうことができなかった。

山頂は人でごった返しているので、すぐに須川分岐点に下る。下る途中の眺めも素晴らしく、岩手県側の山肌は赤く染まっている。その向こうには雲から頭を出している焼石岳が見える。下を見れば、須川温泉、名残ヶ原、昭和湖周辺に黄葉が広がり、さらに左に目を転ずれば、龍泉ヶ原の湿地、そしてこれから歩く天馬尾根と秣岳、その先に鳥海山も見えてきた。

御駒ヶ岳に進むと、ここには岩頭展望台がある。ここから見る須川温泉、名残ヶ原、昭和湖周辺、そして龍泉ヶ原の湿地が素晴らしく、草紅葉に点在する赤、黄色、オレンジ、緑が、神の絨毯とは違った美しさを演出していた。

御駒ヶ岳の長い下りを凌ぎ、天馬尾根コースに入ると雰囲気はまた変わり、今度はしろがね湿原の草紅葉の中を進んでいく。振り返ると御駒ヶ岳と栗駒山が並んで見える。途中、錦に彩られた岩場があり、ここからの景色もまさに絶景だ。先には神室連峰が横たわり、右を見ればもう一つの湿地の先に秣岳山頂があった。

秣岳からは車道に下り、車道を歩いて須川温泉に至り、車で溢れた駐車場を過ぎて、硫黄の匂いの中、お湯のあふれる沢を渡って名残ケ原に入る。ここの黄葉は黄色が主体で、また違った雰囲気ある。黄色は輝くようで、木道の向こうにガスがかかった栗駒山が見えた。

ここからはゼッタ沢を渡渉して自然遊歩道に入る。遊歩道とは言うものの、登山道そのもので泥濘がひどく、歩きにくいことこの上ない。その上、次々に下山者とすれ違い、なかなか進めない状態である。風が強くなり、ガスに覆われた山頂部は風速10mを超えているような状態に、刻々と変わっていく。時刻も午後2時を過ぎ、このままでは最終のバスに間に合わない。

それでペースを上げて、黙々と登っていった。風は強く、気温は下がっている。降りてくる人もまばらになり、ようやく山頂に着いた時には、午後3時を少し過ぎていた。誰もいない山頂は強風で、そのまま中央コースを下りる。かなり飛ばして下り、十数人の登山者を追い越して、いわかがみ平に着いたのは午後4時前だった。

バスがないので、駐車場まで徒歩で下っていると、途中で栗原市の職員の方が乗ったワゴン車が通り、これに拾っていただいた。私の他にも十数人が、このワゴン車に拾われたようだ。ありがたい!この方達は、遭難者や不明者がないかどうか、駐車場に残っている車の確認をしていたのである。頭が下がる。

こうして本日の長丁場は終了したが、出発時刻が遅かったために、帰りが予定を50分も過ぎてしまったという読みの甘さには反省が必要である。午後遅くには山頂付近の天候は荒れ模様になり、ほとんど人のいない山頂を越えるのは避けなければならなかった。そのような反省点はあったものの、紅葉を味わうという点に関しては、十分な満足感を味わった1日だった。

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装備・携行品

登った山

栗駒山

栗駒山

1,626m

秣岳

秣岳

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