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(中津川ルート)秩父槍ヶ岳から白泰山(栃本)ワンデイハイク

中津川、(秩父槍ヶ岳)、コンサイス槍ヶ岳、シャクナゲ尾根、白泰山、信州往還、栃本( 関東)

パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )

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行程・コース

天候

曇り、午後からガスと小雪、風なし。ハイドレーションのホースが凍った。

登山口へのアクセス

その他: 行き_
秩父駅近くのネットカフェに前泊、秩父駅06:24(平日ダイヤ)~06:45三峰口駅07:10(西武観光バス中津川行き)~08:07農林センターバス停
帰り_
川又バス停16:26~17:05三峰口駅

この登山記録の行程

(丸ガッコ内は地理院地図の表記)
08:37~中津川を渡渉してスタート
10:12~稜線に上がるも進路に迷う(標高1300m付近)~10:25
10:44~コンサイス槍ヶ岳(P1341の西南西400m)
11:08~(P1461)
12:00~(1561.1三角点)~12:10
12:30~(P1546)
13:06~(P1589)
13:35~白泰山避難小屋(記念碑記号付近)~13:53
14:07~白泰山頂
15:05~林道を横切る~15:14
15:50~栃本集落(神社記号付近)
16:03~川又バス停フィニッシュ(国道140号との合流点)

コース

総距離
約16.0km
累積標高差
上り約1,943m
下り約2,009m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

正月に歩けなかったコースに再チャレンジした。秩父槍ヶ岳の周辺・シャクナゲ尾根・白泰山から栃本への尾根はそれぞれ雰囲気がまったく異なる。みっつをいっぺんに味わえたのは贅沢だが、未消化の部分も残った。白泰山の尾根が特に印象深く、十文字峠を越えて信濃へ降る夢がふくらんだ。
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○ プランとアプローチ
ハイキングのエリアを広げようと奥秩父の地図を眺めることが多かったが、この山域はアクセスに難があり日帰り・公共交通機関利用のハイカーにはやや厳しいなと躊躇していた。ところが西武鉄道の「秩父漫遊切符」が期間限定で割引なんだという。池袋~西武秩父往復とそこから先の西武観光バスが二日間で1590円!通常の漫遊切符は2230円だし、交通系カードで通り過ぎれば3570円(バス含む往復※)だからずいぶんお得な設定だ。調べれば三峰口から中津川へ向かうバスは都内始発だと間に合わない便がある。じゃあ、浮いたお金で秩父のネットカフェでひと晩過ごせば乗れるでしょ。これでまず08時過ぎの行動開始を確保した。
コース取りも中津川→栃本(川又)に限り、逆はないと計算した。中津川に下りると終バスは16:00だが、川又なら16:26のあとに17:35の市営バス三峰口行きがあり、保険がかけられる(※市営バスは平日ダイヤ。休日にこの便はない)。通常10時スタート~16時までの行動時間が、08時すぎスタートで17時まで歩けるなら他の山域と条件はおなじだ。ということで勇んで出かけた。
※池袋~西武秩父~中津川の往復運賃。詳細は以下を。
https://www.seiburailway.jp/ticket/otoku/chichibusi-chichibu-manyu-kippu/index.html
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○ 稜線まで
バス停から中津川に下り対岸に渡るが、神社に詣でるための橋は流されたらしい。足を濡らさずに渡渉できるかどうかギリギリの水量だった。
神社右手から取り付く尾根のトレイルははじめ一般登山道なみに明瞭、途中から薄くなったり消えたりする。いくつかのレコを参考にさせてもらった。トラバースしながら尾根を取り替えること2回、このルートのとりかたは面白いと感じた。特徴的なのはとにかく足元が安定しないことで、立派に苔生し「もうここに何十年といるんだが」って顔をした石までが足をかけると動く。登りだから手をつく余裕があったが、下降でこの斜面は大変だろう。
途中からぼんやりした昔の道型に出会う。ガレ具合ザレ具合は同じようなものだ。むかしこの道は秩父槍ヶ岳周辺に立っていたNHKアンテナの巡視路だったという。そこを歩いているのだろう。
(参考:2007年の山行記録)
http://www.ne.jp/asahi/piano/yama/ChichibuYarigatake.html
稜線が近づくと傾斜がキツくなるが、「この距離だし。もういいだろう」と先人のトレースを端折り、手を使いながら横から稜線に上がった。これが間違いのモトだった。
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○ 道迷いとコンサイス槍ヶ岳
稜線に上がる手前から「なんだかやたらテープが出てきたな」と思ってはいた。稜線に上がるとピンテがみっつも目につき面喰らう。ここにピンテって下降用だよなあ、なんか凄すぎないか秩父槍ヶ岳、と驚嘆したのを覚えている。上がった地点からすると左手(東)が秩父槍ヶ岳のはずだ。ところが少し移動してGPSを取ると西に向かっている。スマホの動作異常を疑って再起動しても結果はおなじ。それなら、とバックして直進すれば崖の上に出るし、これでわけがわからなくなった。
じつは、「やたらテープが」の場面はすでに稜線に上っていたらしい。地図上では秩父槍の西80mの鞍部にあたる。そのまま右の高みに気をとられ上がる途中で「ピンテみっつ」、そのとき西北西を向いていたようだから左に踏み跡をたどれば西進することになる。以上は間違っているかもしれないが、帰宅してGPSのトラックを解釈した結果だ。もうひとつ、秩父槍が「高くないピーク」であることを忘れていた。とうぜん周囲を観察したはずなのに、自分が立っているところと同じか・より低い場所にピークがあるなんて考えなかったようだ。初見の山をルートをはずれて登る天邪鬼が招いた道迷いだろう。
現在地と進路を確定するために、頭にハテナマークを載せたまま踏み固められたトレイルをとりあえず歩く。10分弱歩いて古い道標を見つけ問題は解決したが(写真17)、もう戻る気分ではない。本家より90m高いコンサイス槍の山頂をこえシャクナゲ尾根に向かった。
● このエリアはどこから上がっても道迷いが多い様子だ。道中が剣呑なオフトレイル(バリエーション)であることも加えて安易に取りかかるのは危険だと思う。
● テープ・リボン類が多いのも要注意。この2年のハイキングでこれほど密度高くマークが付された山域はなかった。「誰がどういう目的でつけたのか」が不明なマークはかえって道迷いの原因になりかねないのでは。
(参考:テープへの疑問)
https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/detail/yamacafe20190914.html
● 『コンサイス日本山名辞典』にはこちらが秩父槍ヶ岳、と載っているからこの山名がついたとか。
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○ シャクナゲ尾根を白泰山へ
一連の秩父槍ヶ岳を過ぎ、P1461からP1546までを前半として記述する。岩混じりの尾根をゆくこの区間はふたつの意味でルートを求めるのに神経を使った。大きくは尾根が進路を変える地点で間違えないこと、細かくはいくつかのピークを越えるときのルート探しだ。前者は要所でGPSを開けば問題はないが、後者はハイカーそれぞれのフリースタイルになる。仮にGPSログを拝借しても、真っ直ぐ登ったのか巻き気味に上がったのかは教えてくれないのだから。踏み跡がしっかりついている部分もあれば見つけられない箇所もあった。危なっかしいシーンが多いようでも(写真23・24)、つかめる潅木や岩も多い。通過に緊張する場面はなく途中から「けっこう見かけ倒しの尾根だな」と可笑しくなったのを覚えている。途中の1561.1三角点は「小若沢」の名がついたピークのようだが、山名標も三角点も見逃した。
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P1546を越えれば尾根は落ち着く。ここからシャクナゲ尾根の後半とする。白泰山が近づくにつれ、名前どおり密生したシャクナゲがうるさい。電池残量が少なく写真を撮れなかったが、枝が体にまとわりつく独特の邪魔の仕方をする。例によってワン・ルックで適当に進路をとったが、慎重に踏み跡を探したほうがラクだったかもしれない。通過に苦戦しながら「ここにこそテープが欲しい」とボイスレコーダーに残していて、それはあんた、自分勝手というもんだぜ?
13時半過ぎに白泰山避難小屋着、まずは二里観音さまにお礼のお参りをして小屋に入る。評判どおり至れりつくせりの小屋で、大切にされている様子が印象に残った(写真32~35)。
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○ 信州往還を下降する
避難小屋を発ち高いところを目指して歩く。踏み跡はあったり見つけられなかったりだが15分ほどで白泰山頂へ。避難小屋~山頂、山頂~信州往還の尾根道、はハイカーによっては「道に迷いやすい」とすることもあるようだ。ただ危険箇所はない。
ハイキング途中から降りだした細かな雪がうっすら積もって絶好のコンディションだ。「ここを歩け」とトレイルの歩きやすい部分を示し、滑り止めにもなってくれる(写真38~41)。このエリアは東京大学の演習林だそうで、おかげで都水道局の巡視路なみに手入れが行き届いている。はじめてのコースなのでバスの時刻が頭の隅にあり、しかし途中で十分余裕があることがはっきりしペースを落とす。ザ・ハイキングコースをじつに気分良く歩いた。やっぱり自分はハイカーなんだと思う。上下に移動しても感激が薄く、傾斜のおだやかな道を調子よく飛ばしていると上機嫌だ。
よし、こんどはこの道を歩いて信州に降ってみよう。
(了)

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フォトギャラリー:46枚

1.
終点中津川のふたつ手前、農林センターバス停で下りる。
乗車中は気づかなかったが自由乗降のお客にバスが近づいているのを知らせるために、メロディーを流しながら走り去っていった。曲はたしか「静かな湖畔」。

2.
車道から河原に降りる。渡渉点は100mほど下流なので川に近づかず、砂浜を歩いたほうが楽だと思う。
水量少なく写真の石を伝ってなんとか渡ることができた。

3.
渡渉すると正面が諏訪神社。お参りして右後方の尾根に取り付く。

4.
はじめは踏み跡明瞭の登山道風。

5.
おなじく。

6.
ここまでトラバース道をたどり標高900m。凍結した沢を渡って真ん中の尾根に切り替える。

7.
標高950mで2回目の尾根切り替え、真ん中の尾根へ。手前の沢は枯れていた。

8.
なかなか道型を見つけられない。とにかく石・岩が落ち着かず歩行に神経を使う。

9.
標高1050m付近で道型に出会う。石で路肩を補強したむかしのトレイルが九十九に続く。振り返って撮影。

10.
道型は薄く見失いがち。

11.
答えあわせ的にテープ・リボンを見かけた。

12.
稜線が見えた。

13.
正面奥の岩は登れそうだと思って撮ったが、登らなくて良かった。帰宅して確認すると秩父槍ヶ岳の東に出てしまう。きっと道に迷っただろう。

14.
「やたらテープが多くなってきたな」と思いながら、本人は右の高みに気をとられて稜線に上がったことに気づいていない。

15.
「稜線に上がった」と考えて撮影、振り返って。ここを下降ルートにするなんてありえないのでは、とボイスレコーダーに吹き込んでいる。秩父槍ヶ岳へ導くテープかもしれないとは考えなかった。

16.
方角がわからないまましっかりした踏み跡を歩き始める。

17.
ここで道間違いが確定=進路が確定したが、戻る気分ではなかった。

18.
コンサイス槍ヶ岳ピーク。

19.
鞍部に降りた。コンサイス槍を振り返って。

20.
相原橋への下降地点らしい。

21.
前の写真すぐ先の高みにて。「これより先は通行止め」。申し訳ありませんがくぐらせていただきます。

22.
前とおなじ地点、振り返って。境界標識はこの先もしばしば見かけた。

23.
1561.1三角点へ向かう途上のトラバース道。おなかがすいたので崖に腰かけて食事休憩。

24.
三角点への登り。

25.
P1546にて。このあたりから小雪が舞い始る。

26.
P1546を過ぎれば尾根は平穏。

27.
道中。振り返って撮影だと思う。

28.
うっすら積もりだす。

29.
前の写真とおなじ地点、P1589を振り返って。

30.
白泰山避難小屋への登り、あともう少し。シャクナゲのヤブはすでに抜けている。

31.
白泰山避難小屋。

32.
二里観音さま。小屋は左脇にある。

33.
内部にストーブ、

34.
薪は小屋の外にも用意されていた。

35.
薪づくりの道具や掃除用具、簡易トイレなども。

36.
小屋からすぐ先の高みが「のぞき岩」、好展望らしいがガスっているので立ち寄らず。

37.
白泰山頂。展望はない。

38.
山頂から尾根道に合流する。栃本への進路は右、左は白泰山ピークを踏まずに避難小屋へ向かうトレイル。

38.
下降路、というほど下降しない尾根道をゆく。とても歩きやすかった。

39.
道中。

40.
道中。

41.
道中。

42.
いったん林道に下り、向かいのトレイルに入る。

43.
両面神社。

44.
栃本集落から対岸。和名倉山だろうか。

45.

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装備・携行品

【その他】 ラ・スポルティーバのアキラ。テスラのタイツにモンベルのロングパンツ。モンベルのメリノウール+マウンテンハードウェアの速乾性長袖シャツの重ね着にモンベルの綿入りアウター、バラクルバ、ペツルのヘルメット、ブラックダイヤモンドのフルフィンガーグローブ(~コンサイスまで)とモンベルのグローブ。ザックはロウアルパインの25リッターにモンベルのギアホルダーを外付け、ココヘリ発信機・モンベルのチェーンアイゼン・モンベルの雨具上下・ユニクロのライトダウン、薄手フリース、ロールペーパー・ヘッドランプ・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・キャメルバックのハイドレーションに水1.5L・おにぎり・非常食のカロリーメイト、下山後の着替え一式・サンダル。スタート時重量7.0kg。

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登った山

秩父槍ヶ岳

秩父槍ヶ岳

1,341m

白泰山

白泰山

1,794m

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日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
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難易度
★★★
コース定数
22
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