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純白の彼女は大長のその先に

取立山、鉢伏山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 4人 (Yamakaeru さん 、ほか3名)

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: R157から奥越高原県立自然公園へ向かう。キャンプ場への林道は入口からこの時期は除雪されていないため、国道沿いの取立山冬季駐車場に停める。勝山方面から来ると、トンネルを出てすぐ左側にある。10台強は十分に駐車可能だが、直ぐに満車になるため早めの到着がお勧め。トイレはない。

この登山記録の行程

国道沿い取立山冬季駐車場(07:23)・・・直登・・・取立山駐車場(08:28)・・・直登・・・稜線沿い(09:05)・・・取立山(09:48)・・・鉢伏山(11:59)・・・(12:36~昼食12:59)途中のピークで折り返し(11:04)・・・途中で昼食(11:15~11:35)・・・取立山(13:53)・・・取立山駐車場(14:58)・・・料金所・・・国道沿い取立山冬季駐車場(15:23)

コース

総距離
約12.5km
累積標高差
上り約1,346m
下り約1,346m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

2年ぶりだろうか。取立山にやって来た。
福井の代表的な雪山だけあって7時前というのに駐車場はもう半分以上埋まっていた。それも、途切れなくやってくる車で、僅か10分ほどの差で埋まってしまうだろう。
今日は久しぶりに山仲間と合流しての雪山登山。しかも、ザックの後ろには新品のスノーシュー(TUBBS FLEX VRT)が早く使ってくれと主張している。もう直ぐにでも歩き出したい気分だ。スノーシューと言えば、学生(太古の昔)の頃、「スノーシューなるものがついに日本上陸!」とアウトドア雑誌に大々的に取り上げられていたのを読んで、一目惚れ。なんとかお小遣いで買えないものかと画策したが、「なに言ってんだよ。こんなもの売れるわけがない。ワカン最強!」との友人の一言に一蹴され諦めたことがある。ワカン最強には同意するが、今思えば先見の目がない友人だった。笑。
そんな昔話を思い出しながら、スタートポイントから早速、スノーシューを装着して歩き出す。まずは、基本性能の確認で平地から斜面をぐるりと周ってみる。トラバースの斜面横向きに不安を感じるので、もう少し歯が効いてくれるとよいと感じたが、全体的な機動性能には問題はない。急な斜面でもサクサクと登ることができる。よい相棒になってくれそうだ。
ショートカットをしながら、最短で登山口まで進む。
登山口前の大きな駐車場が、完全に埋もれていて一面の雪原になっていた。この風景を見ると冬の取立に来たと感じる。
そのまま真っすぐに進み、斜面へと取り付く。夏道は九十九折に登っていくので斜度を感じないが、正面に向き合うとこれが結構な急斜面になっている。冬はこれを直登する。「馬鹿」がつく我ら。急登を見ると無駄にシンドイところを選んで、進んでいく。これからロングコースを歩くというのに、スタート時点で体力を消耗してどうするんだ!と思いつつも、息を切らせながら自由に登っていく雪の斜面が楽しくて仕方がない。100m競争のように、横に並ぶ仲間を牽制しながら一歩でも早くと登っていく。
登りきると尾根に合流。一気に展望が開ける。右横には、明らかに他の山とは一線を引くように存在感を示す経ヶ岳が威風堂々と見える。保月山から山頂にかけてのラインが特に美しい。
この尾根を伝って山頂まで進むが、一年を通して人気の高い取立山だけあって、今日も尾根沿いには渋滞が出来上がっていた。
高度を上げていくにつれて、眺望に磨きがかかる。銀色に光る恐竜博物館や勝山の市内も良く見渡せる。なんと言っても素晴らしいのが、山頂手前の雪のスロープ。雪庇に沿いながらひたすら真っすぐ登っていく。2~3,000m級に匹敵する景観が手軽に楽しめるのが取立山の魅力だ。
山頂に到着。
恋焦がれる純白の白山に会いに来たが、残念ながら白山方面には雲がかかっていた。それでも取立山からの景色は一見の価値がある。白くなった山々に囲まれ、踏み跡のない白い布のような雪面が広がっている。山頂から見下ろすと、反対側の斜面は大きく切れ落ちていて、降ったところを左へと進めば避難小屋や水芭蕉の群生地方面。真っすぐ進めば、今回目指す大重方面になる。目線を送るとその先にデンと大きく聳えている山が見える。雄大な姿から大長と勘違いしがちだが、それは手前の鉢伏山。大長は更にその奥にあって、ここからでは姿が見えない。鉢伏山でも霞んで見える距離にあるというのに大長は更に遥か彼方だ。簡単な道のりではないが、大長から眺める純白の白山はしびれる程に美しい。果たして、今日はその姿を見ることができるだろうか。
風もなく春のような陽射し。雪の照り返しもあって、汗がぽたぽたと落ちてくる。緩やかなアップダウンを繰り返しながら進む。
前回は吹雪に見舞われて鉢伏山までもたどり着けなかったが、今日は難なく鉢伏山手前のピークまでたどり着くことができた。しかし、ここから先がまた大変。一旦、降ってからの見上げるほどの急登。先行人もここで断念したのか、ここから先のトレースはない。
雪山では、その時の質やトレースの有無等の条件により、歩く速度や行動範囲に大きな差が生じるが、大長がこんなにも遠く、手ごわく感じるとは思わなかった。時間的にも今日はせいぜい鉢伏山までが限界か。
気持ちを改め、目標を鉢伏山に見直して、いざラッセル開始。しかし、斜面を降ったところで、あえなく失速。取立山入口の斜面ではしゃぎ過ぎたのがよくなかったのか、ガス欠で足が上がらない。
我らチームの最終秘密兵器に先頭を譲り、一人、列から離れてパンを頬張りながらエネルギーを補給する。完全なシャリバテだったが、一個食べたらなんとか元気が湧いてきた。斜面を見上げると、颯爽と先陣を切っていく秘密兵器が見えた。既にかなりの高さにいるので、急いでトレースを追う。
鉢伏山までの斜面はかなりの急登だが、登りきると山頂まではなだらかな雪原が続いている。鉢伏山の山頂から、ついに大長の全容を捉える。名前の如く長く大きく、山が連なっている。大長にはまだかなりの距離を残している。今日の体力と雪の状態では、やはりたどり着くのは無理だろう。せめて純白の白山を拝みたかったが、変わらず雲の中だった。
途中の日当たりの良いところで食事をとって帰路につく。2回連続での大長敗退となり、悔しくはあるが、思いっきり雪に接することができたのでその点では満足の一日だった。次回のリベンジに、炎を燃やすことにしよう。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • ちきしょー(小梅風)大長まで行きたかったですね。

  • さすが秘密兵器。追いつけなかったです。
    次回は必ず大長にたーつっ。

登った山

取立山

取立山

1,307m

よく似たコース

取立山 福井県

ミズバショウの群生地と白山の展望が楽しみな山

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
3時間5分
難易度
コース定数
17
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