行程・コース
天候
1日目 晴れ 2日目 晴れのち曇りのち霧 3日目 曇りのち晴れ
登山口へのアクセス
バス
その他:
往路 十津川村役場前から村営バス(2便/日)で森林植物公園へ
帰路 下北山村・池原からR169ゆうゆうバス(1便/日)で近鉄上市駅へ
この登山記録の行程
1日目
泊地(5:02)・・・奥駈道登山口(5:10)・・・香精山(7:07)・・・四阿宿(8:17)・・・地蔵岳(8:58)・・・葛川辻(10:07)・・・笠捨山(10:54)・・・八大金剛童子(12:13)・・・行仙宿(12:38)
2日目
行仙宿(5:17)・・・行仙岳(5:45)・・・俱梨迦羅岳(7:25)・・・転法輪岳(8:06)・・・平治宿(8:27)・・・持経宿水場(9:45)・・・持経宿(10:52出発)・・・阿須迦利岳(11:32)・・・証誠無漏岳(12:12)・・・涅槃岳(12:51)・・・乾光門(13:23)・・・滝川辻(14:01)・・・般若岳(14:22)・・・泊地(15:06)
3日目
泊地(5:10)・・・地蔵岳(子守岳)(5:16)・・・天狗の稽古場(5:23)・・・嫁越峠(5:35)・・・奥守岳(6:00)・・・天狗山(6:26)・・・太古の辻(7:32)・・・深仙宿(8:10)・・・釈迦ヶ岳(8:50)・・・深仙宿(9:26)・・・太古の辻(9:50)・・・両童子岩(10:59)・・・前鬼小仲坊(11:58/12:25)・・・前鬼口(14:37)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
日本最古のロングトレイルとして1300年の歴史を持つ大峯奥駈道も、明治政府の修験道廃止令により長らく入峰が禁止されていた。戦後、北奥駈(吉野~前鬼)は復活したが、太古の辻以南は廃道となっていたところ、三井寺(大津市)が平治ノ宿を開き、続いて民間の有志による登山道整備と山小屋の建設及び管理がなされ、現在までもう50年近く続けられている。今回お世話になった行仙宿も彼ら「新宮山彦ぐるーぷ」が管理する普段は無人の避難小屋で、志納金(二千円以上)をおさめて一泊させていただいた。
1日目
前回(熊野本宮~玉置山)に続き、南奥駈を前鬼まで3日間かけて歩く。前日のうちに21世紀の森・森林植物公園へ。園内はキャンプ禁止だが、ゲート外に水場と休憩広場がある。天候も良く香精山までは軽いだろうと高をくくっていると、巨岩が立ちふさがる貝吹野で急登が待っていた。東屋岳(山頂は少しルート外)で直角に進路を変えると、いよいよ核心部である。地蔵岳手前の石碑から地図では短い区間だが、鎖と木の根を頼りに岩場を昇り降りする危険地帯が続き、かなり時間もかかった。悪天候の際はなおさら危険。なお、巻道もあるが通る人が少ないうえ、近年の台風被害で通行困難となっているらしい。
笠捨山まで来てほっとしたのも束の間だった。行仙宿まで60分というのは過少評価であろう。激しい登り返しに辟易として行仙宿に着いた時にはもうへとへと。平治宿でテント泊の計画だったが、今日はここで泊まることに。水場はまっすぐ谷へ降りて往復約20分、なかなかの重労働-時期により枯れることもあるらしい。夕食を済ませて寛いでいると、前鬼から12時間かけて来た女性が到着された。あのー、私、二日かけてそこへ行くんですけど・・・
2日目
行仙宿にテント場はないが、行仙岳のNTT施設辺りは平らに整地されている。絶好の登山日和に快調に歩を進めて行く。俱梨迦羅岳の北(下山方向)は二手に分かれており、鎖のない新道(右)の方を通った。鎖はなくてもロープはあり、昨日ほどではないが少し緊張した。平治宿から持経宿のあたりは、美しい自然林の中をゆるゆると上り下りして行く気持ちのいい区間。下北山村からの林道歩きが長くなるが、ぜひまた来てみたい。持経宿の水場で3L補給したうえ、体がお休みモードになってしまったのだろう、休憩後の登りのしんどかったこと。
さて、今夜の幕営場所を探さねばならない。涅槃岳もよさそうだったが、なるべく先へ進んでおきたい。事前情報では乾光門、滝川辻、天狗の稽古場などがテント適地とのこと。午後になりガスが上がってきて少し風も出てきた。ゆるやかな地蔵岳(子守岳)の南面で場所を探すことにした。
少々斜めなのはしようがないとして、草地でも横になると地面の凹凸が背中に痛い。「山林斗藪(さんりんとそう)」という言葉を思い出す。目的は違えど、不自由に堪えながら大自然に身を横たえて一夜を過ごすことは同じ。
3日目
大峯の花樹といえば赤いシャクナゲと白いシロヤシオ。シャクナゲは終わりを迎え、シロヤシオは今が盛りであった。空が曇り気味なため稜線付近では遠くからは目立たず、間近に来ては溜息をつくばかり。紺碧の空に純白の花が映えて、さぞや見事だろうと想像してみる。花が咲けば虫も現れる。結局10ヶ所程も刺されてしまった。
そうこうするうちに太古の辻に到着、だがきょうは釈迦ヶ岳まで行くのだ。すでに雨交じりの風が吹き始めていて、あまりゆっくりはできない。ザックを深仙宿にデポして山頂を往復し、ふたたび太古の辻から前鬼へと下山する。途中、大日谷出合あたりでテープ印を見失い、15分ほどロスト。よく見ればケルン(小石が積んである)が進路を示していた。
ちょうど一年ぶりに前鬼に戻ってきた。小仲坊(宿坊)は、平日は無人だが素泊まりは可能。私にはこれからまだ長い林道歩きが待っている。登山記録は去年のスタート地点でもある前鬼口バス停を一応のゴールとした。しかし翌朝までバスがなく、さらに6キロほど先の下北山スポーツ公園キャンプ場へと向かう。ここには「きなりの湯」と併設レストランやコンビニもあり、フリーサイトならば格安。ただし土曜などは予約が取れないほど人気のキャンプ場である。
こうして南奥駈の旅を無事に終えることができた。残すは山上ヶ岳から吉野まで。これは来年の楽しみにとっておこう。
険しくも豊かな山々を繋ぐ一本の道を歩いて行けば、私という小さな生き物も大自然と解け合う時間を過ごさせてくれる。
フォトギャラリー:38枚
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
登山靴 | バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
タオル | 帽子 | グローブ | 着替え | 地図 | コンパス |
ノート・筆記用具 | カメラ | 登山計画書(控え) | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 |
虫除け | 熊鈴・ベアスプレー | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ |
トレッキングポール | 燃料 | カップ | クッカー | ||
【その他】 携帯浄水器、ヘルメット、体温計、消毒スプレー、マスク(予備) |